<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?><?xml-stylesheet href="http://www.blogger.com/styles/atom.css" type="text/css"?><feed xmlns='http://www.w3.org/2005/Atom' xmlns:openSearch='http://a9.com/-/spec/opensearchrss/1.0/' xmlns:georss='http://www.georss.org/georss' xmlns:gd='http://schemas.google.com/g/2005' xmlns:thr='http://purl.org/syndication/thread/1.0'><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648</id><updated>2012-02-16T16:20:11.945+09:00</updated><category term='サド'/><category term='ヴィヴァン・ドノン'/><category term='ネルシア'/><title type='text'>翻訳の試み</title><subtitle type='html'>十八歳未満の方、不真面目な方、不寛容な方の閲覧はお断りします。</subtitle><link rel='http://schemas.google.com/g/2005#feed' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/posts/default'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default?max-results=100'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/'/><link rel='hub' href='http://pubsubhubbub.appspot.com/'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><generator version='7.00' uri='http://www.blogger.com'>Blogger</generator><openSearch:totalResults>54</openSearch:totalResults><openSearch:startIndex>1</openSearch:startIndex><openSearch:itemsPerPage>100</openSearch:itemsPerPage><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-2314319564735992953</id><published>2011-11-13T14:58:00.002+09:00</published><updated>2011-11-13T15:27:48.299+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第三部　1</title><content type='html'>&lt;div style="text-align: center;"&gt;第三部&lt;/div&gt;&lt;div style="text-align: center;"&gt;&lt;br /&gt;&lt;/div&gt;&lt;div style="text-align: center;"&gt;第一章　事故　腹立たしい出会い&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;　猊下の城から最初の駅まで行く間に、ひどい道を通って悪路を一里渡らなければなりませんでした。馭者に必要以上に飲ませたので、街道の一歩手前で泥にはまってしまいました。ベルリン馬車は重かったのです。馬には泥から引き出すことができませんでした。従僕は前にいました。私たちは大変に機嫌を悪くしました。馭者はたくさん汚いことばを叫びました。ふたりの馭者のうちのひとりが探しに行かなければならなかった補助の馬がやってきたときになってようやく、この罵りを逃れることができました。乱暴ではない方がようやく正気を取り戻して、出発しました。&lt;br /&gt;　不幸なことに、一瞬の後に制服を着た六人のならずものがやってくるのがみえましたが、それといっしょに、この人々とはどこも似ていない、平民の服を着たきれいな若者がいました。この集団は、私たちの一団を離れた馭者が善意をもってさし向けたものでした。美少年を除くと、このひとたちはみんな酔っ払っているようでした。この男たちがこちらにやってくるときにしている恐ろしい会話を聞いて、私たちはその誠意について最低の印象をもちました。私たちは彼らを侮辱してはいませんでした。「何てこったい！」一味の首領であるとみえる男が近づいてきて云いました「おやおや、どうしちゃったのかな？ 大したことじゃねえや」仲間の方を向いてつづけて云いました「こりゃあ車に餌食が乗ってらあ！ みんな別嬪さんなのは運がいいや。ひでえな、こいつは幸先がいいぜ！お約束どおりのいちゃもんをつけてやろう。みんな俺のようにすることだ」 「ひとりの女に二発ずつはお約束だな」（ひとりが答えました） 「俺は六発はできるぞ」（もうひとりが答えました） 「好きなだけすればいいでしょう」（ちゃんとしたことばを使って）三人目がつけくわえました「ペチコートは臭いから、私は直接本題に入るよ。さあ、泥棒猫ども、まずは馬車から出ることだ。さあ、急いで。そうしないとご丁寧にそこから出ていただくことになるからね…」&lt;br /&gt;　でもどうしたらいいの！ 泥のなかに降りるなんて！おなかのところまであるかもしれません。「それはだめだ」（男たちのひとりが口を挟みました）「泥だらけのおケツとはやりたくないよ。いらっしゃい、王女様方、俺の上に乗っかって。後で俺の方が乗っかってやるから。さあ、さあ…」&lt;br /&gt;　哀れなシルヴィーナは、生きた心地もしないで、最初に車から降ろされました。運ぶ男の肩から、すぐに伍長の腕に渡され、この男は短いパイプを帽子の角のなかに入れ、彼女にたばこ臭いキスをしなければならない状態になりました。シルヴィーナは高く叫びました。冷たい女を演じることを教えるために、彼女のケツをしたたかに蹴とばしました。&lt;br /&gt;　もうひとりの男は反対側のドアから飛び出そうとするところだったテレーズのペチコートをつかみました。この仕草ではっきりみえた美しいもちものが、大変な騒ぎを起こしました。他のところでもう言及した彼女のある種の雰囲気が、前もって剣客の人気を集めていました。みんな同じことを叫びました。「この女は俺のだ」 「この女がほしい」 「俺のだ」 「俺のだ」 彼女は抵抗せずに地面に寝かされて、シルヴィーナが蹴りを喰らわされたことを教訓にして、何も云いませんでした。私はといえば、恐怖よりも怒りを感じていました。私の番がやってきました。私はまったく落ち着いてポケットからナイフを取り出しました。そして隅に隠れて、私に手をかけるなどと無礼なことをしようとするものは刺すと脅しました。この落ち着きの風はまったくもってこの殿方連の好みでした。男たちは笑い、私は勇気があるのだから、私には何もしないと約束しましたが、それでも車のなかを物色して、私たちと出会った思い出の品を持ち帰るのには反対しないでいただきたいと云いました。しかし私は降伏を拒み、器用に泥の向こうに飛んで、兵隊のひとりに飛びかかり、ナイフで軽く怪我を負わせました。この時間の間、私たちの馭者は、意見などしたものだから、殴られていました。彼は木に縛りつけられました。茂みのなかに飛び込んだテレーズは、盗賊のひとりに追いかけられていました。シルヴィーナはひれ伏して許しを請うていました。ひとは彼女のことを頭から爪先までじろじろ見るだけで、まったくことばを聞いていませんでした。私が殴った男は私の両手を縛り、私から受けたのよりもずっとしっかりした一発をすぐに長靴でおみまいすると約束しました…。&lt;br /&gt;　するとハンサムな若者が、ここまではできるだけ暴力に反対することしかしていなかったのですが、怒りだしたようにみえました。身軽に動けるように外していた剣を一本つかみました。勇敢に構えの姿勢をとると、これらのならずものをみんなやっつけてやると脅し、それと同時に私たちが彼らの乱暴の犠牲になるのを見るくらいなら死んでもいいと決意していました。この勇敢な挑戦に男たちが残酷にも応えようとしていたとき、馬に乗ったふたりの男が、全速力でやってきて、突然注意をそらしました。&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;&lt;div style="text-align: center;"&gt;第二章　泥沼の冒険の悲劇的な結末　英国人とハンサムな若者の勇気&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;　馬に乗った男たちは剣が抜かれているのを見て、一瞬立ち止まって、私たちのところまで来るかどうか話し合いました。それでもより果断な男の方が模範を見せると、仲間はそれに従い、ピストルを手に、私たちの方へ突進してきました。ことばと着こなしによって、すぐにこの紳士は英国人であることがわかりました。飛び道具を見ると、剣と棍棒しかもっていない私たちの敵は居住まいを正さずにはいられませんでした。私たちは援護者の方に走ってゆき、馬の後ろに隠れました。ハンサムな若者は、幸運なことに英語を話し、起きたことを手短かに話しました。それでも兵士たちは攻撃しようというそぶりを見せていました。同時に輿が現れました。これは配達員の長のものでした。彼らのことを目で追っていましたが、騒ぎが聞こえたので、彼らのように道をそれて、私たちのことを助けにやってきたのです。&lt;br /&gt;　まだ走っている車のなかから、とてもハンサムな男性が、大きなナイフをもって飛び出し、ひとつも質問することもなく切っ先と刃で切りかかるのがすぐにみえました。一瞬のうちに、テレーズのスカートのなかに隠れていた男の他のならずものは全員立ち向かって剣を交えました。ハンサムな若者は、新しくやってきた私たちの援護者の側に立ち、英雄的に助けを差し出しました。数分間やりあっただけで、ならずものどもは、刺され、切りつけられ、騎兵隊の打った四発のピストルでめちゃくちゃにされて、闘えない状態になりました。この発砲の音によってテレーズに乱暴していた男は逃げ、テレーズは髪飾りなしで、髪を乱して、胸を露わにして、何とかスカートを抑えていましたが、その紐は切られていました。&lt;br /&gt;　不幸な男たちのうちのふたりは命がありませんでした。他の男たちは命乞いをしたので、戦いをつづけることは潔しとされませんでした。勇敢な英国人には、よい医者であるつきびとのひとりに傷を見せて手当てをさせる心遣いすらありました。&lt;br /&gt;　一方ではこの慈悲深い気遣いを見せている間に、他方では戦闘の間に気を失っていたシルヴィーナを我らが騎士たちは助けに行き、そうしてからとりあえず私たちの車に英国人の車の馬をつなぎました。英国人、ハンサムな若者、従僕と私たちの馭者が力を合わせて、ベルリン馬車を泥から引き出しました。すべてがうまくゆきはじめたとき、我らが英国人は自分もけがをしていたことにようやく気づきました。幸運なことに軽傷でした。必要な手当てをさせて、車に乗り込みました。もうひとり分の場所があったので、私たちはハンサムな若者を車に乗せ、再出発しました。&lt;br /&gt;　まもなく私たちの馭者と従僕が一群の村人と、数人の青服、ひとりの黒人とともに戻ってくるのがみえました。この群れは何を意味しているのかと私たちは聞きました。自分で兵士らを私たちのところに送ったけれども、彼らは村でいくつも行き過ぎたことをしでかしたとわかったので、絶対に私たちのことを侮辱するだろうと馭者は予想したのです。そこで不幸なことが起きた場合のために、助っ人と警察を連れてきたのです。でも幸運にも英国人が現われなかった場合を考えたら、この支援は遅すぎでした。どんな目に遭ったのか私たちは話しました。人々は私たちといっしょに引き返しました。黒人が私たちの届け出を受理してから、残りの一団は犯罪の現場まで足を進めました。&lt;br /&gt;　実を云うと、私たちが馬を確保した村は警戒状態にあったのです。ならずものが居酒屋を掠奪し、主人を倒し、女給に悪さをしていました。彼らは人数で圧倒していました。邪魔に出会うことなく退散していました。&lt;br /&gt;　それでも私たちの事件のニュースが広まり、すぐさまあちこちからひとが駆けつけました。私たちの車は取り囲まれました。主任司祭がやってきて、大変に味気ないお祝いのことばを述べました。狩から戻ってきた、残念がっている小柄な紳士が、家まで車で来てほしいとしつこくうるさく頼みました。私たちは断りました。&lt;b&gt;市民軍隊長の名誉にかけて&lt;/b&gt;、もし忠実な部下であるラフルールとジャックと自分が城にいたら、こんなに平和ではすまなかっただろうとこの男は云いました。それからこの田舎紳士が多くの奇蹟を起こしたにちがいない、村の二十もの闘いの長々しい話を我慢して聞かなければなりませんでした。フランス語がわからないふりをして、英国人はうまく切り抜けました。そこで退屈な栄誉の授与は全部私たちに降りかかってきました。シルヴィーナは礼儀正しく応え、お礼を云って自ら破滅していました。私は機嫌を悪くしていました。テレーズはさらに嫌がっていました。何か特別なことが身に降りかかったということを公言してはばからない身なりの乱れを恥ずかしく思っていたのです。若者は絵に描きたいほどで、昂奮して、どちら側に対しても、生き生きと、魅力的な陽気さをもって答えていました。それでも私たちはこれがだれなのかも、このひとのことをこれからどうするべきかもわからなかったのです。彼もまた同じく私たちに関することを知りませんでした。それなのに私たちとずっといっしょに暮らしてきたような様子をしていました。&lt;br /&gt;　ようやく車がつながれました。英国人は酒場の主人に贈りものをして、私たちの話に興味をもってくれているらしいそのしるしとして、人々にいくらかお金を投げつけました。願いごとや祝福のことばが飛び交うなかを私たちは出発しました。&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;&lt;div style="text-align: center;"&gt;第三章　モンローズの話　その特別な不幸&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;　偶然にも連れ帰ることになったこのかわいらしい若者はだれなのか知りたいと私たちは強く思っていました。彼は自らこの好奇心を先どりしました。厚かましさがなかったわけではなかったけれども、しっかりと落ち着きを見せて、だいたいこのように云って心を開きました。&lt;br /&gt;　「みなさん、ご紹介いただいていないというのに、僕がこのようにみなさんの間に紛れ込んだのはかなり奇妙なことだときっとお思いでしょう。僕はこんなにも悪い奴らといっしょのところを見られてしまいましたが、それでもいっしょにいた悪党どもと僕はまったくどこも似ていないと信じてくださるようにお願いします。僕は財産のない不運な男です。自分が紳士だとはわかっていますが、子供の頃から欲得ずくの人間の手に委ねられ、哀れな国学者&lt;span class="Apple-style-span" &gt;1&lt;/span&gt;の家を出て学校に入り、それから一度もだれも家族とは会っていません。僕は定期的に慎ましやかな寄宿料を払ってもらっていました。僕はちゃんと養われず、ちゃんとした教育を受けず、侮辱され、殴られました。みなさん、僕の生活のありさまを簡単に説明すればこうなります。僕はまあまあ背が高いと思いでしょうが、それでもまだ十四歳です。でも厳しい生活のために早熟で、普通の僕の年の男よりはしっかりしているのです。実際、もう数年前から理屈で考えています。大胆なやり口によって、未知の両親からもらっていた少しばかりの財産も失ったところなので、自分の運命を切り開くことすらできると感じています。モンローズという名前ですが、これはただのあだ名です。校長先生がそう云いました。彼は僕に関する書類をもっていて、彼だけが僕がどこの生まれで、僕はどのように呼ばれるべきかを知っているのです」&lt;br /&gt;　魅力的なモンローズは話すのをやめました。でも私たちはどういう偶然によって彼はあの兵士たちといっしょにいることになったのか、そこで何になるつもりだったのかを絶対に知りたく思いました。&lt;br /&gt;　「みなさん」彼は赤くなって答えました「僕は学校から逃げ出したのです。それに、正直に云いますが、どんな力によっても僕のことをもう一度学校に入れることはできません。もう何も云うことはありません。逃亡の秘密は明かされてはならない性質のものです」 私たちの苛立ちは倍になりました。私たちはモンローズをせかせました。彼はずいぶんともったいをつけました。でもようやく懇願に負けました。悲しそうに、何度も顔色を変えながら、彼はこうつけくわえました。&lt;br /&gt;　「両親から離れて、学者ぶったひとに預けられた子供ほどに不幸なものがこの世にいるのかどうか僕は知りません。この迫害者たちは、ひとづきの悪い顔をし、頑なな心をもち、卑劣な魂をもち、僕のことを絶えず迫害しました。誇り高く激しやすい気質の僕は、他のだれよりも苦しむことになりました。勉強の疲労と退屈を増し、食べものと睡眠を減らし、娯楽と仲間とのつきあいを奪うことが、僕の忌み嫌うこの化けものどもが毎日行う不正でした。もし僕の方でも忌み嫌われるようにすることができて、彼らの愛着のなかにこそ何よりも堪えがたい責苦を見出すのが僕の星の運命ではなかったとしたら、それだけでもしあわせだったことでしょう」&lt;br /&gt;　「約半年前に僕はだれかと仲よくなりたいと思い、すばらしい学業の成績のために先生方全員に評価されていた同級生が、僕にとって特別なものになりました。僕はカルヴェル（生徒はこういう名前でした）に対して尊敬と友情を大変に感じていました。僕はみんなに歓迎されているこの若者から、ここまで僕のことを引き裂くことをやめない猛獣たちの心を和らげる技術を学ぼうとまじめに考えていました。実のところ、カルヴェルと仲よくなりたいという僕が示している気持ちが、校長先生を連れてきたようでした。僕らが理解し合っているのを見て彼は喜んでいるようでした。僕たちは同じクラスでした。僕はまもなく教師の好意を分け合うことになり、不幸は終わりを告げるのではないかと一瞬信じました。しかしまもなく新しい友人が心を開いてくることと先生のやり口が、僕に警戒心をもたせました。大きな謎がみえていたのです。僕のことをほめ、たたえ、やさしくするので、何かがたくらまれているのを予感しました。カルヴェルはある種のアプローチによって一部の好意を得ていることにまもなく僕は気づきましたが、それは僕には真似ができないと思われることでした」&lt;br /&gt;　「疑いはついに確信になりました。僕たちの先生は校長先生の親友でした。カルヴェルはこのふたりの親友でした。僕らがいっしょに寝る手段を見つけられるように、ひとは僕らのふるまいに目を閉じていました。好色漢で僕よりも年上のカルヴェルは、なれなれしくなっていました。僕に下品なことを教えましたが、僕はかなりそれがよくわかって、何となく好きになりました。でもみなさん、無邪気さが僕には損になっているようです。僕のことをばかにしていますね」（実際私たちはほほえんでいました） 「いいえ、そんなことはなくてよ」シルヴィーナは答えました「あなたの話を興味をもって聞いています。おもしろいわ。あなたはかわいらしいと思います。つづけてください」 「気づかれないうちに、彼はさらに熱意をもってレッスンを進めました…。ついにある夜、彼はある種の快楽のすばらしさをとても雄弁にたたえたのです…。でもまずそれを頭に描いただけで僕はひどい嫌悪を感じました…。僕がその助言を喜ぶように、実践を支えにして彼は試してみましたが、それはむだなことで僕はまったく怒ってしまいました。彼はできるかぎりのことをして僕の気を落ち着けたので、僕は許しました。でも僕らは二度とこの不快なことは問題にしないと同意しましたが、彼は自分を正当化して僕を誘惑するために、校長と先生が彼を教育したのであって、このひどいひとたちがやましさもなく彼にしたことを、僕にも彼に許すことができるはずだと保証しました」&lt;br /&gt;　「みなさん、細かいことを長々と述べてもむだなことです。カルヴェルは先生方の助言にだけ従って行動していたことがおわかりになることでしょう。この男は彼らに仕えていたのです。僕のことを堕落させて、それから彼らの恥ずべき快楽に奉仕させるように命令を受けていたのです。愛撫、祈り、脅迫、暴力、このときからは目的に達するために、悪党らはすべてを試しました。まもなく恐ろしい嫉妬に引き裂かれて、彼らはそれぞれが自分よりもライヴァルの方を僕がひいきにしていると想像しました。そうして僕は絶えずどちらかの激怒の犠牲になっていました。軽蔑すべきカルヴェルと僕は決定的に仲違いしました」 (シルヴィーナはうっとりして)「かわいいわ」&lt;br /&gt;　「ついにおととい、僕と仲直りをするという口実で、校長が僕のことを就寝時間に寝室に来させて、僕を腕に抱きしめると、過去のことは忘れるように頼んできました。僕はそれを約束しました。彼は僕をやさしく扱い、ジャム、ミュスカワインをごちそうしてくれて、何の不審もなく僕は味わいました。一時間以上の間親しくおしゃべりしました…。しかしおぞましい校長は、突然偽善に満ちた顔を捨てて、狂犬病の狼のように僕に襲いかかり、筋肉質でがっしりしたからだの全力を用いて、僕の初物とやらを奪いとろうとしました。既に彼の服が僕の頭を覆っていました。僕はベッドの上に突き倒され、毛布に顔を押しつけられて、ほとんど息ができませんでした。僕の両脚を片脚が抑えていて、きつく動かないようにしていました。既に化けものは、空いていた方の手で僕の半ズボンのつなぎ紐を切って、脱がせていました…。でもこのとき、いきりたった教師が、おそらくずっと前から見張っていて、錠前をかけていたのに扉を突き破ってきて、狂乱した情熱のうちであきらめることができない狂人の手から、何とかして僕のことを引き離しました。この獰猛な獣が怒り狂ってつかみ合っている最中に僕は逃げだしました。一瞬の後に、家じゅうが起きだしました。僕は脱走するつもりでした。みんなが混乱しているのをいいことに、運よく逃げ出しました。偶然門が開いていました」&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;　「すぐに町から出ましたが、ごらんのままの身なり以外のものは、最初の停泊地点で使った小金だけしかもっていませんでした。それから息をつくことなく長い間歩いたところで、同じ道を進む兵士たちに出会いました。僕たちは知り合いになりました。彼らは何か仕事をさせてやると云いました。切迫した貧困がありました。まったくためらいませんでした。僕らはもう王の健康を願って飲んでいました。そして今晩僕は入隊の署名をすることになっていたのです」&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;1 文法学者(grammairien)。トレヴー辞書によると、この文法学者という肩書は「むかしは、文法を研究したり、文献学に秀でるものばかりでなく、どんな学問の分野でも、学者として通っているひとに与えられた」。十八世紀の中頃には既に古い用法だったということである。&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-2314319564735992953?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/2314319564735992953/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=2314319564735992953' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2314319564735992953'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2314319564735992953'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2011/11/1.html' title='フェリシア　第三部　1'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image 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mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt;　父親を完全にコントロールしている老女にひいきにされているカミーユと取り決めをしてから、騎士はフィオレッリ家にいつでも気安くやって来てもよくなっていました。色男は口説きの対象を変えていたので、この男のことは遠ざけたいと思われていたかのもしれません。でもどういう口実をつけたらいいでしょうか。その生まれと身分には敬意を払わなければなりませんでした。熱心に通っているのに断られたら、相手に手ひどい扱いをするような男でした。それでも、たとえ嫉妬深いカミーユが最初は騎士が自由に出入りを許されていることで大変に苦しんだとしても、これからはそれが命にかかわる計画の実行に必要なものになっていました。この復讐心に燃えた女はいつも強力な毒薬をもっていました。もはやそれを使う機会を見つけるだけのことでしかありませんでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　偶然にも翌日は早くからデーグルモンがフィオレッリ家にいて、アルジャンティーヌは家族といっしょにショコラを飲もうと彼を招きました。姉と弟も招待を重ねました。デーグルモンは招待を受けました。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　必要な命令を出すことになっていたのは、恨みがましいカミーユでしたが、だれもその意地悪な喜びにまったく気づきませんでした。カミーユが憎むべき老女を探しに行くと、この女はすぐに仕事にとりかかりました。ショコラを四杯のカップに注いで給することにしましたが、白い二杯には毒がしこまれていて、カミーユが一杯を騎士、もう一杯を妹に出すようにすることになっていました。色つきのカップ二杯には何も入っていなくて、一杯は弟のもので、もう一杯はカミーユ自身のもののはずでした。フィオレッリ家の父はもうしばらく前から居酒屋にいました。犯罪がこのように計画されて、カミーユは一同のもとに戻りました…。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　しかし戻るとすぐに手足が激しく震えだし、顔は真っ蒼になり…気絶してしまいました。急いで手助けをし、気つけ薬をかがせました。すると気がつきました… 「ああ、みなさん、何とうれしいことか！」まだショコラが出されていないのを見て、一種の昂奮をもって彼女は叫びました。「みなさん、これから出される飲みものを飲まないようにしてください！… かわいそうなアルジャンティーヌの命にかかわることなのよ…残酷な騎士さまの命にも」（同時に妹と魅力的な騎士に向けて両手を伸ばしていました）&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　それから何のことを話しているのか説明しました。憎むべき打ち明け相手がいかにして命にかかわる計画へと彼女を駆りたてたか。どうして弱さを感じてその気になったのか。この告白は自分自身に対するとても侮辱的な形容詞を交えたものでした…。ようやく憎むべき犯人の足音が聞こえてきました。カミーユはみんなに自制するようにお願いしました。老女は落ち着いた顔つきで姿を現し、お盆の上にカップを四客載せていました。彼女はショコラの質と、それを見事に準備する自分の才能を自慢しました。それから焼き菓子をもってもう一度戻ってきて、みんなが自分向けのカップの前に座っているのを見て喜びました。カップから受け皿に移した飲みものが少し冷めるのを待ってから食事をはじめようとしているようでした。それでもジェロニモは食慾をまったく感じないと云い、色のついたカップのひとつをお盆に戻しました。恥知らずの毒盛り女は、色にだまされてこのカップを求め、かくして自分にかけられた罠に自分からはまりに行きました。女が外に行っている間に、最初は色つきのカップのなかに入っていた何も入っていないショコラの代わりに、ふたりの追放されるべき人間のどちらかが飲むはずだったショコラを急いできれいに取り替えておいたのです。あらゆる卑怯者と同じく残酷なジェロニモには、大切なアルジャンティーヌの仕返しをあきらめさせることができなかったのです。騎士は出来事すべてに震えあがって、意地悪な老女にそれと知らせることができませんでした。この女がショコラをもっていったとき、ジェロニモは彼女が大食いであることを計算に入れていました。頼んだものを自分でとりに行くことを口実にしていたけれども、実際には彼女が命にかかわる混ぜものを他の使用人と分け合わないように、彼は着いてゆきました。彼女がおいしそうに飲むのを見て彼は満足しました。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　効果は覿面でした。恐ろしい痙攣が即座にそれを告げました。震えあがった女中が医者を呼びに走ってゆきました。でもむだなことでした。老女はたくさんの呪いのことばを吐き、悔悛した罪深いカミーユを死にながら中傷しようとしました。この悪党は、幸運なことに一言もフランス語が話せませんでした。支離滅裂な証言は医者にも見ているひとにも理解されませんでした。彼女が自分自身でショコラを用意したのは明白でした。まだ残っている混ぜたショコラによって何らかの罪の計画は明らかでした。でもこの秘密は関係者の間にとどまるもので、ひとに知られてはなりませんでした。老女が無惨な魂を引きとったときに、フィオレッリ家の父が帰ってきました。この女友だちの罪は狂気の産物と思われ、沙汰なしで終わりました。&lt;/span&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt; &lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center" style="text-align:center"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;;mso-ansi-language:FR"&gt;第二十九章　猊下とその甥の支持者に喜ばれる章&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt;　不吉な家から出るとすぐに、デーグルモンは私たちに会いに来ました。その体験談は私たちを恐怖で凍りつかせました。この重要な機会のせいで、どんなにこの浮気なかわいいひとのことを愛しているか何と私によくわかったことでしょう！ 彼が直面していた危険にショックを受けて、私に話しているのが彼自身なのかどうかまだ疑っていました。確信を得るために触わってみました。かわるがわる私は涙を流し、とてつもない喜びを表しました。シルヴィーナも同じく心を動かされていました。私たちの感じやすい女主人も、嘆いているけれども、強い関心のしるしを心の底から示しました。デーグルモンは、魅力的な昂りとともに、熱心な愛撫を私たちにお返ししてきました。私たちは彼に危険なイタリア娘とはもうつき合わないと誓わせました。彼の情熱的なまなざしが、これからは私が彼の敬意の唯一の対象になるということを何よりも雄弁に約束していました。実を云って私はこのひいきに値していました。この姉妹はとてもよかったけれども、私の方が絶対によかったのです。私は何よりも美しい春のいちばんのの若々しさをもっていました。いつの日か才能では追いつくことができる私は、このふたりにはない他の才能を多くもっていました。私の教育はいちばん教養度が高くて、社交界とのつきあいも多く、とりわけ生活が楽でした。一言で云うと、傲慢になることなく、アルジャンティーヌがそのお姉さんを越えていると私にみえるのと同程度に、私にはアルジャンティーヌを越えていると自慢することができました。たしかに私たちの間にそんなに大きなちがいがあると一目で見分けるのはたぶん容易なことではないでしょうけれども。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　そこでおとなしくなった騎士は私を口説くにとどめました。私はもうジェロニモを愛していませんでした。ご記憶でしょうが、彼が弱さを見せたときが、私にとっては恋が冷めたときでした。女は臆病者を嫌うものです。そもそもたとえ臆病者が私たちを誘惑できるものをすべてもっていても、よいところが半分足りない勇敢な男の方が常に好まれるのです。勇敢であると同時に愛らしいデーグルモンが権利を取り戻そうとしたときでも、臆病なフィオレッリもまたその権利を保持することになるとさらにしっかりした理由をもって云えるのではないでしょうか。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　それでも、この新しい取り決めが完璧な良いものだとみんなが思ったのに、これは少ししかつづきませんでした。甥の激しさ、もろさ、あまりに気前よく信頼を与えることを知っている猊下は、不安がないわけではありませんでした。この愛すべき気ちがいがイタリア娘にまた近づいたり、その弟が、厄介払いされたことを恨みに思って、何かお国仕込みの策略をしかけてくるのではないかと思って震えていました。そもそもあんなにひどく殴られた市民が何か計略をたくらんでいるとささやかれていました。町中が騎士のことを恨みに思っていました。裁判長の家族では彼に対して抱いているらしい本当の不平を大っぴらには話さなかったものの、とりわけ彼のことを嫌っていたのです。一言で云うと、猊下は自分の安らぎのために、甥にすぐさま父親の家に行くように言い、まもなくある修道院に二万リーヴルの資産収入を与えて利益を増やしてくれたことで宮廷に感謝するために自分でもパリに戻らなければならないので、そのときにパリに連れ戻すと約束しました。自らすすんで甥の借金をすべて払い、一年につき二千エキュやると云う約束に最良のおじがつけた唯一の条件は、短い間姿を消すということだけでした。この取り決めは私のハンサムな友人にとってあまりに条件がよすぎて、私には引き留めようと思えませんでした。彼が遠くに行くことを求めたのは私が最初でした。彼は私と別れ別れになることに絶望しているようでした。私の悲しみもそれよりも小さいわけではありませんでした。ふたりの別れは悲しく感動的なものでした。彼は出発しました。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　それからもう私たちにとっての楽しみはなくなりました。ハンサムなデーグルモンがお楽しみの魂だったのです。彼が砂漠のなかの楽しみを生んでいました。もはやデーグルモンの蔭に隠れていないふたりの士官が、引き止めたシルヴィーナに同等に扱われて、いくらか輝きはじめてもむだなことで、私にはこのふたりが細やかな心をもっていないように思われました。シルヴィーナはすばらしいと思ったものが、私にはふさわしくないものにみえました。この都合のよい友人がふたりとも熱心に私のことを求めてもむだなことで、まったく成功することはありませんでした。私がこのふたりよりも魅力的な聖職者のことを好んだのは、このふたりには大変な驚きでした。猊下はシルヴィーナとの間に距離ができたことが不満で、自分で云うことには、かつてないほどに私に夢中になり、私のことをまた口説きはじめていたのです。&lt;/span&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt; &lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center" style="text-align:center"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;;mso-ansi-language:FR"&gt;第三十章　第二部の大きな出来事の結末と結論&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt;　カーニヴァルが近づいていました。私は猊下のことを尊敬していました。私は彼のことをひいきにすることに喜びを見いだしていましたが、恋をしてはいませんでした。シルヴィーナはからだの過剰な欲求によってだけふたりの士官に執着していました。デーグルモンの出発以来私たちは死にそうに退屈していました。よってできるだけ早くパリに帰る以上のことは何もありませんでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　ランベールとデュプレ夫人の婚礼の翌日に私たちが出発すると決めたと聞いて、猊下は悲しみました。この婚礼はそれから数日後に執り行われましたが、必要がないわけではありませんでした。きれいな未亡人にとっては未来の夫が「最後の財産」になってから（騎士がお邪魔したことは勘定しないで）、妊娠を特徴づけるちょっとした不具合すべてを感じていたのです。そこでふたりは結婚しました。私たちはまったく安心しました。でもこれは私たちが出発する理由をさらに後押しすることになりました。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　同時に、まるで私たちには後ろ髪を引くような好奇心さえこの町から持ち去ることができないのが運命であるかのように、素敵なエレオノールが、誓いに反して、ついにド・ラ・カファルディエールの領主と結婚するということを私たちは聞きつけました（結婚という大きな機会を前にして、祖父が王の秘書であったひとにしては、前の名前の響きがあまりに平民的だったので、貴族の名前にすることをこの信心家に強いたのです）。つまり実り多いエレオノールがデュプレ夫人と同じ困った状態になったので、カファルディエール氏は結婚することになりました。結婚する男は、母親の叱責と母親がついに明かした重要な秘密にもかかわらず、そうするようにに命じる狂信的な告解師に対する敬意のために結婚することにしました。本当に愛するエレオノールの腕のなかで魂を汚したのかどうかを決して知ることができなかったがために、哀れなカファルディエールについてはそれだけ完全なあきらめがありました。さらに、聖コスマスの煉獄のなかで、まったく肉体的な汚れをあがなわなければならなかったのです。この汚れはだれによるものだったでしょうか？ テレーズお嬢さまです。これがこの苛立った美しい女の復讐の大切なところだったのです。この部の第六章で引用した謎めいたことばはこれに関係がありました。「奴を私の手にかけるのです…奴は後悔することになるわ」 この発見のおかげで、彼女が前にジェロニモについて云っていた謎めいたことが解決できました。「ああ！もし私にそうできたら」などと云っていました。嘆かわしいひどい男のカファルドーのようには、愛されているジェロニモのことを扱いたくはありませんでした。それでも哀れなテレーズは敵にはこっぴどいことをすることができる状態のままでした。彼女が愛慾よりも誠実さをもっていることを少なくとも友人たちはとてもうれしく思っていました。でも彼女には原則に背くことができたのです。私たちは彼女のことが好きで、彼女の奉仕は完璧でした。彼女の状態のせいで私たちの感じる憐れみのために、首都に赴こうという私たちのはやる心がさらに強まりました。まずは猊下が復活祭の退屈な二週間の後にパリにもどることになっていました。彼はようやく私たちが遠くに行くことに同意しました。&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;; mso-ansi-language:FR"&gt;　ランベールは結婚しました。猊下はこの機会を利用して、その尊敬と気前のよさの多くのしるしを新郎新婦に与えました。彼らはシルヴィーナの士官とともに、司教区から遠からざるところにある城のところまで私たちに着いてきました。先に出発していた猊下は、そこで私たちのことを歓迎しました。婚礼の祝福に捧げられた三日間の後で、ようやく私たちは別れて、閣下はすぐに私たちと合流すると約束し、幸運な夫婦は私たちとの親密な友情の関係をずっと保とうと約束しました。&lt;/span&gt;&lt;span class="Apple-style-span" style="font-family: 'ＭＳ Ｐ明朝', serif; "&gt; &lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center" style="text-align:center"&gt;&lt;span style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;;mso-ansi-language:FR"&gt;第二部の終わり&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt;&lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="EN-US" style="font-size:12.0pt;font-family:&amp;quot;ＭＳ Ｐ明朝&amp;quot;,&amp;quot;serif&amp;quot;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-92622220272307945?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/92622220272307945/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=92622220272307945' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/92622220272307945'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/92622220272307945'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2011/10/blog-post.html' title='フェリシア　第二部　10'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-5096858259797409284</id><published>2011-10-12T19:09:00.001+09:00</published><updated>2011-10-12T19:47:45.893+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　9</title><content type='html'>&lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;第二十五章　やりこめられた悪人ども&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;善良な心をくじくべきではないけれども、慈善精神の不都合なところ&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;&lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;br /&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　指揮官は良家の人間でした。殴られたもののなかで主だったものが翌日彼を頼ってやって来ましたが、自分の立ち合いで説明をするように私たちの家の若いものを呼ばせることで十分としました。でも告発者は仕返しができるどころではなく、その反対に、扉を押し破られそうだったと非難されている側が保証すると、厳しく叱られました。家人はだれも不満を云いませんでした。それでも少しでも理由があれば裁判を訴え出てほしいと朝早くからひとがデュプレ夫人に頼みに来ていました。しかしこれは善良な女性でした。特にこの事件においては、自分自身のために、自分の利害を私たちの利害と切り離すべきではありませんでした。そもそも彼女は私たちのことが好きで、私たちは彼女にいやな思いをさせようとはしていませんでした。そこで彼女は私たちの敵の代表者をあまり歓迎しませんでした。ばかの一味の町の警察署長が決心を揺り動かそうとしてもむだでした。何の結果も得られませんでした。憎悪と羨望は、騒がしいけれどもむだな爆発しか惹き起こしませんでした。判断するためにはいつも出来事を必要とする暇人は、殴られたひとたちをまたばかにしました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　ランベールは私たちの身に起きたことをまったく知らないうちに朝早く出発しました。それでも何かこの出来事とかわりがあったのです。私たちはそうではないかと思っていました。昼食の後にまず階上に上ったデュプレ夫人が私たちにさらに多くのことを教えてくれました。これが彼女の身に降りかかったことです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　食事が終わって用を足したく思った騎士は階下に降りました。ご存知のように、彼の頭はあまり明瞭ではありませんでした。戻ってくるときに、階段で足を踏みはずしました。転げ落ちて、松明が大きな音をたてました。デュプレ夫人はそのとき寝床に入ろうとしていたところで、最後のスカートを脱いだところでした。墜落の音に恐れをなして、彼女は扉を開けました。大きな友情を抱いている騎士だとわかると、彼女は助けに行きました。足にかすり傷をしていました。親切な未亡人は大変に悲しんで、絆創膏を張り、まったく不信を抱くことなく危険な病人を部屋に迎え入れました…。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　ここまで話したとき、騎士の到着が告げられました。美しい未亡人は赤くなりました。その顔には恥ずかしさと怒りの入り混じったものがみえましたが、それでもそこには一匙の興味関心もありました。デーグルモンはいつものようには落ち着いていませんでした。疲れていて前夜のやりすぎに対して自責の念を感じているシルヴィーナは困っているようにみえました。私が姿をくらましたことを他のみんなはだれも知らなかったので、私だけはやましいところがなく落ち着いていて、お楽しみを曇らせるようなものは何も感じることなく、好奇心を燃やして待っていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　私たちは何も云わずにいました。デュプレ夫人が努力をしてこらえているのはわかっていたけれども、涙がその美しい目から溢れたときに、騎士が沈黙を破りました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　「美しいひとよ」両手を握って、ほろりとしながらデーグルモンは云いました「この夜起きた哀れな出来事のためにあなたが悲嘆に暮れて、そのために僕は心を引き裂くような良心の呵責を感じなければならないのでしょうか！」 「放っておいてください、あなたは私のことを辱めました。あなたのせいで私は残りの人生を不幸に暮らさなければならないのです」 「実を云って、わが美しきデュプレ夫人、それはあまりに繊細すぎます。そんなに大げさなことでは…」 「ひとにはそれぞれの考え方があるのです！私の考え方は…」 「それはよかった。でも不幸と云い、ひどいことだと云う。目を上げて私を見てくださいませんか…」 「意地悪なひと、私のことは放っておいてください、これからはずっとあなたに対して軽蔑と憎悪しか感じないのだと思ってください。女のもてなしの心も弱さも大切にせず、あなたの友人でもあるある紳士に対してこの女が抱いているとあなたにもわかっている感情を無視するのなら、あなたにとっては何もタブーはないのですか」 「過ちは認めます、僕はひどい男です」（私たちのよく知っている魅力的な優雅さをもって悪党はひざまずいていました）「とても魅力的なデュプレ夫人、僕は確かにひどいふるまいをしました。でももはや癒す手段がないときに、なされた悪について嘆くことが何の役に立つでしょうか。さらにひどくしようというのですか。恐ろしい結果を招きたいのですか」 「何ですって」大きな興味を示してシルヴィーナは口を挟んだ「見たところではかなり重大なことのようですね」（責められている男は、絵に描きたいほどにつつましく悔いていました） 「奥様」寡婦は答えました「私の恥辱を語るのは遠慮させてください」 「あなたがそれを語るには及びません」罪深い騎士は口を挟んだ「昨日理性を失ってしまったことで僕はもう不幸だったのですから。こんなことが起きたのは僕にとって生まれて初めてのことで…」 「絆創膏のところまでは全部聞きました」シルヴィーナは云いました。騎士は思わずほほえみ、話をつづけました。「そうなのですか！奥様は絆創膏を探していたのです。僕の痛みを和らげようとあまりに熱心だったので、みごとな胸を僕の目から隠すのを忘れていました…だれよりも優美なしかたで被った夜のコワフのレースの蔭から魅力的な目が僕のことを焼いていました。たった一枚のシャツと、外しかけのコルセットだけをつけた完璧なからだ！…唯一無二の剝き出しの脚が…半分だけ見えていた！… いったいどんな男が酔っているときにこれほどの魅惑に抵抗できるものかちょっとお聞きしたいのですが？ 今は冷静になって悔いているのに、考えただけで昂奮してしまいます！」 デュプレ夫人は意に反して態度を和らげたけれど、慎みからこう云いました。「やめてください、そんなほめことばに気をよくしたりはしません。あなたの情慾をそそるような姿だったという不幸はあまりに高くついたのです」 「僕はつづけますよ、奥様方。僕が無礼だったということは本当です。僕は見とれていたものに大胆にも手を伸ばしました…。これほどの硬さ、真っ白で、きめ細かく、やさしい絹のような肌のせいで、僕はついに我を失いました。僕は自分を憎みます…でもこの呪わしい陶酔は…。奥様の羞恥心を大切にすることにして、手短かに話を終わらせます。ええ、僕は乱暴にしました。奥様はまったく用心していませんでした。私がまず最初にした身ぶりは、すでにあまりに放埒すぎるものだったけれども、まだ奥様のことを少しだけ怖がらせただけでした…。僕は捕まえました…奥様は叫び声をあげました…。僕はあることを試してみました。奥様はさらに大きく叫びました…でも僕はもう自分自身ではありません。不幸なことにそこにベッドがあり、何よりも僕にとって有利になるような姿で奥様はそこに倒れました…。僕はそれを利用しました。奥様にはもう叫ぶ力がなくて…」 「大変結構です」このおもしろい告白をとても注意深く聞いてからシルヴィーナは云いました。 「このことについての私の意見をみなさんお知りになりたいですか」とつづけて云いました「デュプレ夫人はそれがおいやではなかったのではないかと思うのですけれど」 「それはわかりません、奥様」新しきルクレチアは恥ずかしそうに云いました。「僕はシルヴィーナさんにまったくお任せします」魅力的なタルクイニウス&lt;a href="#sdfootnote1sym"&gt;&lt;span style="mso-bookmark: sdfootnote1anc"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"&gt;1&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;は云った。重要なことを準備しているようにみえるシルヴィーナが何を云うものかと、私たちはみんな大変にやきもきして待っていました。演説の序言を終えた後の弁論家のように、彼女は話す前に一休みしました。私も一息つきます。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;第二十六章　前の章のつづき　デュプレ夫人の告白　和解&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　シルヴィーナはこう語りました。「デュプレの奥様、はっきり申し上げますが、騎士様が今物語ったばかりのことからすると、この方が正しいとは云えませんが、だからといって奥様自身がふるまったしかたに同意するわけにはいきません。結局のところ、この事件のなかで重大なものはあなたがあげた場ちがいな叫びでしかありません。何を期待していたのですか？助けですか？でもだれの？女の助けですか？女に何ができたでしょうか！分別のない若い男たちの助けですか？彼らは騎士の過ちを正そうとして首を突っ込むどころか、反対に自分たちでも同じくらい大きい過ちを犯すことしか考えていませんでしたよ。ランベールを頼っていたのですか？おふざけのために愛人と恋人が殺し合うような状況にするのは残酷なことでしょう。あなたについての世間の評判については、もしそのことを恐れていたのでしたら、あなたがしたように、だれかといっしょにいるということを疑わせることによって、たとえ何も重大なことが起こらなかったとしても、千倍も身を危うくしたということはまちがいありません。もし何も音をたてずに友好的に紳士とばかなことをしたのだとしたら、このひとはそれを言いふらすこともないでしょうに、あなたはだれかといっしょだったと疑われるのです。あなたはランベールを愛している、これが何よりもいいことです。この心のつながりはとても立派なものです。でも機会と愛慾にはどんな感情の主張にも変えることのできない権利があります。そもそも、まだ夫ではない男に対しては何も負うものがありません。あなたは若く、美しく、お金持ちで、自分の長所と才能以外の財産をもっていないお友だちのランベールにとっては、あらゆる場合においてすばらしい相手です。もしあなたのまちがいによって、起きたことを彼が知ったとしたら、あなたは彼に対してだけ悪いことをすることになるのです。この場合は、自分で白状した汚れのついたあなたと結婚するという卑屈さか、うまくないデリカシーによって、財産と幸福を約束したはずの結婚をあきらめるかという困った選択を彼は強いられることになります。あなたは未亡人ですから、処女性というまれな宝石を持参金としてもってゆくことはできません…。確かに、あなたはこの贈りものを次の夫にすることができると言いふらしていましたが…でも…」 「デュプレ夫人」騎士は口を挟みました「正直に本当のことを云ってください…さあ！正直に」 哀れなデュプレ夫人は真っ赤になりました。「まず第一に」騎士はつづけました「処女性に関してはいちばん目利きの男でもまちがうことがあると正直に云いましょう。それでも…奥様のことを大切にしたいという気持ちにもかかわらず、無礼にならずにある種の考えを明かすのはむずかしいことに思われます…。ここだけの話ですが、素敵なデュプレ夫人、好きなように考えてください。でもどことなく…名誉ある男として云いますが…」 「ああ！わかったわ」シルヴィーナが口を挟んだ。「それならまったく別の話です。でも今となってはあなた方の話ほど明快なものはありません。むだに気をもみました。さあ！すべてははっきりしました。ランベールは何も知ることがありません。今度帰ってきたら結婚します。奥さんはよく考えてから慰められることでしょう。『まったく哀れなことだ』、実際こう云った騎士さんは正しかった。美しいご婦人よ、彼に対して公平になってください。そこには少し偏見があるのではありませんか？ ロマンチックな気持ちが少しあるのではありませんか？ 田舎住まいで少しさびているのではありませんか？ こういったことのせいでやましさを感じるのです。治してさしあげますよ。まさしく未来があなたに必要な人間です。この悪がきがしたことはもう問題ではありません。あなたはまだ同じところにいるのであって、お友だちのランベールさんに対してあなたが困惑するのはこの男が道草を喰ったせいではありません…」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　このように見つめられたかわいい未亡人にはあまり答えることがありませんでした。私たちが疑いはじめていたむだな嘘を正当化しなければならないと彼女は感じました。実際彼女は処女だということで通そうとしていたのです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　「嘘つき、淑女ぶった女と考えられることによって、あなた方にとっては単なる弱さよりも私はずっと軽蔑すべきものになるのかもしれませんが、それよりも大きな過ちを白状しなければならないのが大変に不幸なのです。はい、奥様方、とても目利きの騎士様がさっきそう思わせようとしたことを否定しようというつもりはありません。ああ！認めましょう、昨日の私はもうあなた方がやってきたときに私が誇っていたものではなかったのです。でも…それはランベールさんだったのですよ…それもいつかといえば、おとといのことなのです！… 私はこんなことがあるなんて思ってもみなかったのに、彼がこんなにも早く侮辱を受け、私はそうさせたなんて、よほど運が悪いにちがいないわ…」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　悲しみの美女が身を投じる「センチメンタル」&lt;a href="#sdfootnote2sym"&gt;&lt;span style="mso-bookmark:sdfootnote2anc"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"&gt;2&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;な考えは私たちを大変に笑わせました。騎士はまた陽気で甘い男になりました。私たちは何とか奥様を安心させて、うらみっこなしで愛すべき敵に口づけをするようにさせました。この男は意に反して本当の性格に戻り、もし最初の愚かな行いに対して彼女は叫びをあげたとしても、それにつづくものはまったく困難に出会わなかったと大変にうまく私たちに教えました。デュプレ夫人はすべてに同意し、冷静さを失ったことを謝りました。彼女を我らがアドニスといっしょにいさせることがいかにむずかしいかを私たちは経験によって知っていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　話題は目下の問題に据えられました。デュプレ夫人はまもなくその心遣い、ほほえみ、無邪気な質問によって、浮かれ女になるのにだれよりも向いているということを示しました。彼女はすぐに悲しむのと同じくらい慰めるのが簡単で、十五分前にはあれほどに憎かったこの騎士の悪党のなかに、捕まえられた女は常軌を逸した官能的なことをしたことでさらに喝采することしかできないようなチャーミングな男をしかもはや見ていませんでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;第二十七章　フィオレッリ姉妹の嫉妬　アルジャンティーヌと騎士が直面する不幸&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　他の当事者はそれぞれの仕方で激しい愛慾に身を任せていたというのに、フィオレッリ姉妹がお楽しみ会の間にあんなにおとなしくしていた動機を知らせることを怠るとしたら、私の正確な記述に慣れている読者のみなさんは、ここでは正確さを欠いているとたぶん私のことを責めるのではないでしょうか。「このお嬢さま方は、イタリア娘としても、女優としても、ずいぶん控えめだったのではないか」とひとは云うでしょう。「どういうわけで模範を目の前にしながらそれが伝染しなかったのか。カミーユはまじめに親子の義務を守り、迫害されても我慢強く耐えるのか？ アルジャンティーヌはワインで頭がのぼせることも、雄弁な説得にも、愛らしくもたくましい聖職者の技術にも屈しないのか？ 周りで素早く繰り広げられる好色な場面はまったく彼女の欲望に火をつけないのか？ まったくありそうもないことだ！」 ちょっと待ってください。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　ジェロニモが私に云ったことですが、その姉がふたりともハンサムな騎士を意識していたということをみなさんきっとご記憶でしょう。食卓を離れて、この男が姿を消したときは、ふたりのライヴァルは彼が遅からずまた姿を現すものと思っていたにちがいありません。そこでカミーユは、裏の小部屋という有利な場所をとりました。彼がここを通ったら、最初に目に入るのはカミーユでしょう。カミーユがこうして騒がしい集会を離れたのは自分だけのためだと彼は思うでしょう。アルジャンティーヌもまた計算していました。数日前から彼女はひいきにされていました。カミーユの方は支配力を失っていました。父親の存在と裏の小部屋の悪いにおいのせいで、デーグルモンはそこに立ち止まるのをやめるにちがいありません。彼は直接サロンにきて、そこでひとはハンカチを受けとるはずでした&lt;a href="#sdfootnote3sym"&gt;&lt;span style="mso-bookmark: sdfootnote3anc"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"&gt;3&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;。騎士を引き止めている障碍がなければ、ふたりのどちらかがきっと成功していたでしょう。アルジャンティーヌは特にちゃんと備えていたので、ひとがサロンのなかで押し合いへし合いをはじめたときに、アルジャンティーヌが巧みに例を示している慎みを見さえすれば猊下にはよかったのです。ご存知のとおり彼女はカーテンで控えめに身を包んでいて、聖職者は歌姫と同様に、簡単に憤慨したはずです。自分の人格の尊厳がこれほどにも重大な危険にさらされる場所から彼はすぐに身を引くだろうと思われました。でもそんなことはまったくなかったのです！… そもそもまさに取扱不能のこのご婦人方があの日こんなにおとなしかったのはこういうわけなのです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　アルジャンティーヌとカミーユは正反対の性格をしていて、お互いにまったくうまくやっていませんでした。ハンサムなデーグルモンをめぐってはかつてなく最悪でした。彼はようやく恋したアルジャンティーヌの痛みを和らげてやりました。まったく放っておかれたカミーユは、ライヴァルの幸福にはっきり気づいていました。騎士は恋愛を謎めかすような男ではなかったからです。イタリア女は私たちフランス女のようには浮気の屈辱を甘受しません。この外国人女たちに取って代わられても、私は少しばかりの不機嫌を感じただけでした。でもカミーユは絶望して、新しい関係を引き裂こうと多くの努力をしたのです。むだなことでした。アルジャンティーヌはとても大きな情熱と魅力をもっていて、姉のたくらみが勝つことはありませんでした。まもなくこの女は最低の嫉妬に押しやられて、おぞましいカップルに仕返ししたいという欲望のためだけに生きることになりました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　フィオレッリ家には年をとった、心のない、道徳のない女、父親のむかしの同棲相手で、もっとも下卑た放蕩において彼と立派に張り合っている女がいました。これは貪欲なカミーユの保護者の老女のようなもので、カミーユにはお楽しみを手配してやっていましたが、自分の心以外のものに快楽を管理してほしくない繊細なアルジャンティーヌに対しては執拗な暴君でした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;font-family:"&gt;　既にいくつもの罪を犯していたこの怪物に対して、カミーユは破壊的な告白をしたのです。恐ろしい老女は、アルジャンティーヌがジェロニモに支えられて軽蔑をぶつけてくることへの復讐のこれほどよい機会を見いだしてうれしくなりました。この気ちがい女は決して人間性を胸に抱いたことがないのです。自分のかわいい子供の痛みに対しては、それを惹き起こすひとの死以外の方法を見ませんでした。彼女はそこでアルジャンティーヌと騎士をできるかぎり早く厄介払いしようと結論しました。カミーユは最初震えあがりました。しかし恥ずべき後見人は恨みをかきたてるのがとてもうまく、機会をつかまえては、既にライヴァルであるアルジャンティーヌの方が選り好みされていることを思い出させたのです。未来になってもこれは変わらないかもしれないということをうまく証明したので、最後にはこのティシフォネー&lt;a href="#sdfootnote4sym"&gt;&lt;span style="mso-bookmark: sdfootnote4anc"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"&gt;4&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;に導かれて、カミーユは同意しました。老女は確実で残酷な復讐の甘い快楽をまもなくカミーユに与えることを請け負いました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a href="#sdfootnote1anc"&gt;&lt;span style="mso-bookmark:sdfootnote1sym"&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:12.0pt;"&gt;1&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;"&gt;古代ローマ王国最後の王となったタルクイヌス・スペルブスの息子セクストゥス・タルクイヌスは、親族であるタルクイヌス・コッラチヌスの妻ルクレチアを、「もし抵抗すれば、この女は自分から誘惑してきたのだと云ってお前のことを殺す」と脅迫して性行為を強要するが、翌朝ルクレチアは自らの潔白を証明するために自殺する。タルクイヌス・コッラチヌスは反乱軍を蜂起させ、ローマ共和国が成立する。当然デーグルモンはセクストゥスにたとえられている。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a href="#sdfootnote2anc"&gt;&lt;span style="mso-bookmark:sdfootnote2sym"&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:12.0pt;"&gt;2&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;"&gt;「センチメンタル」&lt;span lang="EN-US"&gt;(&lt;i&gt;sentimental&lt;/i&gt;)&lt;/span&gt;は、英国の小説家ローレンス・スターン（一七一三&lt;span lang="EN-US"&gt;-&lt;/span&gt;一七六八）の小説『センチメンタル・ジャーニー』（一七六八）によって、当時の流行語だった。ロマン主義の到来の直前に活躍したネルシアの小説は、恋愛における「ロマンチック」な態度を徹底的に嘲笑することを特徴とする。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a href="#sdfootnote3anc"&gt;&lt;span style="mso-bookmark:sdfootnote3sym"&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:12.0pt;"&gt;3&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;"&gt;第二部十八章冒頭参照。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a href="#sdfootnote4anc"&gt;&lt;span style="mso-bookmark:sdfootnote4sym"&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-size:12.0pt;"&gt;4 &lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-size:12.0pt;"&gt;蛇の髪をした復讐の女神。フリアイあるいはエリニュエスのひとり。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-5096858259797409284?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/5096858259797409284/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=5096858259797409284' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/5096858259797409284'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/5096858259797409284'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2011/10/9.html' title='フェリシア　第二部　9'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-6404153913099393360</id><published>2011-10-09T21:51:00.004+09:00</published><updated>2011-10-12T19:45:39.659+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　8</title><content type='html'>&lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;第二十一章　乱痴気騒ぎ&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　猊下がお楽しみに加わったとき、官能を刺激して満足させるものをすべて見出すことができるのは確かなことだと思われました。彼はすべてを見通していたのです。一瞬のうちにすべてが実行されました。特に私たちを喜ばせる即興によって、パーティーの天才の奇蹟を起こしていました。ごちそうはおいしく、たっぷりあるワインは何よりも珍しいもので、会席者の喉の渇きと好奇心に挑むようなものでした。四季とりどりの花と果物が私達の快楽のために同時に食卓に供され、それは出会いに驚いているようでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　ふたりのイタリア男の厄介な存在のせいで自由がなかったけれども、これが食道楽にとっては有利に働き、食卓での食慾を増しました。それなりの量を飲みました。教育のない貪欲なフィオレッリ家の父は家畜のような汚い食べ方をし、品のないしかたでワインの匂いをかぎました。もっと若くてとても気持ちのよいその同僚は、食事をしているしばらくの間は素敵でした。しかし何杯も酒を胃に流しこむにつれて大胆に自由になり、まもなく会席者に喜びよりも不安を与えるようになりました。ランベールはたっぷり飲んでいました。アルジャンティーヌを除くと、イタリア女は女としてはかなりうまく立ち回っていました。シルヴィーナは張り合うことを栄光としているようでした。騎士とそのふたりの友人は大酒を飲んで、ポルシュロン&lt;/span&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn1" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftn1" name="_ftnref1" title=""&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character:footnote"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"   style="'mso-bidi-;font-family:font-size:11.0pt;font-size:10.5pt;"&gt;[1]&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;のスイス人のようにふるまい、うたい、叫び、胸をはだけ、ときには罵り、隣りの女たちにちょっかいを出していました。彼らは特に眉をひそめた夫が同席しているシニョーラに居心地の悪い思いをさせていました。猊下とジェロニモと私は、三人ともとても困惑して、節度をもって飲んでいました。それでもワインとリキュールを味わうにつれて、今度は私たちも軽く酔ってきました。でもそれ以上のことはありませんでした。騎士も同じくほろ酔い加減にとどめておきましたが、シルヴィーナはひどく酔っ払っていると思われたかもしれません。ランベールを肩で支えてちょうどいい時間に部屋まで連れてゆきました。フィオレッリ家の父と道化は行き着くところまで行ってしまいました。夫が自分の品行を見張ることができる状態になくなったのを見て、イタリア女はうつつを抜かしてしまいました。これ以上はないӗ2;いうくらいにしどけなくなり、食事につづく過激なばか騒ぎの口火を切りました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　食卓を立ったときには、既にあちこちを手が駆け巡っていました。既に口とおっぱいが愛の嗚咽を耐えていました。食卓を離れたがらないふたりのイタリア男は置き去りにしました。家に一滴でもワインがあるかぎりは飲みものを要求するということとここからは動かないと怒鳴ることだけでまだ生きているということがなんとかわかりました。シニョーラ・カミーユが酔っ払った父親の世話をし、万が一のときには救いの手を述べるために召使を待たせていました。会席者の残りは全員、姿を消したばかりの騎士を除くと、食堂からサロンに行きましたが、その両開きの扉は開いたままでした&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　ああ、羞恥心よ！ウェヌスとバックス&lt;/span&gt;&lt;a style="mso-footnote-id: ftn2" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftn2" name="_ftnref2" title=""&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character:footnote"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"   style="'mso-bidi-;font-family:font-size:11.0pt;font-size:10.5pt;"&gt;[2]&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/a&gt;&lt;sup&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;に&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;いっしょになって戦争を挑まれると、何とお前は弱いのでしょうか！&lt;/span&gt;&lt;span style="mso-ansi-language:FR"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;いったいおまえはこのふたりに絶対に抵抗することができないのですか？&lt;/span&gt;&lt;span style="mso-ansi-language:FR"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;それともこのふたりのよく知られている力によってしあわせな敗北が正当化されることがむしろうれしいのでしょうか？&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　このことについて考えるとまた驚きがよみがえります。私たちがサロンに足を踏み入れるやいなや、士官のひとりがシルヴィーナの好色な視線に挑まれ、まったく自制力を失い、彼女を長椅子の方に連れてゆくと、女のもっとも秘められた魅力をずんずんしはじめました。彼女はただ笑っていました。まもなく暴漢はこの幸先のいい出だしによって大胆になり、会衆に対してまったく礼を欠くほどに我を忘れてしまいました。錯乱し熱狂して、相手の女は大変にじっくりと快感を分け合っていました。既婚のイタリア女はそのすぐ隣りで、同僚と同じくらい破廉恥なもうひとりの士官の腕に抱かれてシルヴィーナの例に既に従っていました。この猥褻な集団を見ないように、アルジャンティーヌは走ってカーテンのなかに隠れに行きました。猊下は慎みと持ち前の気質によってそれに着いてゆきました。このようにみんなそれぞれのことに熱心で、サロンの真ん中で啞然としている私と私の新しい恋人のことを忘れていました。私の震える手はハンサムなフィオレッリの手のなかに落ちました。ふたりは私の部屋に飛んでゆき、何が起ころうと、他のみんなが狂乱と粗暴さのなかでするのを見ていたことを、心ゆくまで、よく考えて、喜びのなかでした後でなければ会席者とは合流しないとちゃんと決心して、私は部屋の扉を閉めました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;第二十二章　別の種類の快感&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　わかり合うことができなくて、かなりの長い間お互いに求めつづけるあの幸運な瞬間というものがあります。このようなときを経験したことがある繊細な読者だけがこの魅力を理解することができるでしょう。愛と官能が決して快楽を司ることがなく、我慢のならない欲求ががさつな感覚を刺激するときには、選択の余地なく金銭の絡む愛で欲望を満足させる好色漢は、これについて正しい考えを抱くことができないでしょう。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　欲望の炎で目を輝かせ、幸福の曙光で美しくなったこの愛するジェロニモは何と私の気を惹いたことでしょう！私の足元で震える自分の胸を私の膝に押しつけ、ようやく思い切って自分と私の願いを満たそうとするこのひとは何という優美さをもっていたことでしょう！それでも私が昂奮して突然部屋の扉を閉めたことのために、私にはもうこのひとに何も拒むことができないということはかなりはっきりしていたのです。彼の手はまだ私の魅力のありかを敬遠しているのか、あるいは燃え盛る炎を恐れているかのようでした。彼の口は私の口を閉じたままにし、しあわせになってもいいという許可を取り消す声を聞くのを恐れているかのようでした。ふたりは的に向かって飛んでゆく矢の速さで幸福へと向かっていたわけではありません。多くの細やかな段階を上って、ふたりはゆっくり幸福へ向かっていました。導火線は節約して燃えていました。内側で燃えている炎の爆発をえも云われぬ快感が延期していました。ついにふたりの魂が溶け合った瞬間は稲妻でした。快感の雷がふたりを打ちのめしました&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　一瞬の後に、ふたりで源を開いたばかりの甘さをよりよく味わいました。このときにふたりはお互いのことをものにしながら達し、互いにささやいた愛のことばに酔いしれ、その間にふたりの心は次なる融合の準備をしました。まさにこのときふたたびふたりの力がすべて奪われました。ふたりの心の傷は既に癒されていました。完全にお互いに満足して、至福の陶酔のうちに、ふたりは永遠に愛し合おうという誓いを口にしていました&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　まもなく私の幸福な恋人は愛によって自分が持ち主になったばかりの宝物をふたたび自分のものにしました。陽の光に目がくらんだ後で、突然暗いところに行くと、まずは何ものも区別できません。こういうわけで、ぐったりした状態から立ち直ったフィオレッリは、驚いて私のからだ全体を見て、一回目の絶頂の狂乱のなかでは、自分の目の前にあったまれなほどに完璧な魅力を想像もしなかったと白状しました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　見とれているうちに彼はふたたび激昂して欲望がよみがえりました。気持ちよい前奏によって、彼は私の欲望を極限までに推しやったのです。最高に情熱的に昂奮してふたりは合体しました&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;この快感をことばにすることはできません&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。さらに二回ふたりはお互いの腕のなかで息絶えました&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。もしだれかが部屋の扉を何度も叩いてふたりをこの幸福から引き離さなかったら、こんなにも陶酔させる愛の戯れを命が涸れ尽きるまでつづけていたことでしょう。途中でやめて&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;応えて&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;開けなければなりませんでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;第二十三章　だれが扉を叩いたのか、私の見た美しいもの&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　それはテレーズで、とても怯えていました。入って来るなりこう云いました。「お嬢さん、もしだれかがこの大変な事態に少し理性と良識を取り戻して、目の前にある不幸を防がなければ、すべてが終わりです。何時間か前から家の前に集まった人々の群れが、何ごとが起こっているのか知らなければならないと云って、扉を押し破ると云っています。上へ下へとひどい騒ぎ声がしているのは本当です。デュプレ夫人の部屋から叫び声が聞こえました。いきりたったデーグルモンさんが忍び込んだのです。何をしに行ったのかは神様がご存知です。人々は窓の格子に張りついていました。かわいそうに奥様は乱暴されたと云うものもいます。それをあざ笑い、反対にあの女にはまったくのお楽しみだったと考えるものもいます。上の階でも同じ騒ぎです。あのフィオレッリのすけべ爺は（息子さんには申しわけありませんが）、ある種のプレイを拒む娘のひとりをごろつきのように罵っています&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;。その近くでは、笑い、泣き、叫び、いびきをかくのが聞こえます&lt;/span&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;…&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;いったいどうしたことなのかわかりません。それでも私たちは大変に困っています。使用人は何も引き受けようとしません。先生方は姿を現しません。騎士が女友だちにしているばかなことのせいで、ランベールさんを起こすこともできません。このことについて争いが起こることになれば、さらにひどいことになるでしょう。だからお嬢さん、お願いですから戻ってきてください。サロンに来てください。外で起きていることにもっと注意をするようにこの殿方らに注意して、もし取り囲んでいる大勢の人間が大胆にも乱暴に中に入ってこようとしたら、この家のなかに姿が見えなければ自分にとってどういう結果になることかを猊下にわからせてください」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　この報告を聞いて私たちは大変心配になりました。ウェヌスの腕のなかにいるときしかマルスに似ていないジェロニモは、蒼くなって動かないままでいました。もっと勇敢な私は、身を護る手段を準備しにゆきました。サロンに戻ってみると、猊下が汗をぽたぽたたらしながら、アルジャンティーヌを相手に力強く闘っているのがみえましたが、アルジャンティーヌは同じように力強く身を護り、同じように熱くなって、ほぼ髪を振り乱していました。やさしき友情によっても、力によっても獲得できなかったものを、聖職者は金で買おうとしたということを床に散らばった金貨が証言していました。私がやってきたおかげで心やさしいアルジャンティーヌは解放されて、すぐに私の腕のなかに飛び込んできました。長椅子は淫らなシルヴィーナに代わって、同じく淫らなシニョーラが占拠していました。このふたりの婦人は士官を取り替えていて、シルヴィーナは新しい男とあっさりと自分の寝室に下がっていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　イタリア女は片足を地面に、もう片方の足を椅子の上にあげて寝ていました。彼女に親切にしてあげた男は、床に裸のケツをおいて、スカートを頭にかぶり、夫人の太腿を枕にして、これもまた寝ていました。別の扉が開いていて、お楽しみが終わったままの姿でいびきをかいているもう一組のカップルが露わに見えていました。その向こうには、おそらくそのまれなる美徳のために天上からの特別の計らいによって国に降りかかる災厄から逃れたあの有名なソドムの住人&lt;/span&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn3" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftn3" name="_ftnref3" title=""&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character:footnote"&gt;&lt;sup&gt;&lt;span lang="FR"   style="'mso-bidi-;font-family:font-size:11.0pt;font-size:10.5pt;"&gt;[3]&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;を思わせるフィオレッリ家の父親が、この比較の対象になっている古代の族長の真似をあらゆる点でしたいと気をはやらせ、復活することを望んでいる疲れた一物をひけらかして、哀れなカミーユをいじめてその一物に何か奉仕をさせようとしていました。道化は同じくさかりがついて、フィオレッリよりもよい状態で、もっと礼儀正しく、つつましく従僕の足元にいて、情熱的な告白と、思い切ってそれにつけくわえている露骨な努力によって、みごとにびんたを張られていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal" align="center"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;第二十四章　お楽しみ会はどのようにして終わったか&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　若いひとたちを起こすのには大変に苦労をしました。それでも女たちの近くから引き離しましたが、女の方ではそれに気づきませんでした。既に騎士は棍棒をもって扉を開けて何発も殴りかかっていました。ふたりの友人がちょうどよく現れて、大変に意地悪な意図をもって彼のことを取り囲みはじめていた輪を壊しました。この力強い助っ人のために、取り囲んでいた人々は怖くなって逃げ出しました。いちばん身軽なものがいちばん叩かれることがありませんでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　奥様のものすごい重みのせいで競走に遅れた年老いた裁判長はぐずぐずしていて、この夫婦は私たちの人質になりました。だれなのかがわかって、大切に扱うことになりました。大変に敬意を払って家に迎えさえしました。このときはもう安全だった裁判長夫人は、気絶するのは場ちがいなことではないと考えました。大変に優雅に意識を失いました。お付きの男は殴られた男のひとりだったので、裁判長は娘のエレオノールについて強い不安を感じていました。それでも私たちは扉を閉めました。士官のひとりが門の前に立って衛兵をし、もうだれも近づこうとはしませんでした。重い裁判官夫人は、そろそろいい頃になると、意識を取り戻しました。私たちは話し、事情を聞きました。私たちはデュプレ夫人の部屋にいました。そこにいたのは裁判長、その妻、騎士、士官がひとり、テレーズと私でした。残りの仲間は階上で震えあがったり、眠ったり、吐いたりしていました。まもなくふたりの姉妹が 169;たちと合流しました。最後にその弟が生きた心地もない状態で下りてきました。裁判長がいるので猊下だけが姿を現しませんでしたが、これは賢い判断でした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　私たちが集まっているのを知って、季節は厳しいけれども、夕食の後に何か音楽が聴けるものと思って、数人の愛好家といっしょにこうして集まっていたのだと私たちの捕虜は語りました。それなのに、コンサートの代わりにひどい騒ぎしか聞こえませんでした。そこで田舎のマナーによってがなりたて、それぞれが勝手な仮定をして自分の意見を云ったのです。裁判官はまったく気分を悪くすることなく、まったく正直に、こういったことは絶対に大きな裁判沙汰にならないわけがないと云いました。でも私たちの側の若者たちはそれをばかにして、市民は五体満足で喧嘩から逃げられただけでもしあわせだと思えと云いました。扉を押し破るぞと脅しをかけていたのだから、実際やじうまには落ち度がありました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　そういうわけでさっきみんなを何度も棍棒で殴ったことでどうなるかについてはだれも恐れを抱きませんでした。向こうには幾人か逃げながら勇気をもって剣を抜いて闘おうとしたものがありましたが、私たちの方では剣を使わなかったのです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;　路上にひとの姿が見えなくなって、私たちの士官のひとりが付き添って裁判長夫妻にお引きとりを願うとすぐに、警察を中に入れました。下卑たイタリア人たちは家まで従僕に送って行かれました。嫉妬深い夫の前でまったく破廉恥にも他の男と寝たシニョーラは、冷静に戻ると恥じ入り、これを秘密にしてくれるように慎ましやかに頼みました。私たちはそれを約束しました。猊下は甥に付き添われて、徒歩で、青いマントと縁つき帽をかぶって、ひそかに司教館への道を戻りました。ジェロニモは姉妹の面倒を見ました。デュプレ夫人は目にしたものに大変不満を感じて、部屋に閉じこもりました。私はまだ完全にのぼせから立ち直っていないシルヴィーナの服を脱がせて寝かせました。それからテレーズが私のベッドの乱れを直しに来ました。ライヴァルの下女からかなり正直なものだと思われるふざけたほめことばを聞いて、いくばくかの眠気を感じて私はベッドに入りました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;span lang="FR" style="mso-ansi-language:FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote-list"&gt;&lt;br /&gt;&lt;hr align="left" size="1" width="33%"&gt;    &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn1"&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn1" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftnref1" name="_ftn1" title=""&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span lang="EN-US"  style="';font-size:10.5pt;"&gt;[1]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-tab-count:1"&gt;            &lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;パリの北西にあった村で、日曜日に客が押し寄せる酒場が有名だった。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn2"&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn2" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftnref2" name="_ftn2" title=""&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span lang="EN-US"  style="';font-size:10.5pt;"&gt;[2]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-tab-count:1"&gt;            &lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;愛の女神と酒の神。英語風にはヴィーナスとバッカス。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn3"&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn3" href="http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=8102184254115599648#_ftnref3" name="_ftn3" title=""&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span lang="EN-US"  style="';font-size:10.5pt;"&gt;[3]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="EN-US" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-tab-count:1"&gt;            &lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;ロトのこと。神は悪徳のはびこる町ソドムとゴモラを滅ぼすが、正しいひとであるロト（アブラハムの甥）とその家族だけは救われる。決して後ろを振り返ってはならないという言いつけにそむいて振り返ったロトの妻は塩の柱にされる。ロトとふたりの娘は三人だけで隠れ棲むが、子孫を残したいと思った娘は父親を酔わせて交わり、子をつくる（創世記第十九章）。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-6404153913099393360?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/6404153913099393360/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=6404153913099393360' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/6404153913099393360'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/6404153913099393360'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2011/10/8.html' title='フェリシア　第二部　8'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-6215031225857179666</id><published>2011-10-07T22:18:00.005+09:00</published><updated>2011-10-09T22:03:33.375+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　7</title><content type='html'>&lt;p class="NoSpacing" align="center" style="text-align:center;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;第十八章　陰謀、特別な会話&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph; line-height:150%;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span lang="FR"  style="';font-size:12.0pt;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　シルヴィーナも騎士も私も浮気をするという甘い喜びを長い間拒んでいるような人間ではありません。シルヴィーナは誘惑されると、抵抗することができませんでした。猊下には彼女にしっかりとした快感を与えてあげるような時間がほとんどありませんでした。でもシルヴィーナには絶対にそれが必要でした。デーグルモンにはいたるところで女性を口説くことができました。まあまあの女でも彼はまあまあその気になるのです。私はといえば、味気ないことばや目くばせにうんざりし、ときにはあつかましい実利的な申し出に気を悪くしていました&lt;/span&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn1" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftn1" name="_ftnref1" title=""&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:115%;font-family:font-size:11.0pt;"&gt;[1]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;。騎士が目にみえて私にご執心だったので、お金を使わなくても&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;&lt;strong&gt;私のことをものにできる&lt;/strong&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;という可能性がひとには考えられなかったのです。それでもこういった粗野な山師たちの見通しはまったく見当ちがいでした。私はデーグルモンのことが大好きでした。でも定義のできない本能のせいで、まもなく意に反して彼の後釜をつくろうと考えることになりました。自分自身の節操のなさにだまされた私は、このようにして恋人が自らに差し出された幸運を活用できるようにすることで、大変に心遣いをもって行動していると信じていたのです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　うっとりさせるような歌の才能とすばらしい女優の才能に加えて他の多くの才能を兼ね備えたシニョーラ・カミーユ・フィオレッリ&lt;/span&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn2" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftn2" name="_ftnref2" title=""&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:115%;font-family:font-size:11.0pt;"&gt;[2]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;もほとんど同じなのが&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-size:"&gt;私にはわかっていました。妹のアルジャンティーヌはたぶん姉ほど器用ではないけれども、ずっと魅力的で、ひいきを獲得しようと精一杯のことをしていました。私の方は、このふたりに顔も才能も劣らない弟の若いジェロニモ・フィオレッリにとても激しくそそられはじめていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　それではシルヴィーナと私は永遠にライヴァル関係になければならないのかしら！ 私と同じくらい目利きのシルヴィーナは、ジェロニモの長所に同じように惹きつけられていました。疑ってもみないうちに、彼女は先回りしていて、美青年はすでに彼女の網にかかっていたのです。ある日堪えがたい証拠を目にしました。出かけるときに忘れものをしたのです。帰ってくると&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;恋しているときには見るのがつらいものを見たのです&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;。この宿命的な発見によって私の心ははっきりとしました。嫉妬の蛇が心を噛み、日々はつらいものになりました。私は悲しく、ぼんやりするようになりました。友人、猊下、ときにはかわいらしい騎士にも仏頂面を見せました。ランベールとデュプレ夫人までのみんなが浮かべている幸福の雰囲気にいらいらしていました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　愛らしいフィオレッリをシルヴィーナからどうやって奪うかについて昼も夜も考えていました。彼はいつも私たちの家にいましたが、云ってみれば目のみえるところに置いておかれていたのです。夜には帰るふりをして、戻ってきて私の幸運なライヴァルとベッドをともにしているのだと私はまもなく確信をもちました。私はそんなに定期的にハンサムな騎士を手にしてはいなかったのです。裏切っていることを私が知らないようにするために彼は千もの嘘を思いつくのでした。あるときは夕食に招かれた、あるいは夜遅くまでゲームをしていたと。あるときは自分の健康か私の健康の問題のせいで私のところに来ることができない。彼の愛撫はけだるいものでした。彼は疲れきっているという事実を私は自分にごまかすことができなくて、私にとってさらにつらかったのは、たぶんよそで力を発揮するために私に対しては力を加減しているということでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　テレーズは私のことが好きでした。この女には知性と想像力がありました。愛にかかわりのあることは彼女にとってすべて真剣な問題で、いつでも口を出そうとしていました。彼女には私の痛みとその理由を打ち明けることができると私は思いましたが、私はまちがっていませんでした。事実このやさしい娘から必要としていたすべての助けをもらったのです。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　「あのハンサムなフィオレッリさんは」彼女は云った「ただの何も感じない男でしかありません、保証します。お嬢さまのおばさまはお嬢さま自身がそのうちに自分のものにできないほどにしっかり自分のものにしてはいません。お嬢さまのことが心に触れます。秘密の全部明かさなければなりません。つまりそのハンサムなイタリア人はまったく奥様に恋をしていないのです」（私の血はふたたび巡りはじめ、心が晴れやかになりました。テレーズは私に命を取り戻させてくれたのです。） 彼女はつづけました「どのような場違いな内気さによってこのお嬢さまの愛の若い対象になっている方がお嬢さまに対して感じていることを告白できないでいるのかはわかりません。たぶんお嬢さまの関心を達成したい欲望に向ける困難を測りかねているのでしょう。何はともあれ、ジェロニモさんはお嬢さまに恋しています。本人がそう云いました。自分では告白しかねて、お嬢さまにそれを予感させるように私は何度もお願いされていたのです&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　とりもってくれなかったことで私はテレーズを叱りました。そうしてくれれば反対に大変に感謝したことでしょうに。しかし彼女は同じくジェロニモのことを好みだと思い、彼の注意に値するくらいには自分はきれいだと思っているので、これまでのところは自分のためにだけ行動していて、私は騎士に夢中だから引き離すことはできないと控えめなイタリア人に信じさせようとしていたのだと正直に白状しました。「ではテレーズお嬢さんはきっともし告白があなたに向けられていたらいかにフィオレッリにとっていいことであるかを証明しようとしてしなければならないことをすべてしているのでしょうね？」 「ああ、お嬢さま！もし私にそんなことができたら！」 「何ですって？&lt;/span&gt;&lt;span style="';font-size:12.0pt;"&gt; &lt;strong&gt;もしそんなことができたら！&lt;/strong&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="';font-size:12.0pt;"&gt;」 「ええ、きっと。これはカファルドーではないのです！カファルドーならもっと扱いは簡単でしょう。でも&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;」 「でも？最後まで云いなさい」 「お嬢さまにはすべてを云います&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;。でも落ち着いてください。私は身を引きます&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;そもそも私にどういうはね返りがあるかしら？&lt;span lang="FR"&gt;… &lt;/span&gt;いいえ、そんなことはありえません&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;あの男はご主人さまのものです。お嬢さまと、彼と、私自身のためにそうしなければなりません&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;」 それから彼女は目を涙で一杯にして逃げ出し、まったくもって驚いてしまった私を置き去りにしましたが、とりわけ私はこの特別な会話にとても満足していました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph; line-height:255%"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:255%;font-size:12.0pt;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" align="center" style="text-align:center;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;第十九章　テレーズの素早い交渉　会見&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph; line-height:150%;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span lang="FR"  style="';font-size:12.0pt;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　身代金が数えられて、桎梏が外されるのを見る捕囚の喜び、沈没しそうなときに突然風が治まって波が平らかになるのを見る水夫の喜びが、テレーズの重要な約束が私に感じさせてくれたこととかろうじて近いと云えるでしょうか。私はまだ甘い夢のなかに沈んでいました。心が喜びとともに楽しい期待の見通しのなかを迷っていた頃に、私の情熱の対象の到着が告げられました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　シルヴィーナは家にいませんでした。私は数日前から気分が悪いと嘆いていたので、これを口実として彼女と行動をともにしていませんでした。この時間を利用して私はテレーズに嫉妬深い不幸な恋の話をしていたのです。テレーズはかわいらしいジェロニモを連れてきましたが、彼は最初愚直そうで内気で、私の部屋に上ってこようとしなかったけれども、私が喜んで会うということを知って、時間に正確なシルヴィーナの監視下ではふたたび生じるのが不可能な機会を急いでつかみました。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　私は大変に動揺しました。イタリア人はまったくもってかわいらしい困惑のなかにあって、それが何よりもかわいらしい顔に不器用の風を与えていました。この気兼ねは場違いなものだけれども、それでもそれを惹き起こす側にとってはおもしろいもので、この自己愛にとって貴重なときに、愛するものの魂が、目にはっきりと表れていて、ようやく見とれるのに十分であるのを見て、誇りに思うのです。私の新しい恋人はようやく立っていられるくらいでした。けつまずき、不器用に座り、何も話さないでいました&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;もし如才ないテレーズがすぐに話を切りださなかったら、このばかげた気まずさは長い間終わらなかったと思われます。「私たちは賢くはないけれどもしあわせです」（彼女は実に快く云いました）「おふたりは思い切って恋をし、私は思い切っておふたりのために話し、おふたりともこの向こう見ずさを後悔する理由はないと思います。おふたりだけにしますが、見張りに立つことにします」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　こう云ってから、もしテレーズが飛んでゆかなかったら、たぶん私はいくらか気取ってみせるのがいいと思ったことでしょう。でもジェロニモは私の足元にひざまずいていて、自分自身が考えていたのよりも第三者が早くさせようとしたときには普通女が身を護ってみせるような心の落ち着きがまったくなくなってしまいました。テレーズの慎みのなさに打ちのめされ、恋人の示す情熱に感動し、自分のなかで勝手に炎が燃え上がり、私はまったくなすすべを失ってしまいました。懇願する恋人という気をそそるポーズにあるジェロニモほど欲望をそそるものは見たことがありませんでした。猛烈な愛撫、心地よい声とイタリア風のアクセントがさらにもっと感動的なものにしている雄弁な表現に対して私はもう我慢ができませんでした。目のなかに輝く愛が、かわいらしい顔の生き生きとした色合いのなかにありました。官能の病的な狂乱が私にも伝わってきました。今度は私の方が何も云わず、動かずにいました。私の手と胸は彼の口づけに任されていました。心のなかに集中した快楽は、顔の赤さと乳房の素早い振動だけによって外に現れていました。もし彼が思い切ってしてきたとしたら&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　この最初の激情の後に、もう少し穏やかなものがつづきました。初めて私のことを見たときから、私に対する何よりも激しい愛の火がついたのだとフィオレッリは云いました。「あなたが自分にふさわしすぎる男性を愛していると知って私は悲しみで死にそうでした」彼はつけくわえました「本当にデーグルモン氏には、生まれによっても、多くの美点によっても圧倒されます。しかし、神々しいフェリシア、ある点においては私はこのみごとなライヴァルに勝っているとお思いになり、あなたを崇拝するもののなかでもっとも感じやすくもっとも情熱的なものに値する王冠に僕ひとりが名乗り出ることをお許しください。あなたのことを知る前に軽い恋心を抱いたことがあります。でもあなたが私の最初の情熱です。私の愛がどんなに激しいかあなたに想像できるでしょうか！&lt;span lang="FR"&gt;… &lt;/span&gt;どれほどの約束、どれほどの計画を私は既に胸に抱いていることでしょう！&lt;span lang="FR"&gt;… &lt;/span&gt;でも特に、何も云わずに、ときどきこの家であなたのことを見るしあわせのために、心を奪われている女ではない別の女の好意を醜悪なものにする気遣いを犠牲にしなければならないとは何という苦しみでしょうか！ まさしくあなたと私の間のもっとも強力な障碍である女にこれほどにも強制的に仕えなければならないというこの運命を何度呪ったことでしょうか！ あなたに告白できるものでしょうか！ 暗い絶望が既に私の心を奪い、命を断つように言っていました。親族間の並ならぬ友情で結ばれたアルジャンティーヌだけが、私がどれほどにつらいかを知り、私の状態を哀れに思いました。私の愛に沈黙を強いるこの幸運な男をあなたの愛から遠ざけるために、自然から授かった魅力と知性のすべてを用いると彼女は約束しました。しかし嫉妬深いカミーユは、自分だけが気に入られたいと思い、飽くことのない媚態の犠牲にしようとしているこの町の男のリストに既にあなたの騎士の名前を書き込んでいたのです。それでこの心なき女が婦人連にうらやまれる男を自分の特権によって縛っていると自慢する一方で、あまりにやさしすぎるアルジャンティーヌは本当に愛し、彼のために思いを募らせているのです。そこで私は希望もなく愛するという死にいたる倦怠と、大切なアルジャンティーヌが私の役に立ちたいと思ったがために不幸であるのを見るという苦しみを感じているのです&lt;span lang="FR"&gt;…&lt;/span&gt;」&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　ことばにはできない喜びをもってジェロニモの云うことを聞いていましたが、彼は話をつづけようとしました。しかしテレーズが走ってきて、シルヴィーナとそれにつづく我らが宿主と友人のランベールの帰宅を知らせました。私たちはクラヴサンを弾いて、デュオで歌いはじめました。テレーズは座って私たちの近くで仕事をし、私たちからまったく離れることがなかったように見せていました。私のライヴァルにいかに洞察力があるとはいっても、自分の愛にとって大変な損害のあることが起きたばかりだと見抜くのはむずかしかったでしょう。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph; line-height:255%"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:255%;font-size:12.0pt;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" align="center" style="text-align:center;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;第二十章　おもしろいことの準備をする章&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph; line-height:150%;page-break-after:avoid"&gt;&lt;span lang="FR"  style="';font-size:12.0pt;"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　猊下は友人の世話をするどんな機会でも注意して見つけるひとでした。私のものうげな状態のために彼は大変心配していました。私はしばらく前から彼が知っていた状態とはかなりちがっていて、ふさぎの虫にとりつかれているのか、何か重い病気にかかりそうなのではないかと彼は恐れていました。そこで、私に気晴らしをさせようと思って、この同じ日に夜遅くまで楽しいサプライズになる娯楽を用意してくれました。デーグルモンはパリから内輪でのお楽しみ向けの新しくてすばらしい音楽を受けとっていました。これを私に聞かせることになったのです。騎士、騎士が知り合いになった才能のあるふたりの若い士官、みごとにバス&lt;a style="mso-footnote-id:ftn3" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftn3" name="_ftnref3" title=""&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span class="MsoFootnoteReference"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:115%;font-family:font-size:12.0pt;"&gt;[3]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;を弾くジェロニモがいれば演奏には十分でした。これらの曲にアルジャンティーヌとカミーユの歌ういくつかのアリエッタが交えられることになっていました。このちょっとした演奏会の後で、私たちは夕食をとりました。計画はたくさん笑って飲むことでした。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&amp;lt;span style="'font-family:;"&amp;gt;　会席者が次々とやってくるのを見たときには、私はこういったことをまだ何も知りま 379;んでした。猊下が最初のひとりでした。女性の数が男性の数と同じ数になるように、姉妹はきれいでかなり愛らしいシニョーラをいっしょに連れてきました。私たちは全部で、三人のイタリア人女性、シルヴィーナ、我らが女宿主、私、猊下、その甥、ふたりの士官、ランベール、かわいらしいジェロニモでした。&lt;/p&gt;  &lt;p class="NoSpacing" style="text-align:justify;text-justify:inter-ideograph"&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:12.0pt;"&gt;　音楽は素敵なものだと考えられました。作者の才能と女性の存在に活気づいて、合奏者は我勝ちに目立とうとしました。フィオレッリ姉妹は誇りをもってお互いに勝ろうとして栄光を競い合いました。技術は勝っているけれども、カミーユは妹の情熱的な自然さとひとを惹きつける声色に勝つのはむずかしいようでした。私自身このふたりの歌に感じ入り、まったく正直に私はまだまだこの魅力的な歌姫に匹敵することはできないと心のなかで白状していました。それぞれが性格と情熱の流れに導かれて曲を選び、カミーユが歌った曲は誇り高く、高らかで、広がりのある声を展開させ、訓練した喉を際立たせるのに適していていました。喉を通る声の明確さ、唯一無二の正確さ、かわるがわる適所に現れる強弱、完璧な声の震動のために、感服せずにはいられませんでした。アルジャンティーヌは単純な歌を弱々しく悲しげに歌いましたが、効果は抜群で、恋する魂が自分を満たす対象に向けて情熱的に飛び立ったり、秘められた嫉妬にむしばまれた心が魅力的な痛みを感じたりするのを、魔法をもって描写しました。この真似のできない歌手が自らとりこになっている熱意が伝わらなかったひと、技巧を弄するカミーユの力業の方を好む感受性をもたないひとに不幸あれ！&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;span style="'line-height:115%;font-family:font-size:12.0pt;"&gt;　音楽が私たちをこの上なくいい気分にしました。みんなの顔に欲望と官能の兆しが見えました。もしフィオレッリ家の父親と、それにつづいて女たちが連れてきたあのシニョーラの夫が、数人の嫉妬したひとを連れて、許可なくやってきた身内を突然探しに来なければ、夕食は素敵なものだったでしょう。この不意の出来事のせいで私たちはがっかりしました。相談しました。猊下は婦人たちを連れてゆかれるよりはこの厄介者らを引き留めた方がいいという意見で、この決定はおもしろくないものだったけれども、それにもかかわらず過半数にに達しました。デュプレ夫人は大人数が集まるのが好きではなくて、そもそも私たちに加わることを親切心によってのみ同意していたので、食卓につくときに姿を消しました。そのためにますます会の調子はおかしくなり、翌日の早朝に大理石を買いに出発しなければならなかったランベールも十二時には帰ると宣言しました。こういったことすべてが大変に途方もないことが起きた理由で、これには別の章を割く価値があります。&lt;/span&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote-list"&gt;&lt;br /&gt;&lt;hr align="left" size="1" width="33%"&gt;    &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn1"&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn1" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftnref1" name="_ftn1" title=""&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:115%;font-family:font-size:11.0pt;"&gt;[1]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="FR"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:10.0pt;"&gt;舞台女優や舞台歌手が売春をする場合もあった。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoFootnoteText"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn2"&gt;  &lt;p class="MsoNormal"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn2" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftnref2" name="_ftn2" title=""&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;span style="mso-special-character: footnote"&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:115%;font-family:font-size:11.0pt;"&gt;[2]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span style="'font-family:;font-size:10.0pt;"&gt;この小説のなかでは、イタリア人の名前がフランス風に変えられている場合もある。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;p class="MsoFootnoteText"&gt;&lt;span lang="FR"&gt;&lt;o:p&gt; &lt;/o:p&gt;&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;div style="mso-element:footnote" id="ftn3"&gt;  &lt;p class="MsoFootnoteText"&gt;&lt;a style="mso-footnote-id:ftn3" href="http://www.blogger.com/post-edit.g?blogID=8102184254115599648&amp;amp;postID=6215031225857179666#_ftnref3" name="_ftn3" title=""&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR" style="'font-family:"&gt;&lt;span style="mso-special-character:footnote"&gt;&lt;span class="FootnoteCharacters"&gt;&lt;span lang="FR"  style="'line-height:;font-size:10.0pt;"&gt;[3]&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;/a&gt;&lt;span lang="FR" style="'mso-fareast-font-family:"&gt;&lt;span style="mso-tab-count: 1"&gt;    &lt;/span&gt;&lt;/span&gt;&lt;span style="'font-family:"&gt;ヴィオラ・ダ・ガンバだろう。&lt;/span&gt;&lt;/p&gt;  &lt;/div&gt;  &lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-6215031225857179666?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/6215031225857179666/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=6215031225857179666' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/6215031225857179666'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/6215031225857179666'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2011/10/27.html' title='フェリシア　第二部　7'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-7925938460631724028</id><published>2009-01-06T23:18:00.001+09:00</published><updated>2009-01-06T23:18:18.951+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　6</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='center'&gt;第十四章　これまでの話の結末&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　「それは大変にいいことですよ、騎士さん」騎士が話し終わるとすぐにシルヴィーナは云いました「でもあなたが教えてくれた話のなかにはよくわからないことがあるのです。このキュロットは何なの！どういうわけでエレオノールの部屋にあったのかしら？ 親しげな会話の後に、本当にカファルドーさんは置き忘れたのかしら？ それとも復讐か情熱のためか何かの動機によって、お嬢さんの知らぬ間に持ち込むという恥ずべき所業ゆえに罪深いのかしら？」 「このことについてははっきりした説明を与えることはできません」騎士はうまく答えた。「陰険なカファルドーの罪は謎であり、この人物の不可解な性格が解決をとてもむずかしくしています。たぶん時間がたてばもっとよくわかるでしょう。でも賭けをしましょう。エレオノールは無実ではないという方に賭ける理由が多くありますが、それにもかかわらず私は十ルイを賭けて、&lt;b&gt;彼女はカファルドーとは寝なかった&lt;/b&gt;と云います」 「騎士さん」ランベールは口を挟んだ「もし確実な場合にも賭けることができるとしたら、僕はその十ルイをとっておくことでしょう。件の夜の間私は調べずにはいられませんでした。今度は僕が発見したことを聞いてください。この裁判長様の家は何という館なのでしょうか！」&lt;br/&gt;　「夕食のときに飲んだ混ぜものをしたワインのせいで気分が悪くなった。部屋から出なければならなくなった。行ったり来たりをするうちに、ようやく探していたものを見つけた…」&lt;br/&gt;　ランベールは下に降りたですって！… シルヴィーナは赤くなりました。何かあやしいな。でもよかったわ、もし私たちが見抜いたことが本当だとすれば、ふたりにとってはいいことよ。私たちは何も口に出さず、ランベールにつづけさせました。&lt;br/&gt;　「上に戻ろうしたときに、息をこらえて、とても注意を払って壁に沿って静かに動くひとが闇のなかを歩いているのが聞こえた。僕のすぐ近くでこの夜歩きをする人間はかなり大きな音をたてて扉を開けたが、思い出せるかぎりでは、これは裁判長夫人の寝室の扉のはずだった。わざわざこの扉のところまでやってくると、このひとはちゃんと閉じるのがいいとは思わなかったために、僕にはもう疑いがなくなった。僕は夜の出来事が好きだ。そこで部屋のなかに滑り込んだのだ。我らが礼儀正しい女主人の待っていた夜間歩行者は親しげに呼びかけられ、気取らずにベッドに迎えられた。この恋するふたりのあまりおもしろくない戯れをシャツのままで聞きたいとは思わなかった。でも他のところで見張るのもここで見張るのも同じことではないかと思った。そこで自分の部屋に戻って靴をはき、ロングコートを着て、何かおもしろいことを聞くために、あるいは少なくとも、もしこのふたりが何かよりよい娯楽の手段を提供してくれないなら、この不良どもをちょっとからかってやろうと思ってすぐに戻った。一回目よりもぶきっちょだった僕は、扉にちょっとぶつかってしまい、これが鋭い鳴き声を上げた。裁判長夫人はおびえて云った。『どうしましょう！聖ヨハネ、今のは何の音？』 『何でもありませんよ』と相手が答えた『風か猫か何かでしょう』 裁判長夫人は少し安心した…。でもあなた方は何を笑っているんですか？」 「つづけてください、ランベールさん」騎士は答えた「聖ヨハネという名前がおかしいんです」 「僕は聖ヨハネには驚きませんでした」ランベールは答えた。「考えてもみてごらんなさい。たんまりお金をもらった召使以外のだれが今話題にしているような巨大な肉体の魅力をたたえようなどという気になりますか！…」&lt;br/&gt;　「僕が忍び込んだときには、ことは済んでいた。親しげな会話がくつろぎのときを満たしていた。「あなたにはとても不満だわ」裁判長夫人は小さな声で話そうともせずにこう云っていた「浮気ものなのだということがよくわかった。ある種の疑いの種になるようなことが他にはないとはしても、今のあなたのらくらした状態で十分にそうだとわかるわ…」 聖ヨハネは弁舌さわやかではなかった。うまく自分の弁護ができなかった。奥さまはだんだん活気づいていった。それからこの恩知らずな使用人のためにしてやったことを数えあげた後で、もし小間使いに対していくつか不貞を働いたことを許してあげるとしても、自分の娘をライヴァルとする恥と絶望には私の情熱は耐えられないわと云うので、僕の驚きは頂点に達した。娘と聖ヨハネが何か示し合わせたような合図をするのを認めたと思ったのだ。でももし確信を得るようなことがあったら、この女たらしは絞首刑にさせて、破廉恥娘は死ぬまで閉じ込めさせてやろう。聖ヨハネはあれこれ何とかして、このエレオノール嬢に対する好みとやら以上に根も葉もないものはないと云った。みなさん、これをちゃんと聞いてください。『それよりもむしろ』男は云った『あのひどい顔のカファルドーのことを奥様は疑うべきです。あの男がそんなことをしているとは思えないでしょう。でも夜も昼も家の中も外もうろついています。さっきだってまだ庭にいて…。でもまあ…そのうちにわかるでしょう。すぐにこのふたりの恋人を結婚させなければ、きっと何か悪いことが起こりますよ』 どうですか、デーグルモンさん、これでもまだ賭けをしたいと思いますか？」 「ランベールさん、僕はことばを翻しませんよ。でも話をつづけてください」 「話は終わりです。笑いたい気持ち、寒さと裁判長夫人がナイトテーブルでたてた何かの音のせいで、僕は部屋から逃げ出しました。自分の部屋に帰って（シルヴィーナの部屋じゃないの？）、消化不良と（消化不良だったの？）数時間眠りが足りなくなる気持ちを慰めました」（夜更かしした見返りは十分にあったのではないかと私たちは思いました）&lt;br/&gt;　私たちはこの新しい話に大笑いしました。これほどの驚くべき出来事について際限なく議論をして、どこまで来たかに気づかないうちに到着しました。猊下の従僕が私たちを宿に連れてゆくために町の門のところで待っていました。家のありか、部屋の割り当て、調度は、愛すべき後見人のよい趣味と友情について私たちのもっていた考えに応えるものでした。少し落ち着くと、騎士は私たちを置いておじさんに挨拶しにゆき、私たちはできるだけ早くおじさんを連れてくるように騎士にお願いしました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十五章　新しくひとと知り合いになる章　理にかなった取り決め&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　私たちは普通の地方の小市民よりも育ちのよいかわいらしい顔の若い寡婦の家に宿を借りていました。デュプレ夫人は、こういう名前だったのですが、私たちが足を踏み入れるとすぐに姿を現して、気遣いをもって用意してくれていた昼食を非常にしとやかな物腰で私たちに勧めました。&lt;br/&gt;　この親切な女性が食事中に知らせてくれたことには、かなり貧しい両親から生まれた彼女は、むかしは母親に恋をしていた年老いた会計員に気に入られるという幸運に浴しましたが、この男は病気になって信心深くなり、首都から退いて田舎で生涯を終えることにしたのです。同業者の大半はこのひとにはとてもかなわないと思っていたまじめな財務官は、感謝の念によって、むかしの女友だちの娘と結婚し、財産をすべて与えていました。良心の呵責、年齢、病気、つまりあらゆるありそうな理由によって、この信心深い人間はきれいな妻の夫として生きることができなくて、彼女はただの伴侶でしかありませんでした。一年後に、彼は実直に死んでゆきました。その結果、デュプレ夫人は喪に服していて、一万リーヴルの資産所得と豊かな不動産を享受していました。年老いた母親は（このときは病気で私たちと昼食をとりませんでした）娘と暮らしていました。ふたりの女性は一階に住んでいました。私たちは家の残りを使っていました。好きなように別々に暮らすことができました。でもこの気安さを文字どおりにはとってほしくないと、何にもまして魅力的な礼儀正しさをもって私たちに頼んでいました。これを私たちはまったくいい気持ちで約束しました。デュプレ夫人は一目で私たちを魅了していたのです。&lt;br/&gt;　このきれいな未亡人が自分の事情について私たちに率直に知らせた目的は、これは女性にとってはとても自然なことだけれども、ただおしゃべりすることだけではありませんでした。この話をしているときに特にランベールに向けていた気遣いと、自分の云うことが生む印象をこの芸術家の目に読もうとする態度のために、感じやすいデュプレ夫人がこの男のことを既に自分のいいひとになりうるひととしてみなしているということを私たちは見抜きました。結婚の快も苦も知らなかった若い寡婦の心は結婚を思って燃えるものです。私たちの同伴者が美しい顔をしているということはもう云いました。矢は放たれて、女主人の心は痛手を受けていました。ランベール自身も同時に快適さと利益を提示する征服の価値がよくわかっていました。彼は好意的に考えられているということを私たちはちゃんと証明しました。シルヴィーナはあまりにまじめなために、純粋な媚態に対する興味が誠実な友情の義務を揺るがすことはなく、ランベールが熱心に口説くように先に立って炊きつけました。この夜に甥といっしょに会った猊下は、友人の幸運に喜びました。私たちはと云えば、あれやこれやの気紛れの時期の後に、そろそろ理性の声を聞かなければなりませんでした。理性はおばをおじに、姪を甥に割り当てました。このようにして私たちは取り決め、四人ともすっかり満足しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十六章　私の旅行の目標はいかにして裏切られたか&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　裁判長は家族とともに帰ってくるとすぐに私たちのところを訪問しました。合奏音楽の先生のクリアルデ氏 は、六十代の芸術家で、大きな旅団長風のかつらが古風な才能を告げていました。この偉大な人物の後には&lt;b&gt;元聖歌隊員&lt;/b&gt;がついてきていて、一ダースばかりの音楽のインフォリオの楽譜の重みに屈していました。これはすべてフランスの古いオペラと、さまざまな先生の素晴らしいカンタータでした。このわけのわからぬ代物を見て私は蒼くなりましたが、ときをおかずして聴衆を魅惑することができるようになるために、これからはこれを勉強することが命じられたのです。ここではもはや私の慣れ親しんでいたようなものは問題にされていませんでした。改革の敵であるこの地では、イタリア音楽はまったく閉め出されていたのです。イタリア音楽はここでは喉音、震え声であると云われていました。これが歌うような音楽であり、状況を描き、感動させることができるということは否定されていたのです。&lt;br/&gt;　数年前から流行になっていて、同じくイタリア風という名前の折衷的な音楽に対してもここでは寛容ではなく、これは孔雀から抜きとった羽を陰気なかけすが不器用に身に着けようとしているものでした。もし愛好家の防禦策が豊かな教養に基づいたものだったとしたら、悪趣味の伝播から身を防ぐためのこの厳しさは私にも理にかなったものだと思えたことでしょう。しかしこれが自国のものであるとされるジャンルに対する狂信的な敬意にしか基づいていないので、私はこのひとたちの頑固さを強く軽蔑し、フランス音楽が一種の宗教である町では私の才能はあまり受け入れられることがないだろうという予感を抱きました。&lt;br/&gt;　実際のところ、リズムのしっかりした、フレイズのはっきりした、旋転と、めりはりのある軽い走句が豊かな音楽に慣れた私には、まったく既成ジャンルの美しさをしっかり理解することができませんでした。私は愚かにも拍に対して忠実だったのです。私の声には十分に響きがなくて、「ああ！」と歌っている最中に笑いだしてしまうのです…。&lt;br/&gt;　裁判長とクリアルデ氏の知識はここに埋もれていました。うんざりしてしまって、私はこのふたりを追い払いました。ようやくある日、私を迫害して「ああ！私の声はすばらしいものになる」などとわめかせようとしているときに猊下が姿を現しましたが、私の方はこんなにも退屈なことにつきあわせることになったこんな声をもっているという不幸を呪っていたのです。猊下はフランス音楽、特に衒学者を憎んでいて、クリアルデ氏を解雇し、裁判長を叱りつけ、私の歌は、野卑な町、無知と悪趣味にふさわしい土地以外ではどこでも愛されるようなものなのだと主張しました。たとえ私の契約の違約金を払わなければならないとしても、あるいは私の代わりにオペラ座の合唱団のヴェテランのだれかを自分の費用で呼び寄せなければならないとしても、私がここでコンサートデビューするのは許さないと保証して話を終えました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十七章　あまりおもしろくはないけれども必要な章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　私が永遠の憎悪を誓ったばかりのフランス音楽に対して、幸運な偶然がすぐさま仕返しをしてくれました。私がこの音楽に追放されたばかりのときに、これまではもっとも難攻不落の要塞であると思われていたまさにこの町で、フランス音楽が強烈な失敗を被ったのです。&lt;br/&gt;　この喜劇は出来が悪く、その結果あまり流行りませんでした。英国から戻ってきて、国に帰り、お金が足りなくなったイタリア人のすばらしい道化の集団がやってきました。座長は見識と大胆さを兼ね備えていて、彼らを雇いました。まず人々は「おぞましい、冒瀆だ！」と叫びましたが、それでも幾人かは好奇心から、大多数はこれを嘆かわしいものだと思い猛烈な批判の重みで圧しつぶそうという気持ちから、この音楽を聴いてみたいと思いました。しかし美は陰謀に必ず打ち勝つもので、多くの観客が最初からこの新しい生き生きとした色彩豊かな音楽に惹きつけられました。この音楽をやじろうとしていた分派は多くの会員を失いました。ことばがわからないひとの演じているものが何も失わないことにひとは驚いていました。すべては描かれていました。歌は魅惑的でした。明確にして柔軟な演奏が注意を惹きつけ、曲が終わるのを恐れさせました。クリアルデ先生の合奏団はまったくまちがった方向に行き、美しいフーガの半分は失敗でした。私は真実を愛するので、これらのイタリア人の音楽の演目の軽やかなスケッチと、我らが大先生の絵の具を塗り重ねた絵画を比べてみると、理性をもった幾人かの人間は前者に軍配を上げようとしたのだと云わなければなりません。裁判長は悲しみと、分裂を避けるためにした無数の働きかけのために病気になりました。同郷人の目には世界一の女歌手ではなくなったエレオノールは、この不正を自分のひどい退屈の口実にしました。&lt;br/&gt;　新しい一座はすばらしいオーケストラをもっていました。騎士はこれを使って、たとえすべての脱党者を連れ戻そうとしたとしても、クリアルデ氏の合奏団をかたなしにさせるような合奏団を組織しました。でも選ばなければなりませんでした。あるものは流れによって、あるものは疑わしい腹心をもって、顔を出すばかものどもの群れを仲間にすることはきちんと控えました。良識をもった、知識と旅によって趣味が純化された、滑稽な同国人とはどこも似ていない少数の愛好家だけを受け入れました。確かにこういった紳士は、いくらかは育ちのいい人々に中傷され、ばかにされ、憎まれていて、あまり数が多くはありません。でもこういった人々は幸運なことに自己満足していて、中傷者のむだな遠吠えにはまったくこのひとたちを心配させることができず、反対にその楽しみの種になるのです。&lt;br/&gt;　おじとおいはこの党派に大変に評価されていました。私の才能をたたえる一致した意見が、クリアルデと裁判長の偏見に満ちた判断によって被った損害をまもなく償いました。軽蔑心をもって「この女どもはだれなんだ？ おい、どうやったら会えるんだ？」というひとがいるけれども、シルヴィーナと私はあらゆるお楽しみに同席していました。&lt;br/&gt;　私たちふたりは女みんなに、騎士はある種の男に、ランベールもまたある種のひとに、猊下はあらゆる信心深い人々に嫌われていました。それでもこの聖職者を傷つけることはできませんでした。自分の地位の作法を逐一細かく守り、役職をきちんと執行し、まじめで、まったく宗教的な外見で、一言で云って、この地位にあるものが人々に対して見せるべき外観をすべて備えていて、民衆はこのひとのことを聖人だと思っていたけれども、信心ぶった人々はこの男の手綱をとることもできなければ、不満を云うこともできないことに激怒していたのです。このひとほどたくみに仮面をつけたひとはいません。真の友人の前でだけこの仮面を外したのです。このとき私たちは常に猊下のなかに世俗の人間、愛すべきひとを見いだしました。そうして実際このひとは愛されていたのです。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-7925938460631724028?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/7925938460631724028/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=7925938460631724028' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7925938460631724028'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7925938460631724028'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2009/01/6.html' title='フェリシア　第二部　6'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-6233000460277619381</id><published>2008-12-30T15:30:00.001+09:00</published><updated>2008-12-30T15:30:40.068+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　5</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第十一章　夜明けの歌　エレオノールの都合の悪い目覚め&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　読者の方は、純真無垢なエレオノールの部屋にこんなにも意地悪く置き去りにされたカファルドーのキュロットがどうなったのかを知りたくてやきもきしているかもしれません。読者を満足させるために、この後で夢遊病者と私の間にあったかもしれない細かいことは省略します。&lt;br/&gt;　私たちは、夜が明ける前に、わざとらしいと思われないようにして、美女のつづき部屋にできるかぎり多くのひとを引きつけなければならないという意見でした。鎧戸を開くと、赤いキュロットがみんなの目にみえたら、それはすばらしい効果を生むにちがいありませんでした。このみごとなどんでん返しを惹き起こすために、裁判長先生を早く起こして、婦人方の扉のところでちょっとした夜明けの歌を演奏して楽しい驚きを与えましょうと提案することになりました。騎士はヴァイオリン、裁判長はバス・ド・ヴィオルを弾くことになり、老紳士はこの夢想的な&lt;b&gt;目覚め&lt;/b&gt;といういい考えを評価しないわけがありませんでした。&lt;br/&gt;　その結果、デーグルモンは早くから主のところにヴァイオリンをもって出かけました。ほこりのかかったケイスから悲しげなバス・ド・ヴィオルが引き出されました。時代遅れの流行歌を何曲か練習し、はじめることにしました。シルヴィーナが最初にフォルラーヌを一曲、ガヴォットを一曲、クーラント［1］を二曲贈られましたが、隣りの部屋で寝ている重々しい裁判長夫人に気をつかって、すべて弱音器つきで演奏しました。それから音楽家とすぐに起きたシルヴィーナは私の部屋の扉のところに来ました。私は待っていて、予告されていた風はまったくないということを見せるために必要な時間の間だけ演奏させました。音楽に手を出していて、フルートがそこそこ吹けるランベールがまもなくコンセール奏者に加わり、私とともに仲間の数を増やしました。まもなく裁判長夫人、エレオノール、カファルドーを除く家全体が私たちにつづきました。簡単に云うと、聖ヨハネのやさしい恋人、神々しい&lt;b&gt;クロエ&lt;/b&gt;が休む部屋の扉のところにやってきたときには、私たちは大人数だったのです。&lt;br/&gt;　音をたてずに到着した私たちは、まず『蛮人』［2］の有名なアリアからはじめましたが、幸運なことに私は&lt;b&gt;もじり歌&lt;/b&gt;の歌詞を覚えていて、これは親愛なるエレオノールを楽しませるのではなくて笑いものにしたいという私の気持ちにぴったり合っていました。まじめな裁判長は、私たちが演奏しているすばらしい曲をつくった芸術家の熱心な崇拝者で、ただひとりだけ善意のひとでした。この曲を完全にものにしていて、だれよりも熱心に文字どおりの通奏低音をきいきい鳴らしていました。アリアが終わるとすぐに、「安らぎの森」を大声で歌いながら騎士は扉を開け、それにパパさんはコーラスのパートで答えないわけにはいきませんでした。私はといえば滑稽な歌詞を歌いつづけていました。ランベールはフルートを吹いて息を切らしていました。まったくもって大騒ぎで、もしこれよりもさらにおもしろいことを期待していなかったら、私はこれだけで十分に楽しかったでしょう。&lt;br/&gt;　裁判長自身が鎧戸のところに走っていって明かりを入れました。騎士と私はみごとなほどに驚きを演じました。私は背中を向け、デーグルモンは咳払いをし、シルヴィーナも、ランベールと他の立会人も、みな啞然としているようにみえました。裁判長は絵に描きたいほどで、年からすればちょっとおかしな陽気さから、あっという間に何よりも恐ろしい怒りに転じました。みんないっしょにキュロットを見据えている目が、不幸なエレオノールの目をこの致命的な物体の方にみちびきました。その狼狽をことばにすることはできません。私たちは好奇の目で見ているひとの群れを通り抜けて外に出ましたが、そのなかにはこの出来事にまったく関係がないかのようにして、みごとに体裁をとりつくろっている性悪女テレーズがいました。騎士はうつつを抜かした裁判長を連れてゆき、扉を閉めて鍵を奪いましたが、それはこの苛立った父親が後戻りして罪深い娘に何かひどい扱いをするのを妨げるためでした。この間キュロットはそこに置かれたままで、このキュロットをなくした男自身も、この淫行の戦利品が公の場でこのようにしておとしめたエレオノールと同じくらいひどい時間を過ごしていたのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十二章　騎士の機智と善意&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　デーグルモンはいたずらっ子ですが、すばらしい心をもっていました。私たちの宿主の絶望を見て心を動かされないということがありませんでした。すぐさま私たちのおふざけから結果した痛みをできるかぎり償おうという計画を練りました。「落ち込まないでください、先生」（彼は裁判長に云いました）「この出来事にはいかがわしいところがあると思います。見かけは美徳に反したものを突きつけているけれども、お嬢さんは無実だと賭けてもいいくらいです。敬意に値する両親によって育てられた生まれのいい人間に対しては好意的ではならないという先入観は除いても、事実だけに執着して、お嬢さんのところに迷い込んだこのキュロットは、きっとこれの持ち主の何か意地悪なたくらみだけによってここにあるのだと私は主張します。色男は、どんなにうっかりしていても、決してキュロットを忘れることはありません。もう一度申し上げますが、ここには何か腹黒いものがあります。もし許可をいただければ、この不正の謎を私が解き明かしましょう。しばらくの間エレオノール嬢とふたりだけで話させてもらえませんか…いや、裁判長も私たちの会見に立ち会ってください。まもなく裁判長は安心することになり、仕返しがなされることになると確信していてください」&lt;br/&gt;　騎士には私たちのことを巻き添えにすることはできないことを私は知っていました。それでもやはりこの破廉恥さには驚いてしまい、他の何よりも自分自身の非が大きい事件を取りなす仕事に、どうやったら手を出すことができるのか私には考えられませんでした。それでも目的があったので、幸運なことにこのむずかしい計画をうまく運ぶことができました。&lt;br/&gt;　騎士、裁判長、エレオノール、カファルドーの間の謎解きは立会人なしで行われました。でもけったいな家庭からおいとまして車に乗って帰るときに、騎士が説明してくれました。ここでも話しているのは騎士です。&lt;br/&gt;　「パパさんと僕は不幸なエレオノールのところに戻ったが、エレオノールは泣いているところだった。『安心なさい、お嬢さん』（慰めるようにやさしく僕は云った）『お父様はとても判断力のしっかりした方だから、だまされることはないと確信してください。お父様はお嬢さんの無実をお疑いではないし、同じくこの家全体がお嬢さんに同情し、あなたに何よりもひどい侮辱をした悪党に対する復讐を叫んでいます。当然のものである厳かな償いをさせることについては、私に任せていいものと安心してください。でも説明してください。今すぐにぺてん師の運命について決めてください。彼は私たちの鉄槌のもとに息絶えるべきでしょうか。それともあなたの夫の地位に引き上げて救ってやるほどに、あなたはこの男に対して関心を抱いていらっしゃいますか』 『どちらでもありません、騎士さま』（と悲しきエレオノールは答えたが、彼女は僕が話している間僕のことを注意深く見ていて、自分の罪を晴らす手段を僕が提供しているのだと感じて少し安心していた）『いいえ、カファルドーの悪さに釣り合った罰は、スキャンダルをさらにひどいものにすることにしかならないでしょう』」&lt;br/&gt;　「『そもそも私のことを誘惑できないからといってひどいやり口で仕返しをしたこの後に、さらに苛立ちを強めたこの男がまたどんなひどいことをしかねないかどうかわかったものでしょうか。命は奪いたくありません！… でもお父様と、今このとき私に見せていただいているお心遣いゆえに真の友人と呼ばせていただきたい騎士様の前で誓います。恥ずべきカファルドーは決して私の夫になることはないと誓います。ああ！私の犯したただひとつの過ちについてだけは嘆かなければなりません。女たらしが信心の偽善のヴェールで覆っていた忌まわしい姿を、私はあまりに長い間両親に隠しつづけていたのです。一年以上前から、この男は休むことなく私に罠をかけつづけていました。いい加減に自分の良心の呵責に負け、私の抵抗が示す名誉を模範として心を改め、断罪に値する計画をついにはあきらめることを私は常に期待していたのです。しかし何とひどく裏切られたことでしょう！…今日はこれがどんなに高くついたことでしょう！』 再び涙をあふれさせ…苦痛に心を千々に乱していた」&lt;br/&gt;　「やさしいパパが涙をあふれさせようとしているのがみえた。僕の涙（少なくとも涙を流そうとしているふり）がこの重要な状況においてすばらしい効果を生むだろうと思った。そこで僕は顔をそらした。ハンカチをとりだして、顔を隠し、他のふたりが僕は泣いているものと思い、自分たちでは泣いているから、それだけ僕は心の底から笑っていた。感じやすい裁判長は美徳に満ちた子供を腕に抱きしめていた。エレオノールは自分の役を見事に演じていた。僕はもう我慢が出来なくて、キュロットを奪うと突然部屋から出て、カファルドーをつかまえてその卑怯なぺてんを罰しに行くことを意味するような激昂をよそおった。『お父様、あのひとをとめて』心の広いエレオノールは叫んだ『走っていって、血が流されるのをとめてください』 でも僕は身が軽いから、あっという間にもう裁判長から遠く離れていて、邪魔するものもなく女たらしとやらの部屋に行った」&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十三章　カファルドーはキュロットを取り戻すために何を支払ったか&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　シルヴィーナとランベールは大変に興味をもって騎士の話を聞いていました。でも確かにこの話がこのふたりを楽しませていたとしても、これは特に私にとっておもしろい話でした。私ひとりが騎士の役のおかしさとエレオノールの役の完全な滑稽さを楽しんでいました。他のふたりにもう少しばかり事情を知らせたくてたまらなくなりました。しかしデーグルモンは軽く目くばせをして私に黙るように言い、つづけました。&lt;br/&gt;　「僕はカファルドーの部屋に悲しくも激怒した顔で現れた。こやつはベッドに寝ていた。入ったときに僕がたてた音で、彼はカーテンをずらした。恐ろしいキュロットを見て彼は震えあがった。死にいたるような蒼白さが顔をゆがめた。激怒に血がのぼって、そのために悪魔憑きのような形相をした裁判長がやってきたとき、それはさらにひどくなった。この男が来るまで私は静かに待っていたのだ。動かずに、メドゥーサのもうひとつの頭のように、被告の目に僕はキュロットを見せつけるにとどめていた」&lt;br/&gt;　「自分の恥辱をなすものであるはずの男を見て怒りが倍になった裁判長は、すぐに杖をとって哀れなカファルドーを力いっぱい打ちはじめたが、この男は毛布をかけていたけれどもこの打撃をとても強く感じていただろう。僕は人間の心を知っていて、だれにも抑えられないでこのような逆上に身を任せたときには、これにつづくのは慈悲と和解の時間だとわかっているから、この最初の爆発にはまったく反対しなかった。しかし怒りに息がつまって、叩くのに疲れて、裁判長は肘掛椅子に倒れ込み、『不幸だ』『信頼を裏切られた』『娘は評判を悪くし、きっと永遠に名誉回復の希望は奪われたのだ』などと大変にわけのわからないことを云って嘆いていました」&lt;br/&gt;　「『お許しください』（今度はキリスト教徒のカファルドーが叫び、ベッドから降りてひざまずくと、辱められた父親の足元までその姿でずり寄ってきた） 『お許しください。エレオノールお嬢様と結婚するのが常に私の唯一の欲望だったことはまちがいありません。たとえ私が弱くて、誘惑に屈してものにしたとしても…』 『&lt;b&gt;誘惑に屈してものにしただと！この罰あたりめが！&lt;/b&gt;』ふたたび激昂してしまった父親が答えた『悪党め、まだ私のことを侮辱する気か！私の娘を侮辱するのか！ものにしただと？…』 『でもご存知なのだから、エレオノールさんがすべてを告白したのかと…』 このとき年老いた裁判長は若さの盛りの頃の力をまったく取り戻し、杖を振りおろしてカファルドーのことばを断ち切った。尺取り虫は踏み殺されようとしていると感じると起き上がるものだとことわざは云う。同じように我らが爬行動物が震えあがって、怒りに満ちた目を向けてエレオノールの父親の老いぼれた顔をにらむのがみえた。それでも陰険なカファルドーが何か暴力をふるうのを妨げるために、私は喧嘩に介入し、裁判長の肩をもって、相手を『ならずもの』と呼んだ。従僕を呼んで、縛りつけて町に連れてゆくと脅してやった。何よりも唾棄すべき中傷によっておとしめるような真似をしたあの娘のような立派な娘の方が正しいと、むりにでもこの男に認めさせることはできるのだ」&lt;br/&gt;　「このような機会に、信心家には普通の人間のもたないよりどころがある。不幸なカファルドーは顔を床につけてひれ伏して、致命的な失寵を神に捧げ、たとえどんなに深く悲嘆に暮れていたにしても、預言者自身もたぶんこれをつくったときにこれほどではなかっただろうという調子で『ミセレレ』［3］を歌った。でも僕は我らがダヴィデに笑止千万のお祈りを最後まで終わらせる時間を与えず、急いで服を着させた。恥に覆われ、告発者の不正と、自分のことをもっとも憎むべき贋金づくりとも思わせるような状況の重大さにうちひしがれたこの男が部屋から出てくるのをみんな見たことだろう。僕はこの男を追放者のように家の外へと連れていった。彼は別荘に歩いて戻り、裁判長は今や僕のことが大好きだ。僕は友人、復讐者なのだ。町では、僕は裁判長のいちばん親密な仲間になるにちがいない。あなた方に心からのおわびをし、いかに美しいエレオノールは無垢そのものであるかを証明する役目を僕は負っている。信じていただきたい。でももしあなた方がそれを拒んだとしたら、説得のためには暴力を用いるというような約束はしなかった。後は、カファルドーが裁判を起こそうとしないかぎりは、裁判はない。しかしこの男は何もしないだろう。この男を除くと、この深く悲しんだ人々はみな明日町で僕たちに合流することになっている。人々は必ずキュロットの破滅的な話を騒ぎ立てるだろう。こういったことが惹き起こすことになるとんでもないおしゃべりが、他の何よりも僕たちの新しい住まいの退屈を和らげる種になってくれることだろう」&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］ フォルラーヌ、ガヴォット、クーラントはすべて当時の民衆のダンス音楽。俗な音楽を趣味のよい音楽だと信じ込む裁判長の滑稽さをネルシアは強調している。&lt;br/&gt;［2］ フランスの作曲家ジャンフィリップ・ラモーが英雄バレー『恋する印度』に一七三六年につけくわえた四番目の登場曲。この時代、ラモーの音楽はルソーと百科全書派の批判によって権威を失墜していた。自らもイタリア系であるネルシアは、イタリア音楽を称揚しフランス音楽を批判するルソーの意見に賛同している。&lt;br/&gt;［3］ 讃美歌。ダヴィデ王の詩篇五十一番で、「神よ、我を憐れみたまえ」ではじまる。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-6233000460277619381?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/6233000460277619381/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=6233000460277619381' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/6233000460277619381'/><link rel='self' 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align='center'&gt;第八章　カファルドー氏のキュロットについて&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　おお、信心家のみなさん！このようにして堕落させられるという、カファルドー氏に降りかかった不吉な出来事があなた方をおののかせ、危険な肉の衝動に勇気をもって抵抗することを学ばせますように。罪の後にはすぐに罰がやってきます。日常的に天と交流する特権的な人々の過ちはどんな小さなものでも気づかれてしまうのです。その間に度し難い罪人は、天の宮廷に知られることなく、心を曇らせることなく罪深い行き過ぎに身を任せるのです。でも復讐の日にも気をつけなさい！ このときにこそ頭の上に罪の山を積み重ねてしまった人々が、滅びの天使の差し出す膨大なリストを恐れをもって目にすることになるのです。反対に現世において自ら苦行を強いたひとは（それに助けられて悔悛したひとは）、運命の秤が釣り合っているのを見いだすことになり、永遠の至福の場へと造作なく昇ることになるのです。しあわせな、しあわせすぎるカファルドーには、弱さを示したとたんに、善き神が罰を用意していたのです！&lt;br/&gt;　目を覚ましたところでした。時計が五時を打ちました。疲れた恋人たちの方は眠っていました。ふたりがはっきりした音でいびきをかいているので、眠っているのだと私は確信しましたが、特に男の方がより深い眠りを告げていました。「最初は屈辱を味わわせようとしたはずのカファルドーさんだけれども」（このとき私は考えました）「この事件ではだまされたお人好しだとはあまり思えないわ。とてもかわいい娘と寝ているじゃないの。この心を満たす対象が自分のものだと信じているのよ。このひとの考え方によれば、『あの世』の方は大きな損失を被ったとしても、少なくとも『この世』の唯一の幸福をなすものの鍵を見つけたのよ。だったらどこで恩寵を失ったというの！ テレーズお嬢さん、あなたの計画は失敗よ。あなたの愛慾が怒りをおじゃんにし、カファルドーはあなたが彼をおとしめようとして想像した策略から、まったくうまい汁を吸ったのよ」 私はしっかり判断できなかったのかもしれません。しかるべき時と場所で、私はまちがっていたことがわかることになります。少なくとも私は見かけによって判断していました。「でも」（私はさらに考えました）「もしテレーズが自分の目的を忘れてしまったとしても、カファルドーさんのことをまったく好きではない私は、このひとが静かにしあわせを味わっているのをそのままにしておかなければならないという義理はないわ。このばかが自分の弱さを後悔する種を何か用意しておきましょう…」 それなのに頭を使って探してみてもむだなことで、私の意地悪な意図に応えるようなものは何も見つかりませんでした…。ひとに見つかったといって脅かしてやろうかしら！でも逃げればすむだけの話ね。話を聞いていない偽もののエレオノールは、私をちゃんと助けてくれないかもしれません。犯人の衣裳のなかで大切なものをちょろまかすこと以上にいいことは見つかりませんでした。私が最初に手につかんだものはキュロットでした。前もって財布、時計、鍵を抜いて、上着のポケットに入れた後でキュロットをとりました。それからこんなに大切なものがなくなってどうなることかとベッドのなかで待っていました。&lt;br/&gt;　でもいびきが終わることはありませんでした。私は遂にいらいらして、テレーズのところに行って、小さな声でエレオノールと何度も呼んで押したり引いたりしました。テレーズが今度はすぐにカファルドーを起こすと、この男はふたりの間の出来事が小間使いに発見されたのだと思って、もうおしまいだと思い、ベッドから出ると、おぼつかない手つきで服をとりまとめ、長い間キュロットを探したけれど見つからなくて、それでも靴の金具を床に引きずってかなり大きな音をたてながら出てゆき、扉を閉めるとこれがまた大声で泣きました。哀れな男は、見たところではエレオノールのおつきの老女が後をつけてきているのではないかと恐れていました。話すのが聞こえたのはあの女の声にちがいない！ 何と困ったことだろう！愛するエレオノールさんに何が起こるだろうか！それにどうやったらキュロットを取り戻せるのだろう！&lt;br/&gt;　テレーズの方も不安がないわけではありませんでした。彼女は私のことをまったくもってないがしろにしていたので、何か厳しい叱責、たぶん暇を出されることを覚悟しないわけにはゆきませんでした。しかし幸運なことに、この場合私はまったく立派な人間ではありませんでした。そこで彼女の大胆な行いが値する非難をそこそこにして、少し脇道にそれました。言いわけを聞く時間もとらずに、私はすぐに自分のしたいたずらを打ち明けることにしました。このいたずらは既にとても楽しい結果を生んでいて、笑いたい気持ちを抑えることができず、まったく不機嫌な感情は吹き飛んでしまっていました。安心したテレーズは、このやり口はすばらしいと思いました。それでもキュロットをなくしたカファルドーが次の命令があるまで回廊で待っているかもしれないので、私たちは喜びを爆発させることはしませんでした。頭のいい小間使いがまもなくこの障碍を取り除きました。鍵穴の向こうにいる友人に（本当に耳を張りつけていたのです）小さな声でこう云いに行きました。小間使いは気分を悪くして、ただ助けを呼んだのだけれども、おそらく何も疑っていません。それにまだキュロットは見つからなくて、少しでも動かすと音がするから、扉から返すことはできません。でも庭に行ってくだされば、小間使いが眠ったらすぐに窓から投げてやります。&lt;br/&gt;　こうして邪魔な立会人がいなくなって、風が激しく吹く庭で、この男がおケツを剝き出しにしていると知ってうれしくなり、私たちはもう笑いを抑えつけませんでした。それからふたりで相談して、私たちの楽しみとカファルドーの苦しみのために、私たちがつかんでいるその不品行の大切な証拠をうまく使おうと決心しました。私たちの会議の結果は、この家のことは完全によくわかっているテレーズが、本物のエレオノールが寝ている部屋の扉のところにキュロットを吊り下げに行くということでした。これが私たちのよき楽しみでした。とても寒かったので、テレーズはちゃんと服を着込み、廊下の闇のなかに進んで行って、笑ってしまう判決を勇敢に執行しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第九章　テレーズの報告と、嘘をついていないと証明するために彼女がしたこと&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　向こう見ずな小間使いは思っていたよりもずっと長い間帰ってきませんでした。遅れていることをもう大変心配していましたが、ようやく廊下で笑って話すのが聞こえました。彼女はだれかといっしょにいるのだと思いました。それでもひとりで帰ってきていたのです。何よりも激しい好奇心に急かされて、私は百もの質問をしました。でもそれには答えないで、ケタケタと笑いながら、気ちがい女はこう繰り返すことをやめませんでした。「ああ！楽しい話ね！これは傑作よ！おかしいったらないわ！」 私はいらいらしてしまいました。それでもようやくこの慎みのない笑いは、今このときエレオノールの部屋で起きているこの上なく奇妙な場面によって惹き起こされたもので、キュロットをもっていった女はその一部を聞いたばかりなのだということがわかりました。「騎士さまが」（浮かれた女は、一言ごとにことばを詰まらせて大笑いしながら云いました）「騎士さまがあそこにいたのよ…すばらしきエレオノールさまのところにいて、どういう口実を設けたのかはわからないけれど、まったくおかしなことを云っていたの。ぐでんぐでんに酔っぱらった男でも、だれよりも滑稽な道化でも、あのひとがぺらぺら云っていたような支離滅裂なことはとても云えないわね。それでもこの男は大切なお嬢様と一夜を過ごしたのよ、これはまったくまちがいないわ。彼が云っていたことが全部そう思わせるの。あのふたりは寝たのよ、お嬢さま！絶対そうよ。どう思いますか？ こんなことがわかって笑わないでいられるひとがいられるかしら？」 「でもテレーズ」私は口を挟みました「言っていることは確かなの？」 「まちがいありません、お嬢さま」 「騎士さまがいたって云うの？」 「まあ！騎士さまそのひとですよ。あのきれいな声を聞きちがえることがありますか！ エレオノールお嬢様のことを『愛する伴侶』『愛すべき女神』と呼んでいたわ」 「あなたの云うことはとんでもないわ、テレーズさん」（ちょっと気を悪くして私は云いました。でも私からすればまったくありそうもない話のことはまだ信じることができませんでした） 「おやまあ！お嬢さん」（笑いつづけながら彼女は答えました）「もし私の云うことが本当かどうか疑うのでしたら、お起きになって私についてきてください。そうすればわかりますよ…」 「いいえ、他にいい手があるかもしれないわ…」&lt;br/&gt;　私には最後まで云う時間がありませんでした。テレーズは機転を利かせて、私が何をもちかけるのをためらっているのかを見抜き、出て行ってもう戻ってきませんでした。彼女の代わりに戻ってきたのは騎士で、これもまた心の底から笑っていました。&lt;br/&gt;　たった一箇月前からしかいっしょに暮らしていないというのに、既に何度も不実を働いていた移り気な崇拝者に腹が立って、ことばを一言もかけないで、こちらへと導かないようにして、私は手探りでベッドを探させました。それでもちゃんと私のことを見つけることができました。このとき浮気もののきれいな手が私の乳房に触れて、私の怒りは突然半分になってしまい、、そらしたいと決めた瞬間に天使のような口が私の口を襲っていました。それでも、私のことは放りだして、「愛する伴侶」「愛すべき女神」のところに帰るように、表面的なとげとげしさをもって云う勇気がありました。この非難はまったく彼の気に触わりませんでした。自分を正当化する時間をむだにすることはなく、彼は絶対確実な手段を用いてきたのです…。私は安らいでしまいました。&lt;br/&gt;　「もっとして、お願い」（二度目に息を取り戻して、私は喘いで云いました）…でもこのとき私に親切にしてくれるのがむりな状態にあるものに触れて、私はこの慎みのないお願いのことを後悔しました。「ああ」（哀れな騎士は悲しげに云いました）「これが僕の愚かしさに対する本当の罰だよ。罪人がこれほど残酷に罰せられたことはなかっただろう！でもウェヌスはその忠実な崇拝者を長い間見捨てておくことはしない。僕の身に降りかかった珍しい出来事をきみに語り終わる前に、呪いは解けるだろう。きみはとても心が広いから、僕のリターンマッチを受けてたたないなんてことはとてもできないだろう」 炎のような口づけが私の善意の確かな保証でした。ふたりは官能的な形で組み合ったままで、すぐさま呪いを解くのに最も適したような態勢で、次の章で読んでいただくことを騎士は私に語りはじめました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十章　話しているのは騎士です&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「困ったひとの裁判長はこの家を隅から隅まで案内してくれたのだが、まるで僕たちはだれか悪人を探し出せという命令を受けた憲兵隊の別動隊のように、くまなく家を訪問した。今僕たちがいるこの部屋は娘の部屋だと裁判長は告げ、僕が迷い込んだ上の階の部屋は、この部屋の用意ができるまで客にあてている部屋のひとつだと云った。右側は女性用で、男性はもう一方の部屋だ。この配置をしっかり頭のなかに入れた。そもそもシルヴィーナは下の階の見事なつづき部屋を使うことになっているのだと確信して、その結果きみは当然ひとつしかベッドがない部屋に寝ることになるのだと推定した。きみと一夜を過ごすという幸福に対する妨げはありえないように思えた。そこでみんながほぼ眠っただろうと思うとすぐに、女のところに行った。いくつもの錠前に手をやった。ようやくひとつの錠前に鍵が入っているのを見つけ、鍵を開けた。だれかが眠っていたが、僕がたてた音で目を覚ました…。僕はためらっていた。「お入りなさい、聖ヨハネ」（とてもはっきりと声が聞こえたが、すぐにエレオノールの声とわかった）、このとき何よりも気ちがいじみた考えが浮かんだ。聖ヨハネとみなされるということに対する嫌悪と、この訪問からどんな「混乱」が生まれるのかを知りたいという好奇心のために、このとき僕は夢遊病者の役をはじめた。そうして声には答えずに、かなり低い声で朗誦をはじめた。「神々しいクロエが毎朝薔薇とジャスミンと若々しさの値を競い合いに来る甘美な庭…。何世紀もの試練にさらされる愛の誓いが祭壇の下で口にする願いに先立つ、魔法にかけられた場所…（僕は座った）。ブランデューズの泉［1］よりも透明な泉よ！ 清澄のなかで私の愛する伴侶…」 「あらあら、聖ヨハネ」（声が断ち切った）「とてもお見事ですけど、でもそんなやさしいことばはもう十分です。いったいどういう幸運な偶然によって…」 「私の選択のなかにまったく偶然の占める位置はありません。朝の星よりも輝く瞳を見たとたんに選択は強いられたのです…」「ははは！聖ヨハネ様はお上手ですね！いったいどこからこんな才気を汲みとっているのかしら？」 「彼女のような才気をもつひとはだれもいない。彼女が口を開くとすぐに、フェブスは一度も口を開くのを惜しんで、蒼い雲で顔を覆う…。すばらしき伴侶よ！神々しいクロエ…」 「笑っちゃうわ、デーグルモンさん」（気持ちのよい重みで私の胸の動きを邪魔している愛すべき気ちがいに私は云いました）「もう我慢できない。『クロエが口を開くとすぐさま日は翳り時間は顔を覆う！』 これはひどすぎるわ…でも何をしたいのよ？ ええ、呪いが解けたのを感じる。よかったわ。でも悔悛のために、この物語を最後まで話してからにして。その後で考えましょう。おとなしくして、話すのよ」&lt;br/&gt;　「エレオノールから聖ヨハネに向けられた呼びかけで事情がわかって、僕の気が軽くなったのはわかるだろう。美女の口から洩れた招待をすぐさま利用して、僕はそのベッドに急ぎ、こう云った。『僕は何を聞いたのだろう！彼女は既にすいかずらのゆりかごのなかにいるのだ！歌を歌うような声色が僕の耳を打った！…ああ、愛する伴侶よ！… きみなのか…。これはあのひと自身なのだ…。ああ！これほどに長い不在の後で…きみの腕は愛する夫の腕に拒まれるのか！… おお、愛よ！おお、婚礼よ！やってきてその燃え盛る松明で、だれよりもやさしい夫の姿を認めないクロエの目を輝かせておくれ』」&lt;br/&gt;　「夢遊病者から引き出せる利益を最初からしっかり理解できるほどに、エレオノールの意識ははっきりしていたのか、それとも支配的な愛慾のせいで、もしかしたら危険なものであるのかもしれないチャンスを拒むことができなかったのか、彼女は僕がベッドに入ってくるのを邪魔しようとする努力はまったくしなかった。それでもきっと声を知っているはずの聖ヨハネと僕をかんちがいしているということはもうありえなかった。僕はまったく声を変えていなかったんだ。僕は紳士としてことを行った。完全に同意しているとは確信できないので、美女に乱暴するつもりはなく、まずベッドでは眠るようにして背を向けた。数分後にいびきをかくふりをした。まもなくエレオノールは起きあがった。助けを呼びに行くのではないかと思って、僕は逃げ出す準備をしていた。でも突発事の敵である慎重な女は、多分もう必要とされている以上にひとが来ないようにして、扉を閉めて錠前をかけたかっただけだったのだ。こうして賢くも用心した後で、彼女はふたたび横になった。ここで僕は気ちがい沙汰を推し進めるのがいいと思った。『神々しいクロエよ、思い誤まるのはおよしなさい。比ぶもののないエレオノールの美しさがいかなるものだろうと、僕の心のなかでは何ものも愛するきみの姿と闘うことはできない。この気高い王女がミネルワとディアナのライヴァルであろうとむだなことで、きみだけに価値があるのだ…。僕の目は眩み…耳は魅惑されているのは否定しない…僕が赤くなったのがみえたか、天なるクロエよ！罪深い僕を許しておくれ…。でも僕は何を云っているのだろうか。もうわからない。きみの神々しい魅力は一瞬の幻を滅ぼす…もし僕がクロエの夫でなかったら、エレオノールのためにしか生きていくことはできないだろうとだけ、もう一度だけ繰り返させてくれないか』」&lt;br/&gt;　一休みしてふたりとも笑いたい思いを解消しなければならなかったけれども、その後でさらに騎士は、二度もほめことばを奮発して、エレオノールはとてもうまくクロエを演じていたのだと云いました。それから彼がふたたび眠っているふりをしたので、彼女はもし可能なら、起こさないで厄介払いするために、彼のことを静かに引っぱりました。彼はあらゆることに対して準備ができていたので、夢遊病者の役を大変に本当らしく演じていましたが、ようやく扉の方まで引きつけられました。エレオノールが開けようとしたときに、テレーズがまさにそこにいました。騎士はまったくの茶目っ気によって、戻ることも出てゆくこともせずに、すばらしきクロエの困惑を長びかせるためだけに独白を繰り返しました。テレーズはちょうどよいときを選んで部屋のなかに滑り込み、ベッドの隣りの肘掛椅子の上にキュロットを置きました。それから騎士に喜劇をつづけさせ、私のところに帰ってきたのです。幸運なことに、彼女が戻っていったときも、夢遊病者はまだ引き下がることに決めていませんでした。闇のなかで女性の手につかまれたと感じたこの男は、導かれるままについてゆきました。実はテレーズが導いていたのです。それからこの男を私の部屋の扉のところに置き去りにし、前に奉公していた家では知り合いに事欠かないので、遠慮をしてどこかで待機することにしたのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　ホラチウスの『頌歌』（三―13）のなかの「バンドゥシアの泉」への暗示。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-5009752360890919061?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/5009752360890919061/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=5009752360890919061' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/5009752360890919061'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/5009752360890919061'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/12/4.html' title='フェリシア　第二部　4'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-8671707427527405340</id><published>2008-12-08T11:00:00.000+09:00</published><updated>2008-12-08T11:01:27.007+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第二部　3</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='center'&gt;第六章　カファルドー氏の思いちがい&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　私は悪口を憎悪しないけれど、というのは普通なら楽しませてくれるからですが、それでもテレーズの悪口は少し不愉快でした。その大胆さに驚いてしまいました。この理由がわかってみると、彼女は街に行ってもいいのであって、私たちのことをそこで待っていることを喜んで許してあげただろうに、まったく居心地がよいはずがない家にどうしてあえてやってくることができるものかと聞きました。「私がですか、お嬢さん！」（元気よく答えました）「このひどいひとたちに会って困らせる機会を逃すわけがないじゃないですか！ 私が悲しみを感じるとしたら、それは私がここにいるということが気づかれなかったということで、たぶん今夜だれよりもおぞましい敵に宿を与えているということを彼らがまだ知らないと考えることなのです。私はみんなのことを恨んでいるのです。お嬢さん、信じていてください。遅かれ早かれエレオノールと、特にあのくだらないばかのカファルドーに仕返ししてやります。絶対に私の手にかけるのです…。奴は後悔することになるのよ」 この特別な会話は明かりを消すときまでつづきました。私たちは床に就きました。&lt;br/&gt;　うとうとしはじめていたのですが、起き上がったテレーズがそっと私の腕を引いて云いました。「お嬢さん、おもしろい現場に立ち会ってみたいとは思いませんか？ 起きてください。寒くならないように身を包んで、窓のそばまでついてきてください。やさしいカファルドーは庭にいます。たぶん大切なエレオノールがこのつづき部屋にいるのだと信じて、いつもの合図をしたところです。この間抜けを犠牲にして楽しまなければなりません。お願いです、起きて聞きに来てください」&lt;br/&gt;　こういったたぐいのいたずらは私にはとても魅力がありすぎるうえに、このひとの滑稽さを考えるとあまりに期待が大きすぎて、少しばかり寒いのがいやだからといってこの提案を断るわけにはゆきませんでした。できるだけのことをして都合をつけ、その場に行きました。テレーズは窓を少し開けました。それから彼女とカファルドーの間にあった会話を報告します。&lt;br/&gt;　「すばらしきエレオノールさまですか？」 「ええ、カファルドーさま、私です。決してあなたの健康を犠牲にして私に愛の証明を与えてはならないと禁ずるあなたの恋人です…。あなたからはもうたくさんの愛の証言を受けとっていて、その感じやすい心は永遠に感謝の念でいっぱいです」 「ああ、美しきお嬢さま、この告白には我を忘れてしまいます！… でもお嬢さん、小間使いのことを何も心配しなくてもいいのですか？ ちゃんと眠りこんでしまいましたか？」 「ええ、あなた、彼女は既に眠りの虚無のなかに深く沈んでいます。私もそこにいないのは、あこがれる恋人のことを考えていたためで、その心遣いの甘美な予感のためにおそらくまどろみの時間が途切れてしまったからなのでしょう…」&lt;br/&gt;　演じなければならない役の本当らしさに必要なテレーズのちんぷんかんぷんなことばのせいで、私は危うく吹き出しそうになりました。偽もののエレオノールは私の手を握りました。私は何とか自分を抑えました。&lt;br/&gt;　彼女はつけくわえました。「庭で凍えていないで、おあがりくださいとやさしい友人に提案してよろしいでしょうか。私自身、ここで苛立つそよ風に傷つけられているのがつらいのです…。いらっしゃい、愛するひと、安心していらっしゃい…」 「おお、でもお嬢さま！」 「ためらっていらっしゃるのですか？ その慎みのために私は大いに悲嘆に暮れてしまいます。こんな風にして何度もお会いしたのに、私自身よりも私の評判を落とすことの恐れを強く感じるということが我が良き友には可能なのですか？」 「お嬢様のおっしゃることはわかりますが…でも…」 「もし少しばかりの慎みのなさによって、美徳、評判を少しの汚れにでもさらすことがあるとしたら、私は心遣いに満ちた恋人に値するものでしょうか？」 「そんなことは申しておりません、お嬢さま…。でも…おわかりでしょう…若くて…。私は…結局…よくわかります…私のからだもみんなと同じに肉でできているのですから…悪魔に誘惑されると…。それでもお嬢さまが絶対にそうしたいとおっしゃるのなら…。でもよろしければ…」 「お帰りなさい、評価に値しない恋人よ。エレオノールの名誉をあまり信じていないということがそのけしからぬ疑いでわかります。エレオノールのことはお忘れなさい。目からうろこが落ちました。エレオノールは信頼を引きとります。あなたにはあなたの信頼をお返しします。ふたりのつきあいはここで終わりにしましょう」&lt;br/&gt;　このひどい悲劇女優の滑稽な尊厳をもって云われたおどけた別れのことばの後で、エレオノールのふりをする女は、男が答えて云おうとすることも聞こうとせずに窓を閉めました。ふたりはベッドに戻って気ちがいのように笑いました。もうまた眠りこむことしかすることはないと私は思っていました。&lt;br/&gt;　でも全然ちがったのです。失寵を不安に感じたカファルドーが、（ありうる危険にもかかわらず）偽もののエレオノールに会いに来ることに決めたのです。静かに扉を叩きました。「聞こえましたか、お嬢さん？」（すぐに起き上がってテレーズは云いました）「お嬢様、あの男がやってきましたよ…入れてもいいものでしょうか」 私は聞こえないふりをしました。テレーズは私が眠ってしまったものと思い、油が利いていない扉を開けに行き、音がしました。それでもカファルドーは迎え入れられました。しばらくすると、ふたりを安心させて、何が起きるかを聞いて楽しめるように、私は小さな音をたてていびきをかくふりをしました。&lt;br/&gt;　読者を退屈させるかもしれないので、愛するカファルドーの評価を失うことなく、偽もののエレオノールが何とかして「弱くなる」ことにし、カファルドーの方は「まったく弱くならない」ことにして、それでも恋人のひいきを失わないようにする、長い前置きは省略します。羞恥心は一方ではまったくゆるんでいて、もう一方ではひどく警戒していました。テレーズの役はむずかしいものでした。カファルドーは本物のエレオノールに結婚を早めることしか求めていませんでした。ひとつ障碍がありました。子供の話を知っていた未来の夫の母親は、もしエレオノール嬢が自分の息子と結婚したいと言い張るのなら、この恥ずべき事件を公表して、だれが相手だろうと、結婚できるかもしれないという希望を残さないようにしてやるとひそかに知らせていました。エレオノールはここで首根っこをおさえられていて、病気で年老いた母親が死ぬか、あるいは最後には息子が一点張りをやめて、いつの日か何かしているところを押さえられて結婚しなければならなくなるまで、ことを引きのばそうとしていました。でも老女はしつこく生きつづけていました。カファルドーの方は、石のように冷たく、あるいは神の恩寵に支えられて、悪魔とエレオノール嬢の罠からこのときまで大切な純潔を守りつづけていました。&lt;br/&gt;　こういった状況をすべて知っていたテレーズは、ばれないようにして、ことばと行動をこれらの事情に合わせなければなりませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第七章　テレーズの復讐&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　親愛なる読者よ、ここで何か信じられないものを目にすることになりますから、心してください…。でもどうしてサプライズの喜びを奪わなければならないのかしら！ お読みなさい、それからもし信じられるものなら信じなさい。私はといえば、もしこの場面に立ち会わなかったとしたら、これからお話しすることがありうると信じるのが大変にむずかしかったことでしょう。&lt;b&gt;真実はときとしてありそうもないものでありうるのです&lt;/b&gt;［1］。&lt;br/&gt;　もうしばらくの間ふたりはかなり大きな声で話していて、私にはその会話が一字一句洩らさずに聞こえていましたが、やっとで偽もののエレオノールが次のような微妙でまことしやかな理屈を述べました。&lt;br/&gt;　「私がカファルドーさんのしあわせを遅らせていると云って嘆くのはおよしなさい」（彼女は云いました）「正直に白状すれば、ふたりの運命を結ぶ誓いを明日にでも成就させるように父に働きかけるかどうかは、私だけにかかっているのです。でも私をとりこにしている激しい情熱は、結婚しないかぎりは生けるもののなかでもっとも愛らしいひとを手にすることができないという冷たい結末と折り合いをつけられるものではありません。つまり婚礼は、大衆にとってと同じく、私たちにとっても慣習の問題でしかないということになるのです！ ああ！ときに義務、名誉、美徳と呼ばれる幻想を越えて私を引き上げるあの情熱の飛躍を…私の恋人のうちに見出すことができたとしたら…私はそれだけで何としあわせなことでしょうか！」 「ああ！お嬢さま、何をおっしゃっているのですか、エレオノールさん！聖なる宗教が禁じることをそこまでお忘れなのですか！」 「まあ！しばらくの間あなたの『聖なる宗教』とやらは置いておいてくださいよ。でもこの簡単な質問に答えてください。もしあなたが私の羞恥心を襲って、私がそれに屈したとしたら、私のことを軽蔑しますか？… 私と結婚することを拒みますか？」 「それは…ありません。約束したことは…守らなければなりません…誓いを破るのは大きな罪です」 「そうですか！カファルドーさん、私もあなたと同じく誓いを破ることの敵です。あなたの情熱と私の情熱が何よりも大きな試練を受けなければならないとき、恋人を自分のものにした後でもあなたはまたその価値を新たに理解し、あなたのことを自分のものにした後でも私はまだ欲望を保ち、一生の間互いのものであることを望むようにならなければ、あなたとは一体にならないと私は溢れんばかいの愛のなかで誓ったのです。結婚してから数箇月たったときには、お互いのことがいやになって、ふたりの絆を憎むようになるとしたら、いったいどうなることでしょうか。それならば、もしこの嫌悪が享楽から生まれるのだとしたら、秘蹟の前に危険を冒した方がいいのではないでしょうか。反対に、もし女の名誉を汚すと云われることをあなたのためにしてしまっても、あなたが同じ熱心さをもって私と結婚するというしあわせを求めるのだとわかったとしたら、何という喜びでしょうか。私がだれよりも心遣いをもった恋人に対して負う感謝の念は、私のやさしさにとって何という盾となることでしょうか！…」&lt;br/&gt;　このことばは我らがヨセフ［2］にとってはあまりに精妙で、あまりに危急のものでした。何と答えたものかわからなかったのです…。この特殊な場面の簡単に見当がつく結末をさらに長く待たせることにどういう意味があるでしょうか。愛…自然…間抜けさまでが先入見に逆らい、完全な優位を獲得しました。「もし」「しかし」「でも」と何度も繰り返した後で、偽もののエレオノールの陰険な愛撫に圧倒されて、間抜けはよろめき、我を忘れ、錯乱し、淫らなテレーズとベッドを分け合うことになりました…。後の残りはこの情熱に燃えた女優の経験と貪欲さに任せることができます。&lt;br/&gt;　小間使いがこの機会に私をのけものにしたこの破廉恥さは、まず抑えがたい怒りをかきたてました。しかしまもなく彼女の陶酔の甘い息遣いが私の興味を惹き、彼女を正当化するものがすべて理解できました。私が眠っているものとあてにして、復讐するのにこれほどよい機会を見つけた彼女がその機会をつかんだのは、許してもいいことなのだと私にはわかりました。幸運な改宗者の仕事に彼女が加わって出す音のせいで、私のからだは熱く燃えました。陶酔のうちに「聖処女」「聖霊」「ああ！やさしいイエスさま」などということばを漏らすカファルドーは大変に私をおもしろがらせました。一言で云うと、私はこの幸運なカップルと心もちを合わせて、ふたりの快楽のこだまが私のからだのなかで何度も響いたのです。ふたりの官能的な愛撫のやさしいささやきと、この愛の戯れの持続が惹き起こす驚きのなかで私は眠りに就きました。これが結実した智慧なのです。さいわいなるかな、喜びを遅らせるものよ！&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='justify'&gt;［1］　ボワロー『詩法』からの引用（三章48節）。&lt;br/&gt;［2］　マリアの夫ヨセフのことを考えて差し支えないが、ここでは頭文字を小文字とした普通名詞(joseph)になっていて、「結婚によって聖ヨセフにあやかりたいと思うひと」を意味する。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-8671707427527405340?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/8671707427527405340/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=8671707427527405340' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/8671707427527405340'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/8671707427527405340'/><link rel='alternate' 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align='center'&gt;第四章　テレーズと、彼女が私にした告白について&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　裁判長の別荘は建築の傑作かもしれませんでしたが、住むにはまったく向かなくて、シルヴィーナに割り当てられたみごとに下手に装飾されたつづき部屋の後には、ちょっと気取ってみせたい女性を迎えることができる部屋はエレオノールのものしかありませんでした。見たところでは私はそれに値すると裁判長は考えたようで、愛娘を移動させて私を迎え、そのために奇妙なゆきちがいがありました。もっとも大きな出来事はしばしばもっとも小さな原因から生ずるということばは本当のことです。&lt;br/&gt;　よくしつけられた娘は昼も夜もだれか後見人の庇護下になければならないので、私に譲り渡された部屋にはベッドが二台ありました。私たちの小間使いがもう一台のベッドを使うことになっていました。これはテレーズという名前でしたが、私たちが出発する数日前に私たちの家にやってきていたのです。これはスタイルのよい背の高い娘で、大変にきれいで、活潑で機嫌のいいひとでした。これは猊下の召使から受け継いだひとでした。私たちのゆくことになっている町の出身でした。家族に再会したく思って、私たちが近く出発することを知り、閣下自身に推薦されていたのです。まずこの顔が私たちの気に入りました。テレーズが純潔な乙女ではないということはよくわかっていました。そればかりかまったくちがう雰囲気をもっていました。でも私たちにはどうでもいいことでした。みごとに整髪してくれて、大変趣味よくしっかりと衣裳をつくるのです。&lt;br/&gt;　「私たちの招待主についてお嬢さんはどうお考えですか」（夜向けに私の髪を直しながら、いたずらっぽい笑いを浮かべて彼女は云いました）「このひとたちはまったくおかしくて、こんなひとのことが見られるだけでもわざわざパリから来たかいがあるとは思いませんか」 質問が奇妙だと思って、私はただほほえみで答えました。彼女はつづけました。「お嬢さんはここは私のよく知っている国だということをもしかしたらご存知ないのかしら？ 私はこの精神病院で三年間奉公して…絶対に私を裏切らないと約束してくださるなら…確かにお嬢さんを喜ばせるようなお話ができるのですが…。でもお嬢さんのことが信頼できるのかしら？こんなにお若いし、お仕えさしあげているのはついこの前からなのですけど？」 「つづけなさい、テレーズ。何も恐れることなく、言いたいことはすべて打ち明けていいのよ。この妙な人々に関することをよく知りたいと思ってもう気がはやっています。秘密は破られることがないと信じなさい。ではこのひとたちについておもしろいことを話してくれるのかしら？」 「お嬢様はきっとそう思ってくださるでしょう」&lt;br/&gt;　「この家に奉公することが決まったとき（もう五年になります）、私はまだとても若かったのです。裁判長は見習いをしていた服飾店から私を引きとりました。女主人は私がとてもしあわせになるだろうと納得させました。事実裁判長は私に友情を注いでくれました。まもなく度を越して、愛のことばを語りかけてきました。私は大変に困ってしまいました。この男は本当の変態だからです。狂おしいまでに女が好きなのです。男も無視していないとすら云われています。常にだれかかわいい従僕を置いているのです…。でも勝手にうまくやってくれればいいのです。それでもお嬢さんのことを憤慨させてはなりません。私の云うことのなかにはきっと…」 「言いなさい、テレーズ、私を憤慨させるのはとてもむずかしいことなのよ。つづけなさい」 「わかりました。裁判長が悪魔のように私の後を追いかけて、おぞましく思われているうちに、気づかれないうちに私はエレオノールお嬢様の好意を獲得していて、心の底から彼女に愛着を覚えることになったので、堪えがたい父親の迫害にもかかわらず、ただ彼女のためだけにここに残ることに決めました。そのうちにふたりはとてもよい友だちになりました。彼女は私にどんな秘密のことでも打ち明け、そのなかでも一年ほど前からつきあっているある若い士官との関係について伝えていたのです。エレオノール嬢を近くで見守る係になっている年老いた醜女がふたりの愛に対する大変な障碍でした。それに心を払ってほしいと頼まれました。でもエレオノールお嬢さんはいかにねじれた心をしているかがすぐにおわかりになると思います。彼女が思いついたことは、士官の愛情を引き受けるように私に頼むということでした。彼に話しかけて、媚態を見せさえして、私のことに気づかせるのです。一言で云えば彼のことを受け入れて、ときどき私の小さな部屋をふたりに貸すということでした。この恋人はいつか結婚することになっていました。しかしそれはまだ五十五歳でしかないおじの死後でなければなりませんでした。このひとはちっともからだが悪くありませんでした。まだかくしゃくたるもので、さらに熱心な軍人で、地方の裁判長の娘に結婚を考えて言い寄っているなどと疑ったものなら、甥の腕と脚を折るかもしれませんでした」&lt;br/&gt;　「エレオノールお嬢さんを過小評価はしませんが、少なくとも顔については、私は負けていないと思います。私の方が若いですし、ここだけの話ですけれど、お嬢さんは私よりも六歳も年上なのです。それにお嬢さんはときどき怒りっぽくて陰鬱です。この士官は、熱烈に恋をしていたというわけではなく、最後にはこれほどの浮き沈みにうんざりして、しばしば私と一対一で何時間も過ごす機会をもつことになりましたが、私はといえばエレオノールお嬢さんとは正反対の気質なのです。彼はハンサムで、若々しく、大胆でした。裁判長は男をしあわせにすることで味わう甘い快感について耳にたこができるほどに繰り返していましたが、そのせいで試してみたいという欲望が強くなり、しかし本当にそれがそれほど満足のゆくものだとしたら、裁判長ではない他のだれかと試してみたいと思っていました。私がいいものを望みはじめたということに士官が気づかないはずがありませんでした。彼も私のことがほしいと告白できなかったのは、私がエレオノールお嬢さんに話を漏らすのではないかと恐れていたからです。彼は何とうぶだったのでしょう！ つまり女は決して自分自身に不利になるような真似はしないし、それが可能なときにはライヴァルの女に対して不利になるようなことをしそこねることがないということを知らなかったのです。実際、ある日木屑に火がつきました。色男はできるかぎりもっとも深刻な不貞を愛人に対して働いて、私のことをひいきにしました。ふたりともここから得るところがあったので、ライヴァルの女をだますための手段を真剣に探すことで同意しました。彼女の芝居がかった心持ちととんでもない量の自惚れからして、これはまったくむずかしいことではありませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第五章　テレーズの告白のつづき&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「無関心につまずき、もう愛されないと信じる理由がみえるとすぐに関係を断ち切るほどの感情をもっている女性がいます。でもあのつくりものの尊厳にもかかわらず、エレオノールお嬢さんはこのような女性ではありません。士官が彼女を軽視すればするほど、彼女の方は彼に対する執着をますます強めるように思えました。悪党は多少行き過ぎていたというのは本当です。エレオノールの持参金は軽視できるようなものではないので、『反法曹』のおじの性格から考えても許されている手段だけによって、征服した女の所有を確保しようと努力していました。一言で云うと、彼はエレオノールお嬢さんをはらませていたのです。でもこの粗忽ものはとても不真面目なことをして、まったく持参金もない私、彼が自分の利益のために加減しなければならなかった私のことを同じ状態にしたのです。私の困った状態がようやくはっきりした頃、この子づくり屋はアメリカに上陸する聯隊に合流しなければならなくなりました。もう遅れていました。ぎりぎりのときになって駅馬車に乗って飛んでゆきました。しかしあまりに急ぎすぎたために肋膜炎になり、亡くなってしまいました」&lt;br/&gt;　「お嬢さん、ふたりの寡婦の困惑を想像しても見てください！ それでも私たちはお互いにそれを隠して、それぞれ自分で事態を切り抜けようと思いました。私には確実な方策があり、裁判長に好きにさせるとすぐにやすやすと罠にかかりました。でもこの醜悪な男のことはとても嫌だったので、この男に身を委ねるなどということを自分に強いることはできませんでした。お嬢さんが同席したあのカファルドーさんは、私の女主人のことをずいぶん前から敬意をもって口説いていました。彼はけちな贈りもので私のことを丸めこもうとし、士官との取り決め以来、私はできるかぎり彼を助けていました。それで私たちの間には友情の交流がありました。もしこののっぽの木偶の坊がこんなにばかではなくて、信心に凝り固まった教育のせいで、あの年で七歳の子供よりもうぶではなかったとしたら、お嬢さん、この男は他の男なんかよりずっとましだということがわかると思いますよ。かなり体格がいいとは思いませんか？ 顔つきはまあまあだし、健康そうにみえます。私はこの男の方が裁判長よりもずっと私の計画の実現に好ましいと思いました。少しでも言い寄れば、私がすぐにでも受け入れるような提案をこのばかはしてくるだろうと私は想像していました。そうすればこの男が父なし子の面倒を見なければならなくなることでしょう。でも、同じことをもちかけていたエレオノールお嬢さんにも、彼はとても恋をしていたうえに、私の手配によって彼女と毎晩数時間過ごしていたというのに、この厳格な純潔の誓いを破らせることができなかったのだから、彼が私の挑発に答えようとしなかったからといって驚くにはあたりません。お嬢さんにこんなことを白状していいものでしょうか、最初は都合を合わせるつもりだったものが、この抵抗によって本物の欲望に変わってしまったのです。たくさんのことをしてやっているのに、間抜けな男に無関心をもって扱われて、私は傷つきました。私はしばしば半裸の状態で彼を送って行って、寒いからと口実をつけて彼の外套にくるまったりしていたのです。しかし実際には、これは暖かい熱と私の肉の硬さをとても近くで感じさせるためでした。エレオノール嬢がこれほど親切な男性を自分のものにしていることの幸福を私は休みなく話していました。「おふたりはいっしょに過ごすこんなに長い時間の間何をなさっているのかしら？」（少しの間月がよくなるのを待つという口実で彼のことを引き留めていた夜に、私はこう云いました。月の光が、まさに彼が帰ろうとする扉に差していました）「きっと私のご主人様を相手にたくさんばかなことをなさっているのではないかしら？」 「この私がですか！ ああ、それはありませんよ！ 主が法にかなったしかたでエレオノールお嬢さんのことを自分のものにするのをお許しになる前は、たとえ自分から私に身を委ねてこようと（これはあの方のキリスト教徒の感情からはかけはなれたものですが）、絶対にその弱さを利用するつもりはありません」 「でももしお嬢さんがとてもやさしいことばをかけてきたら…キスしてきたとしたら…こんな風に。『愛するカファルドーさん、あなたへの愛のために死んでしまいそうです、あなたは素敵なひとよ…』と云って」 「おやめなさい、テレーズお嬢様！ 何ということですか！ こんな風にして男性にキスすることができるのですか」 それから彼は唾を吐いて不機嫌に口を拭きました。お嬢さん、正直を云うと、この第一歩の後には、もはや何も手加減する必要はありませんでした。そこで喜劇役者を演じつづけるふりをして、相変わらずエレオノールの名において話しながら、私は気ちがい沙汰を推し進めてボタンをふたつ外すことまでしました…でも期待に反して、そこに見つけたのはだらんとしたもので、大切な希望が失敗に終わったのがわかりました…。「本当に、テレーズお嬢さん」（私は口を挟みました）「あなたはまったくのあばずれみたいなことをしたのね」 「私にどうしてほしいのですか、お嬢さま！」そんなに動転することなく彼女は答えました「子供をどこかに落ち着けなければならなくて、子供をつくらせるようなものを熱望する貧しい娘は、簡単に我を忘れるのです。追剝ぎを働かせるのは貧困なのです」&lt;br/&gt;　「結局こういうわけで、私は何ものにもたどり着くことができませんでした。すぐさまいやな男は、これは暴力だと叫び、私に殴りかかりかねませんでした。そこで私は役割を変えて、私はエレオノールお嬢さんに彼が誠実かどうかを報告しなければならないので、ふたりのなかに本当に介入することができるかどうかを確認したかっただけなのだと云って、気を落ち着けさせようとしました。しかしがさつな男はこれをまったく悪くとりました。彼は私のしようとしたことをエレオノールお嬢さんに云わないではいられず、ちょっとした口実をとらえて、彼女は私のことを追い出して恥ずかしい思いをさせました。&lt;br/&gt;　「復讐するために、士官との話、それからカファルドーの話、私が知っていることをすべて裁判官に知らせる手紙を書きました。でも、私の手紙のせいでエレオノール嬢は、見たところでは名誉の問題についてはあまり細やかではない父親（滅多に家にいないのだからそれでいいのです）、つまり頭の足りない父親にすべてを白状しなければならないことになりましたが、彼はできるかぎりのことをして娘を助け、破廉恥行為が秘密であるようにしました。幸運なことに、そのとき私はエレオノールお嬢さんが妊娠していることを知らなかったのです。もしこれを知っていたら、この深刻な状況において、おもしろがって絶対にこれをいたるところに発表していたことでしょう。私は自分の悪口によって非常に醜悪なものになり、裁判官の申し立てによって収監されると脅迫され、そもそも出産について考えなければならなくて、かわいい娘には簡単に生計の手段とつまらない迫害者の誘惑に抗する支えを見つけられると知っていたパリへと向かったのです」&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' 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align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　「いやだね」（この第二部をはじめる前に第一部を渡すと、この作品の冒頭で言及した検閲官が云いました）「いやだね。まったくうまくない。あなたの云うことにはだれも興味がないということがわからないんですか。あなたはありのままの自分の姿を率直に描いているけれども、これでは自分に対して非常に不利なことになるんですよ。若い娘が恥知らずにどんな機会でもつかまえて他人のしたばかなことを物語り、自分でもばかなことをするだなんていうことはだれも見たくないんですよ。女性は闘わねばならず、ともかく最低のひどいことをしなければならないというのですか。完全な愛を紡ぎ合うこともできないような人間が、快楽は苦痛を必要としたときだけ快楽で、悦楽に本当の価値を与えるのは障碍だけだと主張するだなんて」 「お黙りなさい、侯爵様」（大切な作品が批判される作者の苛立ちそのものをもって私は答えました）「あなたは私の作品を悪い方から見ているのです。私には興味を惹こうなんてつもりはありません」 「それならしかたありませんね」 「ほめことばを求めているわけでもありません。私の品行はまったくほめことばには値しません。ときどき自分でしあわせになることができたときに、私は自分の理論から期待できる成果をすべて引き出していたのです。私にはまったく流派をつくろうなんて気はありません」 「そのつもりのようにみえますが」 「私と同じ手合いの女はいつの時代にもいたのよ。今の時代にもいるし、後世にもいなくなることはありません。嘆きの対象になることも私の目的ではありません。私は常に宿命にひいきにされていたのです」 「そうですね」 「それじゃあお金のためなのかしら？ もしお金の必要があるのなら、私の年齢で、私のありさまをもってすれば、白い紙を黒く塗るよりもずっと気持ちのいい財源があるのではないかしら？」 「まったくそのとおりです。でもそれではどうしてわざわざ書くんですか」 「わざわざですって！ 私にとってこれは楽しみだともう云ったでしょう。前にしたばかなことだけれども、私には思い出が大切なもののことを忘れないようにして楽しんでいるのです。ひょっとしたらだれかがこれを読んでおもしろがるかもしれないでしょう。私のような性格だけれども、臆病すぎる女が、私の例を見て大胆になって、困難を乗り越えるかもしれません。ベアタンのようなひとの攻撃を受けている女が、このような輩を信用しないようにし、笑いものにするのを学ぶかもしれません。羽根飾りのために気を悪くしがちな夫が、こんな事件にいくらかの重要性を認めたことに赤面し、賢いシルヴィーノの真似をして誇りに思うかもしれません。あなたはその理論を非難しないだろう騎士にならって、セラドン［1］のようなひとが&lt;b&gt;燃える思い&lt;/b&gt;を捨てて、滑稽な情熱を免れるかもしれません。最後に、聖職禄受領者が、僧服を身につけていても女性を愛することができ、紳士の精神をおとしめることなく女性と折り合いをつけることができるということを私の聖職者から学ぶかもしれません。私は駄文を書くことで満足することにしたけれど、こういったこともまた楽しいおまけになるでしょう。さらに、これは貞淑ぶった女や信心深いひとを憤慨させるかもしれないし、下卑た放蕩者にはあまり刺激がないかもしれません。これは私がほとんど気にかけていないことです。しばしば奇蹟によってしか話が解決することができない錯綜した小説をむさぼり読むひとは、『クレリー』［2］と、この小説以後に書かれた同じジャンルの作品を読みに戻ってください。こういったひとが本物の物語を読んで楽しんではいけません」 何と答えたらいいものかわからないようでした。私の云うことが正しかったからです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第二章　私たちはどこのどのようなひとのところに到着したか 描写&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　目的地に着く前に馬を替えた最後の場所で、私たちは猊下が見張りにたてたひとを見つけました。閣下が私たちのことを待っているそれほど離れていないところにある田舎の別荘に私たちを連れてゆくことになっていたのです。新しい住まいで私たちに仕えることになっている人々数人に紹介されることになっていました。&lt;br/&gt;　私たちが行くことになっていた家は、一生の間芸術と芸術家を保護することを職業としている年老いた裁判長のものでした。私たちを出迎えようと玄関の前の階段に現れたとき、私たちは一目でこの人物を判断しました。このひとがしわしわの手を礼儀正しくシルヴィーナに差し出している間、騎士とランベールと私は視線の「合唱」を交わし、「これは最初から変人だ」と云いました。&lt;br/&gt;　私が車から降りるとき騎士が手伝ってくれました。ランベールは猊下に迎えられ、猊下はランベールの親切さと、必ずそこから引き出すことになるだろう利益について、たくさんの心のこもったことを云いました。ランベールはとても礼儀正しく答えていたけれども、最悪の趣味の装飾を過度に施された奇妙な壁面に、驚いたまなざしを投げかけないわけにはいきませんでした。猊下は芸術家の驚きを見てほほえんでいました。事実、とても醜い建物をつくるために、わざとたくさんお金を使って骨を折っていたのです。私たちはふたつの部屋を横切り、たくさんの男を見ましたが、ようやく女たちが私たちを待っている部屋にたどりつきました。私たちを見ると、裁判長夫人は喜んで一瞬の間三カンタル［3］の脂肪を縦にしました。それから重々しく安楽椅子に倒れ込みました。裁判長が「愛娘エレオノール」と呼ぶ背の高いお嬢さんが、ありがたいお世辞を述べました。猊下はランベールを紹介し、初めてまずまずのことを云いました。というのも、もごもご話した裁判長夫人も、大げさに話したエレオノール嬢も、少し気後れしていたシルヴィーナも、笑いだしたくてたまらなかった騎士と私も、「パリの美人」を見て感嘆しているようにみえる見ている人々も、まだまっとうな対話をはじめようとしていなかったのです。&lt;br/&gt;　猊下がランベールを紹介した後、ようやく騎士の番でした。裁判長夫人は彼に対してかぎりなく優雅な出迎えをし、科さえつくってかなりさまになっていました。「愛娘エレオノール」の方は、話しながら目を伏せて、縫いものの上で両手を組んで、義務的な礼義がすむとすぐに座ろうと中腰になりました。同時に背の高いばかが、口を開けて、エレオノール嬢を見て大きく目を見開いて、何を云ったものかと思いあぐねているようでした。彼女が座って、騎士が自分のところに座ると、この男は息をつきました。騎士に話すときの大げさな慎みには目的があって、きっとエレオノール嬢がさっきここで聴いていたひとに対してした犠牲を払ったのではないかと私は想像しました。&lt;br/&gt;　私は細かいことを話しますが、この欠点は直すことができなくて、饒舌になってしまうことになります。このエレオノール嬢の描写をしなければなりません。これは美しい娘で、実を云うと少し色黒だけれども、この色のもつ魅力を備えていました。身長は普通より高く、美しいけれどもきつい目をしていました。均整のとれたいい形ではあるけれども、ばかにしたような不愉快な口でした。スタイルは最良でしたが、気どった芝居がかった物腰で、魅力を減らしていました。一言で云うと、エレオノールは「この娘はどこがいけないのかしら」と云われるような女のひとりでした。&lt;br/&gt;　裁判長はだいたいどういうひとだったかも云いましょう。実に活動的な才能の炎が枯渇したこの男は、フランス風の服を着たミイラに大変によく似ていました。誇張された顔つき、うつろな皺に囲まれた、ぎょろぎょろした飛び出た目。平たい口、わし鼻、とがったあごは、自分に口づけることができないことを悔やむかのようで、気ちがいじみてはいるが、高貴でそこそこよい容貌を与えていました。頭のてっぺんから爪先までを飾っている目につく滑稽さがなかったら、喜んでこの典型的な醜さに慣れてもよいくらいでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第三章　滑稽な人々&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　私たちが到着したときにはほとんど日が暮れていたけれど（一年でいちばん日が短い時期でした）、十五分ばかり息をつくと、美しい家をランベールに見て感心してもらいたくて気がはやっている裁判長は、残酷にもこの芸術家、猊下、騎士と他の同席者を、つづき部屋、地下倉、屋根裏部屋、物置、厩舎、庭園、温室、犬小屋など全部に連れてゆきました。この訪問は一時間ばかりつづきました。その後で猊下は、寒さに凍えて、車に乗って街中に眠りに行きました。私たちは翌日まで引き留められました。夕食の時間までゲイムをしなければなりませんでした。&lt;br/&gt;　この家ではそれぞれが自惚れをもっていました。裁判長夫人は、自分が他の女の上に立つ女であると信じ、しっかりした組み合わせの精神を想定するものにはすべて首を突っ込みました。芸術一般のことはよいものではあるがとるに足りないものだと思い、たとえば裁判長のように熱心になることは考えられないと思っていました。しかし反対に抽象的なことにははっきりした嗜好をもっており、数学、天文学にさえ手を出していました。こういった考えから帰結することによって、「影」というトランプ遊び、バックギャモン、チェスしかしませんでした。これは知的で真剣なゲイムだからです。他のゲイムは彼女にはふさわしくないもので、ばかな女しか楽しめないものでした。普通は裁判長自身か&lt;b&gt;深くため息をつく&lt;/b&gt;のが見えた大きな青年が、裁判長夫人の深刻な面を支えているのだとわかりました。でも機会が呈されるときにはちがうことをするのが好きなので、チェスができると折悪しく認めてしまったランベールは、この夜は彼女にひいきにされるという名誉と退屈を手にしました。ふたつのぼんやりした顔が、交替で裁判長とピケをしていました。私はエレオノール、シルヴィーナ、騎士、深くため息をつく男と二十一をしていました。ゲイムの間に、このひとはカファルドー［4］さんという名前で、貴族の密猟者だとわかりました。というのもエレオノール嬢が狩猟に関する質問をたくさんしていたからです。「あの貴族の娯楽」と彼女は云っていましたが、「あの英雄たちの息抜き」は、それでもカファルドー氏にとってはばかものの息抜きでしかありませんでした。この陰鬱な人物がエレオノール嬢に深く恋をしていることははっきり目にみえてわかり、この女は彼のことをよく扱おうとしていました。彼女はこのひとに対してしか話しかけず、ゲイムのために絶対に必要なときにしか私たちにはことばをかけませんでした。特に騎士については何の言及もしませんでした。ゲイムがつづく間、この誇らしげな美人に一瞥を与えられるという幸運に騎士が浴することはありませんでした。&lt;br/&gt;　ようやく夕食になりました。たっぷりとした大味な料理、時代遅れのアントルメ［5］、うまくないワイン、乱雑に並べた果物などが、善良な裁判長のふるまった食事でしたが、それでも気持ちのいいふるまい方だったので喜んでいただきました。裁判長夫人はそのものすごい肉づきにも可能な優雅さをもって料理を出しました。騎士の近くに座ったエレオノールは、苦行をしているかのようでした。私の隣りにいるカファルドーさんも、まるで私がバシリスク［6］であるかのように、私のことを見ませんでした。裁判長はランベールと知識を競い合っていました。これでは言い方がうまくありません。後者は口を開いていませんでした。前者だけがでたらめに建築、彫刻、絵画、音楽についてひとりで話していました。特に音楽が大得意の話題でした。この時代のもっとも有名なバス・ド・ヴィオル奏者のひとりで、さらにすぐれた歌手でした。歌の才能をきわめているエレオノール嬢は、父親から才能を受け継いでいるのにちがいありませんでした。&lt;br/&gt;　「ご婦人方」（彼は云いました）「私は心の底からの愛好家であり、生半可なひとのような卑小さをもってはいません。私たちは幸運なことに比ぶもののない女歌手と同席しているということを私は存じていて、この歌手を選んだ猊下の趣味の明るさに判断を委ねています。それはともかく、私にもエレオノールにも自惚れはなく、まるでここにはこれよりもすぐれたひとがいないかのように、彼女に歌わせようと思います。まず彼女は決して勿体をつけないところがいいのです」&lt;br/&gt;　この&lt;b&gt;決して勿体をつけない&lt;/b&gt;親切なお嬢さんがわざわざ歌ってくださったのは、それでも十五分後のことでした…。「何ですって！ どうしてあなたが歌うのを見る幸福を私に対して拒むのですか」とか何とか。この歌の才能の試金石…。エレオノールの最初の叫び声で私たちはみんな椅子からずり落ちそうになりました。私たちはもうとりこになってうっとりしていると信じている裁判長の顔つきはこう云っていました。「どうですか。こんな音色は思ってもみなかったでしょう」 「もちろんですとも、裁判長さん、これはだれも思ってもみませんでしたよ」 長々しい独唱はさらに豊かな休止、声の盛り上がりをたたえ、愛するパパは我を忘れて、自分で口を開けて励ましたり、テーブルに指を置いて長く伸ばさせたりする気遣いをしました…。破壊的な曲が私に与える印象と、特にこの歌い方のせいで、私は十回は席を立ちそうになりました…。これはまたとてもまねができない歌姫にとってはすばらしい成功だったというですよ！ でもそのときちゃんと考え直しました。そうでもなければ、自分の耳を救うために、私は最低の無礼なことをしていたことでしょう…。この重要な機会にさらなる集中を示すために、騎士は布巾で顔を隠していました。ランベールはひどい頭痛に苦しんでいるようでした。シルヴィーナはもう少しうまく体裁をつくっていました。憎むべきアリアはようやく終わりました。このときみんなは割れんばかりの喝采をしました。私はようやくほっとして、みんなと同じくらいの満足を見せました。裁判長は、音楽と本当の才能をもったひとの寛大さなどについて、もうことばを枯らすことなく話しつづけました。運がいいことに、私に手本を見せてほしいと頼むような考えを思いつくことはありませんでした。&lt;br/&gt;　娘の歌にうんざりしたばかりのところに、父親のおしゃべりに疲れて、私たちは行儀が悪いと感じて、あくびをこらえて顔をゆがめていました。それに気づいた裁判長夫人は、幸運なことに、それは休息の必要のためだと理解しました。夫が繰り出すきれいなことばを断ちきって、そろそろ旅人に下がってもいいという自由を与えるべきだと云いました。私たちはこの心遣いに多くの理由からかぎりない感謝の念を示しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　オノレ・デュルフェ（1567―1625）の小説『ラストレ』（1607―1624）の主人公。甘くプラトニックで忠実な恋人の代名詞。ネルシアの小説はすべて忠実な恋愛感情を軽蔑している。&lt;br/&gt;［2］　スキュデリー嬢（1607―1701）の「恋愛地図」で有名な小説（1654―1660）。&lt;br/&gt;［3］　むかしの重量単位。一カンタルは約50キロ。&lt;br/&gt;［4］　&lt;i&gt;M. Caffardot&lt;/i&gt;. 日本語では「暗井（くらい）さん」「鬱田（うつだ）さん」というような苗字。&lt;br/&gt;［5］　特に焼きものと果物の間に供される食慾をひきたてるための料理。&lt;br/&gt;［6］　にらんだだけでひとを殺すことができると云われる想像上の蛇。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-2924100027078451175?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/2924100027078451175/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=2924100027078451175' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2924100027078451175'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2924100027078451175'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/11/1.html' title='フェリシア　第二部　1'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-1175864687929279042</id><published>2008-11-17T12:47:00.000+09:00</published><updated>2008-11-17T12:48:18.169+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第一部　10</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第三十一章　騎士がおじさんと同様に和解の精神をもっていることを見せる章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　デーグルモンが来るのをあてにしていました。しかしもし自分がここにいるのがわかったら、彼は入ってこようとしないのではないかとドルヴィル夫人は恐れました。そこで彼が姿を現したら、ここにはだれもよそものはいなくて、彼の到着が待たれていたのだと云わせるように、彼女はシルヴィーノにお願いしました。&lt;br/&gt;　我らが英雄は夕方にやってきました。その装いはひとに気に入られたいという意図を何よりもよく示していました。ドルヴィル夫人と出会うことを期待していなかったものだから、少し顔が赤くなることによって、人間離れした美しさが仕上げられました。パリス［1］のハンサムな息子はこのときから三人のライヴァル関係にある女神とともにいることになり、奇妙な困惑のなかに投げ込まれることになりました。騎士の困惑はきっとパリスと同じくらい大きなものでした。りんごを使うだけのことだったら、やすやすと切り抜けられたにちがいありません。三人の女に、いや、相手が十人でもいいでしょう、りんごを分け与えれば、女はそれぞれにこれは自分に対してだけ公正なものであって、他の競争相手に対しては礼を尽くしたのだと信じたことでしょう。でも自分自身を使うことが問題になっていたのです。どうしたら私たちのだれも不満にしないでいられるでしょうか？&lt;br/&gt;　ドルヴィル夫人はまちがっていませんでした。騎士はずるく、ずるさそのものでした。私たちの貫くような目が、彼は三人のうちのだれのことを本当に好んでいるのかを見抜こうとしてもむだなことでした。ドルヴィル夫人が次の男を見つけたと告げたとき、彼は非常にうまくふるまいました。彼女が新しい関係に移るのには心から賛成であると云いました。それは大きな喪失感を感じていないからではなく、自分のためにしてもらったことに十分に応えられなかったからなのだと告白せずにはいられませんでした。それからシルヴィーナに対して、大変に勇気をもって、公認の愛人の役は自分のものだと主張しました。自分が見せている誠実な愛情を、この女はまったく疑っていないということは簡単にわかっていました。でも彼の誘惑の大きな才能の最後の切り札を悪魔が用いたのは、私に対してでした。彼の美しい目は私に何を語っていたことでしょうか！ 私はその目をはっきり理解していました。でももはやその雄弁を信じるわけにはいきませんでした。それでも相変わらず彼のことを情熱的に愛していました。器用に滑り込ませてきた小さな紙切れに、画家のところからやってきたところだと書いてあるのを見て、私は天にも昇る心地でした。私が頼んでいた彼の肖像画はまったく自分にそっくりだということでした。そんなことがありうるかどうか私は疑っていたのです。最後には、私とふたりだけで話したいという愛と焦燥で死にそうだと云っていました。私ほどに愛と焦燥を感じることができたのかしら！ この男は愛するためにわざわざ自分の真心を主張したりはしないということを教えてもらってからは、もう真心をあてにしてはいませんでした。私は世界でいちばん美しいものが欲しくてたまらなかったのです。未来のことは気にかけずに、現在を楽しむことしかもう考えていなくて、シルヴィーナの要求をできるかぎり私にとって不利ではないものにしようとしていたのです。それにもかかわらず、シルヴィーナと分け合わなければならなくて、私は悔しくてたまりませんでした。でもドルヴィルのことば、騎士の熱のなさ、私よりもシルヴィーナにずっとお似合いの猊下の帰還が、まもなくシルヴィーナのことを癒して、そのおかげでシルヴィーナよりも私にずっとお似合いの騎士のことを私がとっておけるようになることを期待して、私は自らを慰めていました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第三十二章　前の章のつづき　田舎への出発&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　こんなにももつれた心の利害の折り合いをどうしたらつけられたものでしょうか。この危険な火つけ役、これほどの愛慾の対象である大切なものは最後にはだれのものになるのでしょうか。彼は私たち三人全員のものでありつづけ、あるいはだれのものでもありませんでした。結局は同じことです。彼は自分がまだドルヴィル夫人にとても惹かれていると信じ込ませました。家への出入りを禁止せず、死をもってしか終わらない友情を認めるように切願したのです。ロシアの王子との間に契約が交わされたばかりなのに、追い出されたということにしてほしくない悪党は、またひいきにされることになったと私は後に知りました。他方でシルヴィーナは、新しい愛人にはまったくたっぷりとお金を与えることができなくて、もはや愛されているという確信を同じようにもつことができませんでした。しかし彼女は大してお金を払わずにデーグルモンを手放さずにいることができました。ある種の親切心がなければ、絶対に家に来る権利を失ってしまうので、それを保つためには彼にも都合のよいことでした。そもそもシルヴィーナは、まさにこのとき口説き落とすいい理由があるおじのおかげで、加減するのが楽でした。私はと云えば、自分が正しいのはわかっていました。自分の強みはわかっているので、私がふたりのライヴァルに勝っているのは当然のことと思っていました。実際私がお気に入りだったのです。もしその証明が十分でなければ、私はとてもやかましかったことでしょう。まるでアンタイオス［2］のように、デーグルモンは常に私のためにはさらなる力を見出したのです。シルヴィーナは夜に長い時間をかけて少しだけ手に入れました。私の方は日中に、不意にこっそりつかんだ時間にたくさんもらいました。これがさらに私たちのしあわせを増したのです。&lt;br/&gt;　このようにして数週間が過ぎましたが、そのとき猊下が宮廷に上がらなければならなくなりました。頻繁に手紙をよこしていました。ついにある日、彼のところのかなり給金がいい合奏団の主席歌手の地位を私に与えることが彼の提案によって決まったと知らせてきました。しばらくの間居場所を変えるよい機会を無視しないように勧めてきました。そもそも彼の流謫の地においては、私たちは彼にとって何よりも必要な頼みであると云っていました。そこで大聖堂と司教館をいくらか美しくするための仕事と、田舎で住んでいる家にさらに重みを加えるために、友人のランベールを雇ってくれるようにも頼んでいました。最後に、私たちに恩義を示すために、かわいい甥っこも連れてゆくということでした。これは騎士が心の底から望んでいることでしたが、それは愛することが可能なかぎりに彼が私のことを愛しているばかりでなく、さらに家族に許してもらうことを期待していたからでした。本当は快楽の人間だけれども、慎み深い人間であるおじの立ち合いで、パリの外で家族に会うのです。このおじのもとでは粗忽ものもしっかりものになったことでしょう。&lt;br/&gt;　おばと私は閣下には何も拒むことはできず、芸術家ランベールは、常に大変に心を惹かれていたシルヴィーナには何も拒むことができませんでした。そこで私たちはみんなで猊下の住居に向かうと約束しました。猊下は出発しました。私たちは数日後に後を追いました。田舎に対してはみんな根っからの反感を抱いていたけれど、一団をなしている上に、かなり楽しそうな見通しのもとに出発したので、やはり気持ちよく旅行することになり、旅程は大変に陽気で、かなり長い道も私に退屈や疲労を感じさせることはありませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第一部の終わり&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;［1］　トロヤの王子。アテナ、ヘラ、アフロディテーの三人のなかでだれがいちばん美しいかの裁定を任されたが、もっとも美しい女神に定められたりんごをアフロディテーに与え、アフロディテーが賞として約束していた美女ヘレナをさらった。これが他のふたりの女神の怒りを買い、トロヤ戦争の原因になる。&lt;br/&gt;［2］　ヘラクレスとの戦いにおいて、巨人のアンタイオスは自分の母親である地面に触れるたびに力を取り戻した。ヘラクレスはアンタイオスを空中にもちあげて窒息させてしとめた。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-1175864687929279042?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/1175864687929279042/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=1175864687929279042' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/1175864687929279042'/><link rel='self' 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align='center'&gt;第二十八章　驚き　説明　快感&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　私は世界一快適な目覚めをしました。口に話しかけてくる声が私を快感で身震いさせました。「美人のフェリシアは眠っているのか」 天使のような手が生まれかけのふたつの半球を愛をもって押しつけていました…。一言で云うと、これは私との間はどういうことになったのか知りたいと思っておばの部屋から出てきた愛すべき騎士でした。少し無関心で武装しようとしてもむりなことでした。彼の魅力ある愛撫に対して無関心はまったく長持ちしませんでした。この愛撫はまったく本物の反感にすら打ち勝ったことでしょう。この愛すべき浮気ものに対して私は反感をもつどころではなく、そもそも彼が浮気になったのはどうしようもない必要性のためだったのです。&lt;br/&gt;　「何を探しにきたのですか」（私にしっかり執着していなくてもいいと彼が思うほどに、シルヴィーナとの取り決めを私が感受しているとはみえないようにして、それでも私は云いました） 「隣りの部屋では前の夜ほど痛くない快感を感じたと云って喜んで、快楽の話をしにきたのですか」 「愛するひとよ」（昂って涙まで流して彼は答えた）「その反対に慰めてもらわなければならないのにそんなに僕のことを打ちひしぐことができるのか。きみのおかげでだれよりも幸せな男になったが、それなのにこんなにもすぐに幸福が乱されたというのに、どんな快楽を僕は感じているときみは思っているのか！ シルヴィーナというまったく別の女が、きみのためにしか生きていない、きみの大切な心を自分のものにしておくことが自分の幸福のすべてだと思っている、きみに受け入れられたばかりの恋人の気持ちを自由にできると思うのか。ああ、僕のフェリシア、もっと公平になってくれ。苦しいものだけれども、きみの休息を保証し、僕がこの家に来ることを可能にする犠牲、それがなければ僕は必ずここに来られなくなってしまう、絶対に必要な犠牲だけを、僕の無邪気な不実のなかに見てほしい」 それからこういう話をしました。おじが部屋にさがった後にすぐ、シルヴィーナは気取らずにこの上なく激しい情熱を告白した。そのために彼女と一夜を過ごすのを避ける方法がなかった。本当のことを云うと、その若々しい魅力と、気持ちのよい愛撫によって、この女性はフェリシアに対する愛をもっていない男なら、だれからでも同じように愛されるのに値するだろう。でも自分の年頃の男の無尽蔵の財源と、フェリシアの絶頂の喜びに刺激されたばかりの官能的な想像力がなかったとしたら、奇蹟を期待している女を相手に大きな危険を冒すことになっていたかもしれない。それでも幸運なことに、下手にすることの恥とうまくやりすぎることの危険の間の困難な中間点を保つことができた。一言で云うと、私と復活戦をすることができるようにするためと、とても欲張りだとみえる女が癖にならないようにするために、私だけに与えられると感じている親切心をある濃度にとどめたのだ。こう彼は云いました。これはすべてまったく正直で、きっと本当だったのでしょう。最初から、私の愛は愛すべき浮気もののことを正当化していました。彼のやさしい愛撫に私は激しく応え、彼の警戒心は吹き飛んでしまいました。私が急いでそばにいる彼に場を譲ると、彼は最近征服されたばかりの女に不満を与えていたものを私の腕のなかで汲み尽くし、想像可能なあらゆる激しさの快感を私に与えてくれました。これからは私にはっきりと価値がわかったうっとりするような狂気に身を委ねることのできる機会は、どんなものでも利用しようと互いに約束した後で、甘い疲労にぐったりしたふたりは別れました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十九章　猊下の礼節　事態をもとのままにする特別な会話&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　それでも私はやましく感じていました。シルヴィーナについて正直に告白したデーグルモンは、きっと私も彼のおじさんについて告白してあげるのに値したでしょうが、私は何も云わなかったのです！ だれよりもこれこれではないと自慢する女は、いつもどこかではそうであるもので、隠しだてすることは、偏見や他の多くの卑小なものを捨てた後でも残る、女にとっての特権的な欠点だからなのでしょうか。ともかく、私が猊下との間に起きたことを知らせないうちに彼は帰って行ったのです。これを教えたものか教えないものかと考えていたときに、かなり重い包みといっしょに聖職者から手紙が届きました。これは洗練された趣味の小さなボンボン箱の他に、すばらしい時計でした。私の時計を盗んで帰り、その時計を信じていたら、いつもよりも帰りが二時間も遅くなり、変わることのない規則正しさに慣れていた家人を大変に憤慨させたのだと書いていました。意地悪なことをしたということにすぐに良心の呵責を感じ、実は私のだめな時計ではなくて、ちがう時間に来るように言われたおじと甥がどこかで鉢合わせするというような、いかれた時計のせいで起きる不都合な事態を防ぐようなもっと正確な時計を返してくれました。でも、いい時計があったら、かなり正確に一方の出発と他方の到着を調節することができたでしょう。手紙は最初から最後までとんでもないからかいでした。猊下は最後に、宮廷で二週間過ごすために出発すると知らせていました。自分では私たちに嘆きの種を与えたくせに、この時間の間甥のことを悲しませないように私に頼んでいました。時計は最高級の装飾品でした。その心意気と仕上げにおいて、エナメルは比ぶものがありませんでした。周囲は光り輝き、蓋を開くボタンはふたつのかなり大きなダイヤモンドで、さらに鎖にはとても大きな宝石がついていて、この贈りものに礼節の限度を越えた価値を与えていました。私はサーヴィスに対するお返しとみなしていたものに対して、ある意味で猊下はお金を支払おうとしたのだと思って、私は屈辱を感じました。&lt;br/&gt;　猊下のやり口をどのようにしてシルヴィーナに知らせたものかわかりませんでしたが、彼女自身が私が楽に感じるようにしてくれて、私から贈りものを見せられるようにしてくれました。&lt;br/&gt;　「フェリシア」（彼女は云いました）「お前は遂に服従の桎梏を揺り動かし、私の見張りを破ったのね。これから見張りはむだだということなのでしょう。好きなように生きることにして、この好意を悪用しないようにしなさい。ここだけの話だけれども、ふたりの間にはまったく血縁関係がないのだから、お前が感じさせるやさしさだけのために義務だった世話の必要がなくなって大変さっぱりしました。だからお前はこれから自由の身です。でも私と別れるつもりはないと考えてもいいくらいには、私にはお前の心がわかっているはずですよね。私はお前に慣れ親しんでいるのだから、シルヴィーノがいない状態では、お前がいなくなったら、何にも埋めることができない空虚が生まれることでしょう。もしお前に何か大きな特典が提供されるようなことがあったら、そのときには私の愛着が与えている権利を手放すことができるでしょうが、そのときまではいっしょに暮しましょう。猊下が云ったように、本当の友だちになって、どちらの側でも従属と権威を取り払うことにしましょう。お前からは本当の友情とたくさんの信頼をしか要求しません。今から私の方の証拠をあげます。お前に対して昨日怒りだしたのは、まずは形式のことでなかったけれども、お前が我を忘れたのはまさに騎士とのことであったと知らせたときにはじめて怒りは真剣なものになったのです。騎士が私のことを愛しているとみえるのと同じくらい私は騎士のことを愛しているのがお前にもわかることになるでしょう。騎士がまちがえてお前を抱いたのは、私にとって大変不幸なことでした。私の愛にとってはまったくもって命にかかわるものであるこの計画は、ふたりが協力して計画したもので、私が結ばれたいと熱望している心をお前の方が先取りしたのではないかと恐れていたのです。ひとつお願いだけど、フェリシアちゃん、ハンサムな騎士を私に渡してくれないかしら？ 彼は私のことを熱愛しているのよ。私には疑うことができない。偶然でお前をものにしたことで彼には十分だろうし、もしお前がこれからは彼に対して無関心でしかなくて、私が彼をとらえようとしてするつもりの努力をお前はしていないのなら」&lt;br/&gt;　このシルヴィーナの心情吐露はあまり私の気に入りませんでした。それでも少しばかりのずるがしこさをもって私は切り抜けました。彼女が騎士としあわせになることを心の底から望んでいると保証しました。確かに彼女のつもり以上のつもりはないし、彼が私を愛していないそれ以上には、私も彼のことを愛していない。自分が望んでいることを納得するのは簡単なことです。シルヴィーナは私の云うことを自分の都合のいいように解釈し、終わりなく感謝のことばを述べ、この上なく強い友情の披瀝を繰り返しました。彼女の自尊心を傷つけたくないので、まったく幻滅させたくありませんでした。それでも私は騎士に夢中だと謎めいたしかたで云って楽しんでいました。でも私の云うことがまったく理解できずに、彼は私に対して無関心だと彼女はますます信じ込んでいました。彼女の最後のことばは、私のことを真剣に考えているらしいおじさんに対して私は愛着を覚えるべきだということでした。「猊下のことはよく知っています」（彼女は云いました）「これはしっかりしたひとで、魂が美しいのと同時に顔も魅力的です」 「それにとても気前のいい方です」と私はことばを挟んだ。どんな風にして愛を告げられたか見てください」 贈りものを見せました。シルヴィーナは感激しました。「これはまあ！」彼女はつけくわえました「猊下はお前のものね。これが愛によってしあわせにしてあげなければならない男なのよ」&lt;br/&gt;　ドルヴィル夫人の到着が告げられました。シルヴィーナは蒼くなりました。本人の方は何よりも穏やかで友好的な雰囲気で現れ、夕食に呼ばれに来たのだと気どらずに云いました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第三十章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;ハンサムな騎士に興味があるひとは、彼のことがたくさん話されているのを見る章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「顔色が悪いけどどうしたの、シルヴィーナさん？」いつものようには丁重に迎えられなかったドルヴィル夫人が云いました。「どうしたのよ！かわいいおちびさんのせいで仲が悪くならなくちゃならないの？ あなたのために私があの男を手放すかどうかも知らないうちにむくれなければならないの？ さあ、機嫌を直して。いい知らせをもってきたのよ。まず最初に、立派なデーグルモンさんに破滅させられ裏切られる名誉は心の底からあなたに譲るわ。次に、私のことを少し興味の目をもってみてくださったので、たぶんしばらくのあいだはあなたから奪ってみたいと意地悪に考えていたのかもしれない猊下の方もお返しします。でもあなたはこのひとにふさわしかったのよ。昨日の朝、ばかなキリスト教徒の群れをみちびくよりも、私たちのような牝羊に頭を剃られていた方がいいこの愛すべき牧師を見たの。このひとは正直すぎてだますわけにはいかないわ。それでも私はお金が尽きてしまったことを考えると、だまさないわけにはいかなかったの。だって私は何よりも気をそそる提案をさせたロシアの王子の方をひいきしなければならないのよ。私にはお金がない。気取っている場合ではなく、半分は理性から、半分は気紛れから、だれかと折り合いをつけなければならないのよ。私はルーブルが必要だし、それもたくさん必要なのよ。あなたがかなりお金を搾りとった猊下は、私には通りすがりのものでよかったの。あなたには悪いけど、もう関係がないのよ。今度はここでは今は亡き私の騎士様のことをどうやって禦するつもりなのかしら？ だってあなたたちふたりともなんでしょう？ つつましいフェリシアはどうするの？」 つつましいフェリシアはこの上なく美しい赤色になり、悔しさで死にそうでした。それでもドルヴィルは、ただ楽しみたがっていて、&lt;b&gt;共感の力&lt;/b&gt;とある種のライヴァル関係の&lt;b&gt;特別性&lt;/b&gt;について悪気もなく冗談を云いました。それから私たちの気を楽にするために、もしデーグルモンがもう少しずるがしこくなくて、特に女性に貢献させるのを好むというひどい欠点がなければ、女性を熱くするのにだれよりも適した男だろうということに同意しました。そうしてどんな風にしてふたりは知り合い熱愛し合ったかを微に入り細にわたって語りました（それでもデーグルモンのような男には&lt;b&gt;熱愛&lt;/b&gt;されていると女は信じるものなのです）。このたぐいまれな男をものにするためには、健康と自由を取り戻さなければならなかったのですが、家計がよろしくない状態にあるために、しばらく前からは彼のことを自由にできなくなっていたのです。「騎士は名誉ある人間で」彼女はつけくわえました「自分の受ける奉仕には心の底でとても感謝していて、うぬぼれていないので、自分が破滅させている女が自分自身よりも彼のために働いているということが想像できないのだと私は信じています。たぶんいつか自分のせいでかかったお金を全部返そうと申し出る程度の心遣いはもっているのでしょう。でもそれまではしっかり吸い取ります。善行に対しては善行をもって報いるべきとは考えることがなく、何ものにも執着せず、まったく気紛れに行動します。やってくるばかな女は全部自分の道づれにするのです。しかもこれはひっきりなしにやってくるものなのよ。だれよりも激しい情熱を演じるこずるい技に長け、普通なら四人の男をしても足りないようなやりすぎにでも耐えられるような唯一無二の体格に助けられ、信じがたいような速度で、疲れを知らない精力をもって世のなかを駆け抜けているのです。まったくもって落ち着いたままで、偽りをまきちらし、その効果が確実であることは知っているのです。聞いたこともないような自分の成功にあまりに酔いしれているものだから、限界も歯止めも知らない情熱をもって、避けることのできない破滅へと盲滅法に駆けてゆくのです。彼が私のものだったのはおとといの話よ、シルヴィーナ。今日はあなたのもの。明日はまただれか他の男のものなの。私よりも短い時間の間この男のことをつかまえておく女にさいわいあれ！」&lt;br/&gt;　私はひとりでこの悪口から利益を引き出し、こう考えました。「もしデーグルモンさんがここで描かれているようなひとなら、私が自分だけを愛してもらいたいとあまり思っていないということのために、彼は不幸を感じないことになる。それでも自分で満足している間は彼のことを愛していたいけれど、不満を云わなければならなく前にそれを予告することにしましょう」&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-2800412807258437470?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/2800412807258437470/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=2800412807258437470' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2800412807258437470'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/2800412807258437470'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/11/9.html' title='フェリシア　第一部　9'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image 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align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　私の混乱が完全なものになるためには、猊下しか欠けていませんでした。そこで時を置かずして猊下が到着しました。騎士が入ってきた後に扉を閉めていませんでした。まったく彼の叔父の到着は告げられず、このひとはいつも素早く爪先で歩くのですが、これほどに音をたてずに歩くことはできず、こうして私たちの不意を打ち、自分の甥っ子がシルヴィーナの足元にいるのを見ても、意地悪なことを考えることもありませんでした。自分のことが見られないうちに、彼にはこのふたりのことをよく見て、事情はわかったという小さな合図を私にする時間がありました。私はとても動揺していたので、猊下が姿を現すのを見ても、まったく挨拶の身ぶりもしていませんでした。そのために、彼が話しかけるという労をとって初めて、他のひとは彼がそこにいるとわかったのです。&lt;br/&gt;　「おみごとだ、わが甥っ子よ」（まったく機嫌の悪さを見せずに云いました）「すばらしいことです、奥様。あなたはデーグルモン家にふさわしいことをすることになるでしょう。私の魂にとっては、この悪党の行いはそれほど悪いものではありません」 自由にふるまう閣下を除くと、他のみんなは啞然としていました。「でも何もわからないな」（肘掛椅子に座って、聖職者はつけくわえました）「あなた方三人の顔は何を意味しているのか教えてほしいよ。悲劇のリハーサルでもしているのですか！ そこでは泣いているのか！ ここでは顔を曇らせている！ それに私の甥っ子といったら…。正直なところ、この男の役にはどういうおもしろみがあるのか全然わからないよ。だってこの男はあまり悲劇的なようにみえないから。それでも全体的に云って、あなた方のうちのだれも満足していないようだ」 シルヴィーナがまもなく謎を明かしました。すべてを云いました。閣下はその話があまり楽しいものだと思っていないようでした。「ええ、おじさん」ずるがしこい甥は偽善をもって云いました「事実は否定しませんが、ごらんのようにこの方はとても美しいのです！ 僕の立場ならおじさんも同じことをしたでしょう」 「もちろんだよ」 「何ですって、猊下、かたぎなひとの家に隠れて…」 「それはそのとおりですね、これはちょっと子供っぽい」 「おじさん、このつれない仕打ちを見てください！ この女、この冷たい女のためだけに、僕はこんなやり方を選んだというのに」 「ははは！奥さん、これはまたあなたが怒っているというのに困ったことを云うものですなあ」 「まあ！何をおっしゃるの、騎士さま。紳士が女性の家に招かれて、その女性に対してある種の感情を抱いているのなら、千ものしかたがあるのではなくて？」 「千ものしかたですって！」 「甥っ子よ、お前は許してもらったのだよ…。しかしどうだろう！今度はかわいそうなフェリシアだけが困惑しているよ。きみたちの間をとりもつのは私の役目らしいね。ちょっとこの扉を閉めて、どうか私の云うことを聞いてくれ。来なさい、美しいルクレチア」（私のことをやさしく呼んで、膝に座らせて彼はつけくわえました）「みなさん、起きた出来事に絶望してはいけません。デーグルモン氏は心の底ではすべてに満足しているしあわせな盗賊です。どんな嘆きにも取り戻すことのできないようなものを彼は簡単に盗みました。よかったではないですか。好運な粗忽ものが、この上なく抜け目ないとりちがえによって、あなたの花を摘みとったのです…これは何よりも長期間にわたる気遣い、やさしくこまめに通うひとに対するご褒美の価値があるものでした」 （それから少しばかり聖なる肩をすくめました。） 困惑していたものの、私は閣下に向けて素早く目くばせでこう伝えないではいられませんでした。「私は、猊下の信念が、初めての愛の証が、長期間にわたる気遣い、長い間こまめに通うことへのお返しでなければならないということだとは思っていませんでした…」 彼はつづけました。&lt;br/&gt;　「奥様の方は、二言三言で気分をほぐしてさしあげましょう。あなたは美人で、快楽を好んでいます。快楽が自分からやってくるときには、自分から気持ちよく探しに行くことはないということはご存知でしょう！ ご存知ですか？ それなら、この女の子のことは許すことができるのです。この子は今や秘密を知りました！どうしてこの子が自分の手で生きてゆくことが許されていないのですか。この才能とかわいい顔があれば、もう奥様の援助なしですませられるかもしれません。この子は宇宙のあらゆる財宝の鍵を手にしているのではないですか。この子を遠くにやることは罰することにはなりません。そもそも私は自分の庇護下にこの子のことを置くつもりです。だから、私のことを信じてください。許してあげて、友人とみなしてあげてください。前にふたりの間に他の関係があったことはお忘れなさい。あなた方は愛し合っているのです。&lt;b&gt;生きる&lt;/b&gt;ことにして、この子の好きなように&lt;b&gt;生きさせなさい&lt;/b&gt;。さあ、口づけをしなさい…。そうです…。心をこめて…。もっと心から…。すばらしい！ さあ、これは目をえぐりあうよりもずっといいのではないかな？ 私が来たときにはそうでもしかねないかのようだったが。今度は我が甥っ子のことを何とかしなければならない。甥が愛しているのは奥さんなのですよ。あなたの部屋に忍び込むことができなかったのに絶望して、女の子の方と寝てしまったのです。この不幸な出来事はあなたの気をそそるようなものなのです！あなたはデーグルモンに何か償いをしなければなりません。私の云うことを信じてください。警戒心をなくして、やさしい気持ちをもっておあげなさい。甥はもっと熱心にお願いしなければならないのですか？」 「ああ、おじさん！ ああ、奥さん！」（元気な騎士は順番に猊下とシルヴィーナに口づけをして叫びました） 「お待ちなさい、甥っ子よ、最後まで話させなさい…。お前は自分でしようとも思っていなかったことを女の子にしてしまったのだ。女の子はまったく同意していなかった。そのか弱さと無知に考慮を払わずに&lt;b&gt;強姦&lt;/b&gt;されてしまった後では、女の子はおまえのことをおぞましく思っていることだろう。それに、この子を教育して、これから感じることになるかもしれない不機嫌さがぶり返すのを防ぐためには、お前ほどにはばかではない人間がだれか必要だ。だからふたりとも私がこの子をひきとるのがいいことだと思ってもらえないものでしょうか…。私たちは二組のおしどり夫婦のように生きてゆくのです。みんなが満足であるように私は最善を尽くします。このさらなる取り決めが…できるかぎりのことをつづけてゆくことになるでしょう」&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十六章　前の章のつづき　報われた猊下&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　閣下が話すのをやめたとき、私たちは啞然として口もきけないままでした。シルヴィーナは驚きがきわまって、目を見据えて口を開け、自分が聞いたことは本当なのかと聞いているようでした。騎士は順繰りにみんなの顔を見て、自分ではどういう顔をすべきか当てようとしていました。その目はシルヴィーナにこう云っていました。「僕は何としあわせになることでしょう！」 おじさんには「おじさんの親切は私にはもったいない」 私には「今のところは様子を見て、ふたりで会うことにしよう」 私の方は「猊下」の笑った顔に不思議そうな目を向けていました。でもおとといこのひとがはじめなければならなかったことは騎士に仕上げられてしまっていたので、私はこのひとに対してもうひいきの気持ちをもっていないことに気づきました。甥と会うようになってから知識を身につけていたので、おじの方は失寵していたのです。不当なことではあるけれど、このひとはもう普通のひとにしかみえませんでした。&lt;br/&gt;　かなり長い沈黙がありました…。沈黙を破ったのはまた猊下でした。「さあ」彼は云った「どうしましょうか。どうですか」 「おじさま」機転の利く悪党がすぐさま答えました「あなたの提案に盲目的に従えるような長所を僕はもちあわせておりません。奥様を敬愛しているのです」 そうして仲介者の深刻な性格に対して払っている敬意にもかかわらず、あえてとても戦闘的な口づけをシルヴィーナの口にしましたが、シルヴィーナは「ちょっとお待ちなさい」（それでも好きなようにさせたのです）「猊下はそんなことを主張しているのではないのだと思いますが…」 「奥さん、私は何も&lt;b&gt;主張&lt;/b&gt;していないということに気づいてください。私は勧めているのです…」 「でも猊下は何をお考えなのですか」 「このろくでなしはかわいいと思いますよ。きっとこの男は自分で保証しているように、あなたのことを本当に愛していて、まもなくあなたはこの男に夢中になるのではないかしら」 「でも騎士さまのような地位の男性は…面倒事がないというわけにはゆかないでしょう…それにドルヴィルさんも…」 「まあ、あのひとのことなら、これからあなたとこの男のことを争い合いたいと思ったりはしないと保証しますよ。信じてくださってかまいません。これ以上都合のいいことはありませんが、あのひとはもうこの男に対して嫌悪感を抱いているのですよ…」 「そんなことがあるかしら！」（シルヴィーナは口を挟んで、激しい昂奮で本心を明かしました）… 「さあ」（聖職者はいたずらっぽいほほえみを浮かべて答えました）「騎士よ、自分の道を進みなさい。お前の問題は今や全部最良の方向に向かっているよ。今度は私の問題を解決しなければならないね。ふたつにわかれましょう」 同時に彼は肘掛椅子を床の上で滑らせ、もう一組のカップルに背を向けました。彼が私に云ったのはだいたいこんなことです。&lt;br/&gt;　「はかったな、このお転婆め！ 甥との話を&lt;b&gt;偶然&lt;/b&gt;とやらのせいにしているが、私はまったくだまされないぞ。お互いが気に入って、ふたりでとりはからったのだ。さあ、認めなさい」（私は何も云いませんでした） 「何も責めたりはしないから」（彼はつづけました）「でも私の役は悪い役だとは思わないか。この事件で私は少し不利益を被っているのではないかな？ では言ってごらん、私に償いをするために何をしてくれるつもりかな？」（私はとても困っていました） 短く云います。愛する恋人をこんなにすぐにだますのはいやだったけれど、この上なく危険な状況から救い出してくれたことで、それでも猊下に対してとても感謝を感じていて、屈辱的な思いをさせることはできませんでした。そこでその機会をつくってもらったらすぐに、その気に入るような感謝のしるしをすべて与えると約束しました。&lt;br/&gt;　デリケイトな感傷趣味の方々！ 厳格な決議論者のみなさん！ きっとあなた方を憤慨させるにちがいない私のこの弱さをお許しください！ 私の方でもあなた方の惨めなやましさを許して、あなた方のことを嘆いてばかにするにとどめておきます。&lt;br/&gt;　夜の残りの時間はみんないっしょにすごしました。夕食は大変に陽気なものでした。たっぷりお酒を飲みました。騎士様はシルヴィーナに対する新しい役を実にうまく演じ、私は少しばかり嫉妬を抱きました。これは猊下にとってはよいことで、私はまた猊下に対する親しみを取り戻すことになりました。彼は満足だったにちがいありません。&lt;br/&gt;　夕食の後で、彼は私たちが合奏するのを聞きたがりました。私たちはこれ以上はないというくらいにうまく演奏し、見たところでは猊下は大変に喜んでいるようでした。それでもときどきあくびをし、特にシルヴィーナは音楽に飽いたようにみえ、休みに行きたいと云いました。私たちは私の部屋にいました。私は小間使いとともに残されました。少しばかりの悲しみと不機嫌さをもって私は床に就きました。&lt;br/&gt;　だいたい一時間くらいしたころ、まだまったく眠っていなかったのですが、静かに部屋の扉が開く音が聞こえました。常備灯のおかげでそれが猊下なのわかりましたが、彼は実に謎めかして忍び込み、扉を閉めると錠前をかけました。彼の出現は私にとってまったくおもしろいものではありませんでした。あまり官能を求める気分ではなかったのです。まずふたたび痛みに苦しむことばかりを考え、閣下相手にそれを甘んじて受ける勇気は感じませんでした。私は容赦を求めましたが、約束を思い出すように言われました。聖職者が服を脱がずに、たぶん十五分ばかり愛想よくしてもらうことしか望んでいないのがわかって、それで私は少しばかり安心しました。そこでほぼ喜んで決心しました。彼の口ときれいな両手は何の障碍もなく駆け巡りました。彼には私に何も要求しないという手管があって、徐々にすべてを手にしました。既に軽い前奏曲が私のからだに火をつけていました。私は目を閉じました。恐れつづけるどころか、今度は欲情しはじめてしまいました。猊下が口を張りつけて、官能的に噛みついてくるのに対して私の口は気どらずに答えました。もう私には自制が効きませんでした。恐れていた努力よりも先に快感の絶頂が訪れ、私は愛の喜びで一杯になり、ほとんど苦を感じませんでした。意識を取り戻したとき、私はまったく恋する聖職者に支配されていました。とても軽い痛みしか感じないことにうれしい驚きを感じました。この痛みはまもなくこの上なく甘い感覚に場を譲り、これが徐々に大きくなっていって、私は我を失ってしまいました。そのとき私はただ自然の本能だけによって、口づけに口づけを、努力に努力を返しました。陶酔の狂乱が治まりはじめたときには、猊下がいかにしあわせだったとしても、私以上にしあわせな思いをしたということはありえませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十七章　飛ばして読んでも話の筋を見失うことのないたぐいの論考&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　そこからある理論をつくりたいと思う原則に、早いうちから経験が支えを与えるときには、簡単に自分のものとしてその理論をつくりだすものです。私は最初からシルヴィーノの賢い助言を実行できる状態にありました。実際、社会の機械を動かす多数のばねが惹き起こすあらゆる出来事に対するこの上なく大きな適応力がなければ、絶えずだれかの自尊心を傷つけるか、自分の方の自尊心を傷つけられるかするものだとわかっていました。&lt;br/&gt;　家庭のよい教育のために決して外泊をすることはないのだと云って、猊下は私と別れました。ひとりになるとほぼすぐに、私は深いもの思いに沈み、こう考えました。「もし私の愛すべきデーグルモンに対する情熱のおかげで、今このとき彼がシルヴィーナの腕に抱かれていると知っていても責苦を耐え忍ぶことができるけど、そうでなかったとしたら、いま私はどうなっていることかしら。それにおととい好きなようにさせておいたのに、その後でハンサムな男を見て夢中になったからといって、淑女ぶっていたとしたら、どんなひどい役を閣下に対して演じていたことかしら。あるいは、もうおじさんと何か計画を描いていたからといって、この上なく魅力的な甥の誘惑に対して身を護っていたとしたら、どういう得があったことかしら。つまり今の私は嘆かわしい娘だということかしら。昨日はだれよりも愛すべき男に身を委ねて、巨大な欲望を満足させてあげた。さっきは魅力がないわけではないもうひとりの男と本物の快感を味わった。自然はこの共有によって得をしたけれど、実を云うと、偏見と愛の&lt;b&gt;細やかさ&lt;/b&gt;の厳格な規則はこれを罰している。つまりこの滑稽な規則をつくっている、あまり自然にもとづいていない法が起草されたときには、もちろんまちがいがあったということね」 それからふたつのちがう決心から結果するはずのふたつの出来事を未来に思い浮かべていました。抵抗することからは（これは私の考えからは程遠いものでした）、障碍、憎悪、嫉妬、呵責の念が生まれたでしょう。私がしたように、屈することからは、反対にまったく楽しい見通しが開けていたのです。騎士、猊下、シルヴィーナに対して醜悪なものになる代わりに、私はみんな丸く収めて、自分についてもうまい具合にしたのです。一言で云って、私は自分に満足でした…。他のみんなについては？…だいたい満足でした。というのは、ある不安な嫉妬を完全に乗り越えるほどにはまだ哲学者ではなかったからです…。私はハンサムな騎士が愛すべきライヴァルの腕のなかにいる姿をあまりにはっきりと頭に描いていました…。もし閣下が私のところにとどまっていたらまだよかったでしょう…。きっと私にとりつく映像を追い払う助けになったことでしょう。眠りの神はそれでも私の心痛を哀れに思い、その終わりを告げにやってきてくれました。&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-7283904843539177019?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/7283904843539177019/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=7283904843539177019' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7283904843539177019'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7283904843539177019'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/11/8.html' title='フェリシア　第一部　8'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-7701482926144092904</id><published>2008-10-27T18:58:00.001+09:00</published><updated>2008-10-27T18:58:38.732+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第一部　7</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十二章　どうやって切り抜けたものかわからない章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　私の自己愛のために、ここで読者に対してかたりを働くことにした方がいいのでしょうか。オウィディウス そのひとでもその痛みと快楽を描くのに困難を感じるだろうある一夜の記述を私は省略した方がいいのでしょうか。いいえ、私はあまりに誠実すぎるので、こんなつまらないごまかしをすることはできません。ここにはもうだれも信じないような欠陥がひとつありますと云わなければならないという困惑を、私の本を出版してくださる方に感じさせるわけにはゆきません。きっとまったく不完全なものになるだろうけれど、ただ不都合な事情のためだけに一年前から実にひどいしかたで守られてきた小さな場所がどのようにしてようやく攻略されたかをお話ししようと思います。&lt;br/&gt;　この上なくやきもきした欲望の対象になっていたけれども、いざ直面してみると何やらわからぬ暗い不安が突然私をとらえました。デーグルモンは急いで私の服を脱がせようとしました。何と器用だったことでしょう！ すぐに邪魔になりそうなものは全部取り払ってしまいました！ 私の魅力すべての上に彼はどれほどのキスを雨あられと降らせたことでしょうか！ それでも私は固まっていました…。私はまだ痛みも快感も感じていませんでした。心の能力が停止しているようでした…。私はまだ存在していない時間、意に反して恐れている時間のなかに存在していたのです…。官能を愛する恋人が昂奮のきわみのなかで味わっている、かぎりないニュアンスに富んだ享楽を手にすることができませんでした…。彼は静かに私をみちびき、私が彼のために捧げられるのをウェヌスが待っている祭壇の上に私はいました…。神様！どんな小さな美に対しても惜しみなく与える情熱への称讃を彼はどこから汲みとっていたのでしょうか…。ようやく私はどうしようもない無感覚から脱します。これほど多くの口づけに甘くくすぐられて、私のしびれた感覚が目を覚まします。火がついてしまいました…。私の魂は、私のなかに発散されようとしている魂を求めます。やさしく激しくしてくる…。でも何という障碍が立ちふさがることでしょう！ 鋭い痛みが完全な喜びを乱しにやってくる！… ふたりの欲望は苛立ちます…。でもむだなことでした。ふたりの幸福は最後まで行けません…。機械的な動きで私は片手を殉教者の道具にやり、身震いします。ふたりは不可能なことをもくろんだようです…。真っ赤な血が私の傷口から流れています。戦闘の最中に片輪になった不運なひとのように、命をしとめてくれと征服者にお願いしてもむだなことです…三回も彼は私の言うことを聞こうとしました…三回も私はこの上なく恐ろしい責苦に挑戦しようとしました…同じ回数だけ彼はこの犠牲の成就をあきらめなければなりませんでした。&lt;br/&gt;　おお、だれよりもやさしい恋人よ！ あなたの涙は忘れません。あのときは、輝いていた欲望の炎が悲しみにかき消されていたあなたの目に浮かぶ涙を、私は舐めていました。そのときあなたは私の血を集めていたのです！ あなたの大切な勝利のトロフィーを永遠に自分のものにしようと私に約束しながら。あのときは私の知らなかったどんな慰めを、あなたは私に分け与えようとしていたのですか？… 他のどんなけがのためであってもその慰めを受け入れていたでしょう。でもこの傷ばかりは…。これにつづいてあなたは軽い良心の呵責に打ち勝つことを私に教え、私は官能の豊かな源を発見したのです…。&lt;br/&gt;　それでも私たちは絶望していました。「じゃあ、こういうことなのね。結局絶対にできっこないのよ！」 こう云って私は溢れる涙を流していました…。でも苦痛は前ほど激しくなくなっていました。しばらくすると、自分の方からあなたのことを次なる努力に誘います。これほどの苦しみのなかに少なくともいくらか甘い感覚が混じっているのを感じていました。これに惹きつけられて私はもっとしっかりした勇気をもつことにします。「いらっしゃい、愛するひと」（猛り狂う官能に狂乱して私は叫びました） 「いらっしゃい…もう一回やってみてよ。必要なら私は死んでもいい。でも合体していましょう…」 するとふたりで協力したからだの動きが、愛に力と精度を司られて、障碍を打ち砕きます…。あなたは快感で死にそうにみえたけれど、私は痛くて死にそうでした。&lt;br/&gt;　お聞きなさい！ 快楽の第一課を決して教えたこともない祝婚歌の作者らが、初めての悦楽の陶酔を熱心に歌います！ 愛なき結婚をしたかわいそうな娘は、自動人形に容赦なく耕され、名誉をかけて残酷な義務を果たしたのに、次の日はばかな両親にからかわれることになるのです！ ああ！もしこういった人々がどんなに痛いのか知っていてくれたら…（ことがちがう風に運ぶ夫婦についても確かにしようのないことです）本当にそれを知っていてくれたら…絶対にこんな悪い冗談、滑稽なほめことばを云ったりはしないでしょうに！ まったくもって、処女性が死んだ日には、処女を失った女に対してはせいぜいお悔やみのことばしか云えないのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十三章　前の章のつづき&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「ああ、死刑執行人さん」（痛みがひいて話すことができるようになるとすぐに、私は死にかけているデーグルモンに云いました）「つまり恋人の誓いはすべてこんなにひどく痛い思いをさせるためだったの？」 彼は燃えるような口づけで私の口をふさぎ、こんなにもつらい仕事をしなければならなかった征服の位置についたままで、私の立場ではまもなく苦しみにつづいて快感がやってくるということを証明しようと試みました。彼のことを一瞬信じました。しかしこの快い幻想は少しの間しかつづきませんでした。それでも私はこのしあわせな体操選手のことを愛しすぎていて、急いで手にしようとしている二度目の冠を奪おうとすることはできませんでした。私は最後まで彼の残酷な武勲を耐えつづけました…。彼に快感を与えられるという甘美な喜びが、自分ではまったく快感を感じなくて大変に苦しんでいることをまったく少しだけれども償ってくれました。まもなく努力が二倍になり、ため息が燃えるようになり、情熱的に噛みつかれて、騎士はふたたび至上の幸福のときを迎えようとしているということが告げられました。炎がほとばしるように溢れ…私を焼き尽くし…でも私には快感のきらめきがほんの少し垣間見られただけでした…。拷問を加える男の力とともに、ようやく拷問は終わりました。哀れな騎士はもう恐れるべきものではなく、無力になったようでした。このとき、前よりも信頼をもって彼に抱きつき、自分の胸に圧しつけて、官能を愛する瀕死の男の最後の啜り泣きまで喜んで受け入れました。もう苦しんだことはすべて忘れられていました。こんなにも大切なひとは自分のものなのだと感じ、女性という不運な性に自然が払わせようとしたおかしな貢物を支払った後では、官能の巨大な領地のなかで好きなように収穫することができると思って、本当に喜んでいました…。私の両手は感嘆して恋人の完璧なからだの上を駆け巡っていました。私に惜しみなく与えてくれたものをすべて心の底からお返ししていたのです…。彼はまもなく気がつきました。とてもやさしい会話がさらにしばらくの時間の間を満たしました。それから眠りがやってきて心地よい眠りにふたりを委ねました。そうしてモルフェウスはウェヌスが置いたしあわせな姿のままで喜んで私たちを眠らせました。&lt;br/&gt;　私が眠っている間、このやさしい女神が、私の奉献の血塗れの儀式の間には拒んでいた喜びを二度与えてくれました。休息が長い間つづかなかった騎士は、私の気持ちを昂らせるのにちょうどいいように軽くくすぐってこの甘美な時間のお膳立てをすることに時間を使いましたが、それでも私の眠りを邪魔することはありませんでした。まもなくこの色っぽいいたずらがうまくいったのに気をよくして、彼は三度目のしあわせを試してみようとしました…。でも彼が試そうとするとすぐに、痛みのため息が私の目覚めを告げ、私は身をかわして、「野蛮」だと云って彼を叱り責めたのです！… でも何ということでしょう！私は彼のことをかわいそうに思っていたのです。彼の欲望は激しすぎるということは疑えませんでした…。彼のため息は心に触れました…。片手の下では彼の心臓が激しく打つのを哀れに感じていましたが、もう一方ではある反抗的な部分が燃えて震えるのを感じていました。「愛するフェリシア」（興味をそそる悲しさをもって彼は云いました）「僕が野蛮だと云って責めないでくれ…。きみは僕以上に野蛮なのだから」 やさしく愛撫して彼を落ち着けようとしました。最初は私のことを怖がらせている計画を防ぐことしか考えていなかった私の手が、まもなくこれは一種の治療薬になることに気づきました…。握られているもののある動きに手がやさしく応じ…心が細やかすぎてお願いできないようなことをこうして自ら喜んで成し遂げました。「ありがとう、私の大事なひと」前よりも落ち着いて、このよいことをした手をきれいにしようと急ぐ騎士が、やさしく動揺しながら云いました「ありがとう、僕の命を救ってくれて」 私にはこんなにも何でもないようなサーヴィスが重要なものとして云われるのを見て、笑わずにはいられませんでした。それでもこれを利用して条件を認めさせることにして、もう一晩中何もしないことに決めさせました。ふたりは眠りました。目を覚ましたとき、デーグルモンはもう隣りにいなかったけれども、このときは挑戦する用意ができていた私の最初のしぐさは、それでも彼の方に腕を差し伸べることだったのです。何という欲望の効果でしょうか！ 何ととりとめがないことでしょう！ 期待が裏切られたことに気づき、このようにして社会通念の言うなりになったことに機嫌が悪くなりました。もし私がこの社会通念を信じていなかったとしたら、もう一度情熱を証明してくれもせずにこのだれよりも甘い男がいなくなることはなかったでしょう。私はおなじみの手段に頼りました。欲望を疲れ果てさせて、もう一度眠りにつきました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十四章　幸運なひとは泊まった家に何も忘れてはいけないと教える章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　十時に来る先生が到着するまで休ませてもらいました。眠っている間に部屋を少し整理してもらって、食事の残りを片づけ、私が寄木張りの床の上に散らかしたままにしておいた服がまとめられていたのに気づきましたが、不安は感じませんでした。シルヴィーナが見ている前で、私はふたつつづけて授業を受けましたが、よく顔つきを観察していなかったのでそこに曇りを見出すことはありませんでした。またふたりだけで昼食をとり、彼女が私に何を用意しているのか私は何も疑いをもちませんでした。でも食器を下げるとすぐに、怒りが爆発しました。顔…目つき…を見ました。「悪がきめ」（私の片手をつかんで、怒って揺り動かしながら彼女は云いました）「さあ、ゆうべ何をしたのか云いなさい」 落雷でもこれほど恐ろしくはなかったでしょう。私は蒼くなりました…もう少しで気分が悪くなるところでした。「ごまかさずに云いなさい。ちゃんと教えてほしいわ。すぐに過ちを白状なさい。さもなければこの憎むべき淫行のことを思っていくらでも泣くことのできる場所に今ここから送り出してやりますからね」 一瞬のうちに私の頭のなかに死よりもひどい不幸を描き出したこの脅しの後では、もうためらうことはありませんでした。私はシルヴィーナの膝に口づけ、涙で濡らしました。「ああ！愛するおばさま」（全身が悲しみで一杯で、ようやくことばが云えるくらいでした）「もし私がどんな過ちを犯したかご存知なのなら、それを白状する恥はご容赦ください」 「破廉恥娘、お前の過ちはどうでもいいのです。私の目にはあまりに明らかなものなのだから。今すぐ告白しなければならないのはけしからぬ共犯者の名前です。お前の破廉恥行為で汚れた、壊れたベッドの頭にかかっているのを私が見つけたこの時計はだれのものですか…。もしかしたら前から疑っているあのベルヴァルの悪党がついに…」 「ベルヴァル先生ですって、おばさん！」（私は悔やんでいたけれど、「ベルヴァル先生のわけがないでしょう」とでも云いたいような憤慨した口調で云いました） 「じゃあだれなのよ」（彼女は苛立ちと怒りで沸き立っていて、私の腕を痛めつけていました） 「それは、おばさん…」 「それは？」 「騎士様です」 「デーグルモンさんなの！」 「ええ、おばさん」 「恥知らず！」 同時に私は突き飛ばされて倒れそうになり、床の上で時計は壊れました。そうして怒ったシルヴィーナは長椅子のなかに倒れ込み、頭を傾げて握りこぶしを両目にあて、数分の間何も口にしないままでいます…。&lt;br/&gt;　私は落ち込んで片隅に立っていて、涙で目を一杯にしていましたが、流れ出させようとすることはできませんでした。何が起こるかと思って震えながら待っていましたが、そのときおばは暗い悩みから抜け出ようとしているようでした。扉が開きました。「デーグルモンの騎士様」の来訪が告げられました。彼はすぐ後にやってきたので、名前が告げられるとすぐに、彼はもう私たちのそばにいました。もし私の目に注意を払ったとしたら、このように危険な状況において彼の存在、特にある種の完全な満足の雰囲気は時宜にかなっていないということを苦もなく読みとったことでしょう。でもおばの奇妙な放心のことしか気にしていなくて、おばの方は席から動かずに、恐ろしい顔色で少しだけ頭を上げると、すぐに元の態度に戻りました。最後には、驚きで一杯になって、彼は私に目を投げかけました。首を振って、壊れた時計に彼の目を向けてやりました。どういうことかわかりました。「何をしているのですか」（突然彼の方を向いてシルヴィーナは云いました）「ここにあるあらゆるものがあなたの存在は邪魔なものであると知らせているのに、帰らないで何をしているのですか。私が信頼しすぎたからといって侮辱しに来たのですか。私が悲しんでいるのを見て楽しむつもりなのですか。お利口さんのお楽しみのお仲間をごらんなさい！ この子がずいぶんお世話になったみたいですね！ ずいぶんこの子のことをしあわせにしておやりになったのではないかしら！」 デーグルモンはあまりに社交界の人間なので、こうなじられても不誠実なしかたで答えることはできず、そもそも同様に償うのがむずかしいような過ちを犯したことを自覚していたのです。ひとつはへまをして私たちの愛をばらしたこと。もうひとつはさらにもっと重大なことで、私に対しては恨みが全部降りかかってくることがないことがよくわかっている女性のことをたぶん永遠に怒らせてしまったということ。そこで彼女が叱責を発露するのをそのままにし、悔いているひと、後悔するひとをできるかぎりうまく演じていました…。それでも、叱りながらも、もう既に怒りを表していない目で…見つめられているのがわかって、彼が徐々に安心を取り戻していっているのに私は気づきました。この日の彼はいつもの自分を越えていました。すばらしい趣味の高価な服、みごとな髪形、この上なく手間のかかった飾りつけが、その美しい顔にさらに千もの優美さをつけくわえていました…。彼は器用にうまい機会を選び、恐ろしいシルヴィーナの前にひざまずくと、罪深いのは自分だけだと白状しました。洋服だんすのことを委細にわたって物語りました。でもまったく思ってもいなかったときに閉じ込められることがなかったら、私たちがいない間に自分の本当の欲望によりよくかなったところに行っただろうとわからせるようなしかたで話しました。もし私が何か身につけるものの必要を感じなかったら、閉じ込められたまま気を失って死んでいただろうとつけくわえました。私に命を救われたこと、感謝の気持ちに目がくらんで、私が心を許したのをある目的のために悪用したこと…この目的のことを私はまったく知らず、もはや身を守ることができなくて、助けを呼ぶこともできなくなったときになるまで、それを私は疑ってもいなかったということ。こういうわけで、私の身に起きたことを誇りと思えるのは、ただおばのためでしかなかったのです。この正当化、弁士のまれなほどの美しさ、自分でだまされたいという欲望が、気づかれないうちに彼女の怒りを和らげてゆきました。口づけで覆われている片手を罪人の手から引き抜くのを彼女は忘れていました。まったくの真実の風で語るいたずらなふたつの目の云うことを彼女は聞いていました。「あなただけが過ちの理由なのに、どうしてこんなに私のことを悪く思うのですか。僕が不意を襲おうとしていたのはあなたなのです。そうできなかったことだけで私はもう不幸のきわみなのです」&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-7701482926144092904?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/7701482926144092904/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=7701482926144092904' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7701482926144092904'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7701482926144092904'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/10/7.html' title='フェリシア　第一部　7'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-7812058692553818485</id><published>2008-10-20T11:33:00.001+09:00</published><updated>2008-10-20T11:33:54.658+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第一部　6</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第十七章　愛の気紛れ&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　司祭は邪魔者の音が聞こえてとても強く眉をしかめましたが、ひとが姿を現すのがみえた頃には気持ちをみごとに抑えることができました。「おやおや！いったいどうしたわけで甥っ子がこのご婦人がたといっしょにいるのかな」と、シルヴィーナとドルヴィル夫人（このときはあまり目にすることがなかった新しい友人）に伴われた魅力的な男性に彼は云いました。若者は特にドルヴィル夫人のことをよく知っていたのだが、何とも幸運なことにちょうどこの日シルヴィーナと知り合いになり、散歩の後で夕食をごちそうになることになったのだと答えました。親切な司教は、礼儀作法にかなったしかたで、まるで自分はこの家の人間ではないかのように、同席する許可を求めました。彼は一晩中何とも陽気で、とてもおもしろい話をしてくれたので、ドルヴィル夫人とシルヴィーナは涙を流して笑いました。若者と私の方はまじめで、ぼんやりと見つめ合っていました…。何を云ったらいいのかもわからないままに探り合っていました…。テーブルの向かい合った位置にいて、ふたりはほとんど何も食べませんでした。下の方で足が私の足と会話しようとしているのを感じました。私はこの挑発的な足の持ち主の顔にほほえみかけました。この顔は情熱的な表情で私のことを見つめていて、私は昂奮してしまいました…。ああ！猊下、二時間前にはあなたのことがいちばん美しい人間にみえていたのに、素敵な甥っ子が現れてから何とあなたは変わってしまったことでしょう！&lt;br/&gt;　完璧な顔つきをした、高貴な容貌の、活潑でやさしい目をした十九歳の美青年のことを思い描いてください。その顔色はいちばんきれいな女にもふさわしいものだったでしょう。美の女神によって描かれた額を想像してください。それが唯一無二の髪でみごとにかたどられているのです。この上なく美しい濃い栗色の髪です。背は高く、すらりとして、優美さに満ち、それを近衛部隊の制服が輝かせていました。脚！足！ でもこういったことを並べても猊下のまれなる甥、比ぶものもないデーグルモン騎士についての不完全な観念をしか与えることができません。デーグルモンという名前でした。何という目でしょう！ 何という歯でしょう！ 何というほほえみでしょう！ どんな小さなしぐさにもどれほどの魅力があることでしょう！ それに、ペンにも絵筆にも表現できない、まったく精神的な美しさをどれほど多くもっていることでしょう！&lt;br/&gt;　この唯一無二の人間はこのとき幸運なドルヴィルのもので、彼女は若いけれども、美人で、流行に乗っていて、いろいろな意味において直接愛されるべき女性でしたが、浮気な愛人をつかまえておくためにはばかなことをしないではいられませんでした。この男が彼女のもとにとどまってやっているのは、ただ一万エキュ以上の借金を払ってもらったためだけのことで、この浪費癖のある男にうんざりした家族が援助を届けるのを待っている間に、彼女はどんな気紛れでもかなえてやっていたのです。それでも彼女は気遣いも、洞察力も、処世術も欠いていたわけではありませんでした。燃え上がりやすいデーグルモンが既に私の若々しい魅力を思って燃えているのに一目で気づきました。彼が私の気に入っていて、情熱的な流し目を絶えず送っているシルヴィーナも同じように誘惑したいと思っているのがわかっていました。こういったことに自尊心を刺激されて、ドルヴィル夫人はすぐさま猊下で手を打って仕返しすることにしました。騎士は愛人に何の注意も払わず、シルヴィーナも猊下に対して同じようにしていて、ドルヴィルは司教を挑発するのに好都合な状況にありました。この男にとっては、新鮮さが全権をもっているので、言い寄られると心をはやらせて熱心に応え、飛びかかることはしないが、それにもかかわらずまもなくしあわせになれると期待させるようなしかたで相手がふるまっているからこそ、さらに激しく燃えていました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十九章　実際には起らなかったことが読める章　夢&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　もし幸運なことに世のなかの人間はもう体験することのないような頭の昂奮に、私たちうちのだれかがとらわれがちだったとしたら、あまり平凡なものとは云えないこの状況はどれほどの大事件に発展したことでしょうか！ お互いに衝突し合うこれほどの情熱の衝撃によって、どれほどの復讐、裏切り、不幸が惹き起こされたことでしょうか！ 恩知らずの男に対して腹を立てた裏切られた女は、当然この男に手厳しい非難を浴びせつけることができたのではないでしょうか。剣や毒を用いて復讐し、もしかしたら最後には刺し合うことになるのではないでしょうか。司教は自分の善意にもとらえておくことのできなかった不実な女、敬意を欠く向こう見ずの甥、いくつかの特別な出来事の後では自分のものであるはずの女の子に侮辱されました。その不品行を口実にして、女に辱めを与えたり閉じ込めたりすることができたのではないでしょうか。特に彼の地位にあるひとにはよくあることだけれども、さまざまな手段を用いて女の子を自分のものにすることができたのではないでしょうか。私の方が好かれていることに怒って、おばは私のことを追い出すことができたのではないでしょうか。最悪の状況のなかでは、私のことを哀れに思わなければならない猊下に助けを求めなければならなくなるという酷な窮余の策しか私にはなくなることになったのではないでしょうか。最後にデーグルモンは、私のことを失って、おじに対しては憤慨し、シルヴィーナにはとりつかれて、あるいは牢に入れられて、最悪の常軌を逸したことをすることになったのではないでしょうか。幸運なことにこういったことはまったく起こりませんでした。猊下は手に入れたばかりの女と別れる前に、次の日に何をあてにできるかを知っていました。シルヴィーナは（騎士が何やら知らない用事を買って出ていたのですが）、忘れないでほしい、つまりすぐに家に帰ってくる機会があることをむだにしないでほしいと猊下に云いました。このあしらいは大変私にとって都合がいいものでした。帰ってきたときに愛すべき騎士が私と話すか、やさしいことばを書いた手紙を私にそっと渡す機会をみつけることを私は疑っていませんでした。何があろうと、彼のためにことを簡単にし、自分にできるかぎりは、退屈な手続きを省略しようと心を決めていました。&lt;br/&gt;　この夜夢を見ました。美しい庭のなかに、花で飾られた蜂の巣があり、その周りで大変に変わった蜂の群れがぶんぶん云っていました。蜂は、猊下が演説の間に私の目を楽しませ、それをもっと重要なことのために使おうとする前に私の手に触わらせてくれた物体とまったく同じ形をしていました…。この小さな虫の変なつくりに私は見とれていましたが、気づかないうちにこれがもとのモデルの大きさになり、次々に巣の狭い入口に向けて進み、中に入ろうとして長い間むだな努力をしました。そのうちに紫色の翅の一匹の蜂が忍びこもうとし、そのとき青と赤みがかった銀色の翅のもう一匹の蜂が、一匹目が少しばかり身をもちあげたときを利用して、下の方から入りこみ、蜂の巣を突き倒すと、辺りをしばらくの間飛びまわり、突然そこから離れてはやる群へと向かうと、呑み込まれてしまいました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十章　ハンサムな騎士がさらにすばらしくみえる章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　かわいらしいデーグルモンの時間の正確さはシルヴィーナと私の期待を越えていました。次の日正午すぐに私たちの家に姿を現しました。シルヴィーナはまだベッドにいました。私は自分の部屋でクラヴサンの授業を受けていました。&lt;br/&gt;　既に技術に長けていて、私は十分に親しんでいるむずかしいソナタを弾いていました。でも騎士がそこにいたのでとても混乱してしまいました。この作品が要求する注意力をあまりに失ってしまったので、私は手がもつれてしまい、先生の機嫌をとても悪くしてしまいました。でも音楽のすぐれた愛好家だと知っているらしい男の前で、生徒の才能のおかげで自分のことを引き立たせることはいやではなかったのだと思います。先生はヴァイオリンのパートを弾いていました。「先生、ヴァイオリンを渡してください」愛すべき騎士は云いました「私が伴奏しましょう。先生はお嬢さんがやり直す手助けをしてあげてください」 彼が手にするとすぐに、先生の指のもとでは少しきしみをあげていたのに、ヴァイオリンは甘美な音を流しはじめました。清らかなメロディーが感じやすい器官のうちに惹き起すこの甘い戦慄が突然生まれて私の器官をとらえ、私の全身を音楽へと引き戻しました。私たちは最初からソナタをやり直しました。私はこんなに上手に弾いたことがありませんでした。デーグルモンは正確に、実にこのジャンルにふさわしい表現で、完全に模倣して伴奏したので、私は我を忘れてしまいました。もし私が前から狂おしいほどに愛していなかったとしても、彼はこのとき私を愛で貫いたことでしょう。私の演奏は彼に同じ影響を及ぼしました。ときどきため息をつくのが聞こえました。魂の乱れがその演奏にさらに美しさを加え、顔はさらに優美さを増しました。&lt;br/&gt;　騎士の到着を知らされたシルヴィーナがまもなくやってきて、欲望を刺激するために媚態がつくりだしたこの愛らしい混沌のさなかにいる私たちを見つけることになりました。シニョンからはぐれた美しい金髪が真っ白な首にかかっていました。うまく閉じられていないベッドガウンは胸の四分の三を見せていましたが、十六歳のときでもこれ以上に美しい胸はしていなかったことでしょう。肉づきのよい白い腕には手袋をしていませんでした。短くて狭い簡単なスカートが、だれよりもそそるようなプロポーションのお尻…太腿…をなで、この上なくスタイルのいい脚を輝かせていました。このときふたりの共通の欲望の対象を争って、少しでも先どりするためには、私と同じくらいきれいにならなければなりませんでした。デーグルモンは彼女にふさわしい讃辞を浴びせました。でもほめことばの合間はすべて私に向けられていました。彼のうちにしか見たことのない目が、世界一やさしいことばを私に云っていました。「素敵なフェリシアさん、私の敬意はすべてあなたに向けられているのです。おばさんとは機転を利かせた練習をしているのです。でも私の心はあなただけのものです」&lt;br/&gt;　騎士の用事はすみました。報告がすむと、この初めての云いつけにどれほど満足しているかを示すために忘れずにまた次の用事を云いつけました。音楽の才能について千もの心遣いに満ちたほめことばを浴びせました。私たちは王国中でもっとも巧みな愛好家のひとりと知り合うという幸運に浴したのだと先生は保証していました。自由にできる時間はすべて私たちのために使ってほしいと新しい友達にお願いするのにそれ以上の理由は必要ありませんでした。おばは私たちの音楽を聞くのにまったく飽きることがありませんでした。私たちの方は合奏して、まもなくふたりの奏でる和音と同じようにうまく混ざり合おうとして燃えているふたりの魂の演奏のイメージを、演奏の間の完全な了解のうちに与え合っていました。&lt;br/&gt;　デーグルモンは残って夕食をしてゆくように言われました。私だけでなくおばも自分のことが好みであるということに彼はちゃんと気づいていました。そういうわけで、媚態によってか、そつのなさによってか、食事中にはおばの方が好きであるかのようなふりをしていました。ときどきちらりと見て、彼が私のライヴァルに云っているほめことばにはだますことしか目的がないということを私に保証していなかったら、これをどのように考えたらよいかわからなかったかもしれません。それに、私のポケットのなかにはもう何か手紙が入っていました。手紙を開くとそこに書いてあってほしいと思うことがすべて、この大切な書きものを手にもっていることで前もって約束されていました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第二十一章　取り決め　障碍　動揺&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　ようやく食卓を離れました。私は部屋に走って行って鍵をかけました。そこで、心臓をときめかせ、顔をほてらせて、ふるえる手で大切な手紙の封を切りました…。そこには愛が口にできるいちばん情熱的なことがすべて六行で書いてありました。欠けていたのは永遠の熱情の誓いだけで、幸運なことに、生まれて初めて愛のことばのなかに私はそれを見つけることがなかったのです。これは私が恋人に対して抱いていたよい意見のきわみとなるものでした。すぐにこういうことばを書きつけました。「こんな素敵な手紙に何と答えたものでしょう！ 私の目はもう百度も繰り返して返事をしてしまったのです。ええ、騎士様、心をときめかせてあなたの贈りものを受け入れます。思うに私はまったくあなたのものだと証明するのに早すぎるということはありません」 おばが気づかないうちにこの手紙は渡されました。ほぼすぐに、彼女が小部屋に行っている間に、家の外に出るのをやめて、私の部屋にあるのに気づいていた洋服だんすのなかに忍び込んでもいいという許可を与えてほしいと私に頼む時間が騎士にはありました。私がそのすぐ後にやってきて彼を閉じ込めることになりました。もう私には何もこのひとには断ることができなかったのです。魔法にかけられていたのです。&lt;br/&gt;　それでも突然シルヴィーナが新しいお芝居がどういうものか見に行きたいという気持ちになり、私たちのかわいらしい計画はおじゃんになりそうでした。しかし頭のいいデーグルモンは口実をつくって私たちに着いてこなくてもいいことにしたのです。まったくぞんざいな服装は言いわけになりませんでした。シルヴィーナ自身が着飾っていなくて、柵付き桟敷席にしか行かないつもりだったからです。でも彼はそこでどうしても反故にできない約束を思いつき、すぐに少し身づくろいをしに行かなければならないことにしました。小間使いがシルヴィーナにミニドレスを着せる時間を利用してその場を抜け出し、苦もなく私の部屋に忍び込み、まったく居心地が悪いというわけでもないたんすのなかに入りました。私は着いてゆきました。それでもこういう風に閉じ込めるのはいやだったのです。空気が足りなくなって窒息するのではないかと思っていました。でも私の気後れした考え方を共にするには、彼は愛しすぎていたのです。彼は欲望によって私を安心させるための千ものことばを思いつきました。私が今までに一度もされたこともなければしたこともないいくつかの口づけが、この夜に準備している喜びの幸福な序曲になりました…。私は彼を閉じ込めました。&lt;br/&gt;　劇は永遠につづくようで、私は心の底から呪いました。お芝居が成功して怒っていました。桟敷席の外に出ると、シルヴィーナの趣味によく合った人々といっしょに、家に食事に来るように急かせる女友だちが現れるという不幸を私が待っていました。この間の悪いパーティー女のことを私は喜んで殴り倒したことでしょう。それでもこの女に着いてゆきました。真夜中にさらなる不幸が訪れました。ゲイムをすることになったのです。おばはトランプ遊びに呼ばれました。でも私は以前に責められていた暗い憂鬱と夕食のときの悪い顔色をいい方に使い、とても頭が痛いと訴えたので、善良なシルヴィーナにはもうゲイムができなくなり、私を家に連れ帰ることにしました。&lt;br/&gt;　帰る途中に、頭痛が弱くなりはじめるとすぐに、夜のうちに食べるものを前もって頼んでおきます。鶏肉、ワイン、果物を部屋にもってきてもらいます。夜向けに髪を直してもらい、四分で小間使いは厄介払いできます。ようやくひとりになりました。かんぬきを開け、洋服だんすへと飛んでゆきます…。でも何ということでしょう！ 騎士は気を失っていたのです！真っ蒼なので一瞬死んでしまったのではないかと思って怖かったわ！… 胸が締めつけられます。二筋の激流が目から流れます。この大切な恋人を胸に圧しつけます。彼の顔に私の燃える顔と涙をもってゆきます…。ようやく気がついて、何度も苦しい呼吸を繰り返します。美しい目がかすかに力なく開きます…。私だとまだわからないみたいです…。「ここはどこだ！（死にそうな声で言います）…。あなたなのですか！（情熱的につけくわえます）あなたですか！」 今度は彼が私を腕に抱き、熱い口づけで私を覆います。うっとりするような、ことばでは云えない恍惚のなかで、ふたりは一瞬の間ぼうっとしています。騎士は遂に墓から出てきます。空気、少しの休息、特に私の愛の情熱的な証言が完全に生気を取り戻させました。大きな恐怖をもってそこに見たばかりの死にゆく百合の代わりに、美しい薔薇がようやく顔に戻ってきました。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-7812058692553818485?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/7812058692553818485/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=7812058692553818485' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' 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xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第十四章　おもしろい出来事&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　猛暑の焼けつくような夜の間、恐ろしい嵐があって雷鳴がとどろき雹が降りました。目が閉じられなくて、暑くて毛布を投げ捨ててしまい、汗でびしょびしょのシャツを脱ぎました。夜が明けるころには天気は落ち着きました。このとき私はひどかった一夜の償いをしようと思いました。自分に喜びを与える技術が上手になっていたので、多くの世を捨てた女の退屈を紛らし、寡婦を慰め、貞淑ぶった女、醜い女などなどの気を休めるおいしいお仕事を何度も繰り返しました。ようやく正気を取り戻した頃に、ベッドの足の方に面する扉が静かに開くのが聞こえました。私はこのときあまりに変な格好をしていたので、いくらか疑いをもたせることなく向きを変えることができませんでした。そこで頭を使って狸寝入りをすることにし、いったいだれがこんなに朝早く部屋に入ってきたのかが見られるように薄く目を開けていました。シルヴィーノそのひとでした。私は美の三女神がパリスの目にさらされたときのような姿でした。あおむけになって、左腕に頭を乗せ、ひっくり返った手が半分顔を覆っていました。脚は、片方はほとんど伸ばしていて、もう片方は離していて、膝を少し曲げ、私の魅力のいちばん深く秘められたところをあらわにしていました。そしてそこをあんなに上手にお祝いしてくれたばかりの手が、太腿の隣りに力なく横たわっていました…。快楽を愛する画家は心を奪うものだと思ったにちがいないこの姿を扉のところでしばらく眺めた後で、大変に注意しながらシルヴィーノがベッドのところまでやってくるので、眠っているのを疑われたくないから、今度私は目を完全に閉じなければならなくなります。彼は近くにやってきます。「何という美少女なんだ」と彼は云い、同時に生えはじめた和毛らしきものが口づけされるのを私は感じます。こんな変わった愛撫のことは期待していませんでした。戦慄を覚え、考えるよりも素早くからだが動いて私は姿勢を変えました。シルヴィーノは私に話しかけなければならなくなりました。&lt;br/&gt;　「僕のフェリシア」（少しどぎまぎして云いました）「休んでいるところを邪魔してごめんよ。でもこの恐ろしい嵐の後でどうしているか、気分が悪くなっていないかと思ってきたのだ。それからベッドが乱れていて何か病気にかかってはいけないから、近くに来なければならないと思ったんだ…。何かかけないと」 実際シーツを私に投げかけて、まったくおかしいほどに不器用に整えました。両手が上手に触わってきました。私は気づいたふりを大げさにしました。善意に満ちた熱意によって彼は自分で私にシャツを着せました。この親切さによってさらに見事にいくつか掠めとり、私はそれがまったくいやではありませんでした。彼の目のなかにある種の炎が輝いていました…。ああ、私の心を見抜いてくれたのだとしたら！… でもやっとひとつ口づけをしてくれただけでしたが、それでもおじとしては少しばかり自由に過ぎるものでした。私は口づけを返しましたが、少し姪らしすぎるものだったように思います…。彼は立ち去ろうとしました…。ためらいました…。私は期待してしまいました…。彼は本当に行ってしまいました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十五章　女性は喜んで同意しないだろうことを白状している章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;多くの女性に利用することをお勧めするシルヴィーノの特別な演説&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　読者のみなさんは私のことを非難していることでしょう。たぶん私はそれだけのことをしました。でも愛慾と好奇心が女の名誉とやらにとって実に危険な敵であることを知らない方はいらっしゃいますか？ このふたつのせいで、だれよりも賢い女がときには錯乱し、まったく女にもてないような男の腕のなかにさえ身を投げることになるのではありませんか？&lt;br/&gt;　こういった類の驚くべき話がどれほど知られていることでしょうか！ 知られていないものはどれほどあることでしょうか！ 私はといえば、賢さを自慢することはありませんでした。自然にまったく身を任せ、自然の秘密を徹底的に知りたい私は、シルヴィーノに口説かれたら抵抗できなかったでしょう。反対にまったく口説こうとしてこなかったら残念だったでしょう。でも自分の運命を支配することはできません。私の処女を厄介払いすることになるのはこのひとではありませんでした。&lt;br/&gt;　私たちふたりの出来事の数日後、シルヴィーノは芸術の熱心な愛好家で親友である英国人の領主の切願に屈しました。芸術家の好奇心の対象があるだろうと思われるヨーロッパの国々を二、三年かけて回る旅をいっしょにはじめようと頼みこまれていたのです。&lt;br/&gt;　シルヴィーナは大変に悲しんでいるようでした。夫はできるかぎりのことをして慰めて、彼女のことを知り合いに託しました。私の方は、ある日彼とふたりだけで話すことになりました。これがだいたい彼が私にした演説です。「フェリシアよ、お別れだけれども、僕がいなくともそれが害になると恐れてはいないよ。貧困の恐れはなく、美しい顔で、知性と才能があるきみは、もう幸福の道を歩んでいるのがわかる。それを維持するのはきみの役目だ。きみは男にちやほやされることになるだろう。愛すべき男はたくさんいる。でもできるだけだれに対しても情熱をもたないようにしなさい。完全な愛というものは幻想だ。長き時間にわたるものとしては、友情しか現実のものはなく、一瞬の間現実のものが欲望だ。愛は同じ対象に対して心のなかでこのふたつがいっしょになったものだ。でもこのふたつは決して結びつけられようと思ってはいない。欲望は普通移り気なもので、対象が変わらないときには消えてしまう。欲望を維持したり、また火をつけようとしたりすると、友情はそのために苦しむばかりだ。欲望はいちばん熟したときに摘まなければならない果物のようなものだ。一度木から落ちたら、もうもとに戻すことはできない。激しい感情は感じないようにしなさい。これは必ず不幸にするものです。適度な贅沢、芸術、お互いに自由に満足させることができる趣味嗜好が生む穏やかな快楽の輪のなかでのんびり生きなさい。僕の気配りによって極端な性格が今や快楽の方へと向くようになったシルヴィーナが、きみの邪魔をすることはないだろう。既に彼女と同等になったきみは、まもなく若さの強み、才能、知性によって彼女の上に立つことになるだろう。彼女に対してはよいふるまいをするように心がけなさい。僕と同じように、彼女に対して負っている大きな感謝の気持ちを決して忘れてはいけない。でも忘恩はきみの心の知らない悪徳だと僕は信じているから、僕には何も云うことがない。まちがった選択をしないようにしなさい。快楽よりも苦痛の方が多いようなところには行かないようにしなさい。嫌悪感を避けるようにしなさい。色恋においては、不幸になったり退屈したりしないためには、だまされたりひとをだましたりしなければならないのだから、美しい幻想はあまり抱かないようにしなさい。屈辱を感じさせるようなものには決して深入りせず、きみの変わり身の噂をされたら不幸をみちびきかねないようなひとの目には上手に体面をつくろいなさい。女にはみんな早いうちに話しておいた方がいいようなしかたで僕はきみに話しているのだ。多くの女はこういった原則を濫用するようにはできていないのかもしれない。女は愛し愛されるためだけに生まれてきたように思える。しかしだれも女のものである真実を女には云わないのだ。自分に対する苦しい闘いをすることが女には要求されている。男に対する滑稽な抵抗のことだ。こうして先送りしている間に、美しい日々は去り、薔薇はしおれてしまう。こういうわけで、色恋にふさわしい時期には貞女気どりで、もう魅力がなくなってから色恋に目覚め、残された人生の間は後悔に焼き尽くされて、大部分の女は本当の意味では生きなかったことになる。一言で云うと、きみに必要なのは愛、快楽だ。気をつかって変化を与えるようにしなさい。でもその幻想のせいで、きみが美しい時間の間に、不毛な時間のための資源を蓄えることを忘れることがないようにしなさい。この助言を忘れないようにしなさい。この助言に従うのは簡単なことで、もしきみがこれをきみの行いの土台とするとしたら、きみはこの時代で最もしあわせな女のひとりになると僕は予言するよ」&lt;br/&gt;　「よくわかったかい？」 「とてもよくわかったわ、おじさん」どんなにその教えを評価しているかをやさしい愛撫によって示しながら私は云いました。「おじさんの考え方と」私はつけくわえました「私の生れつきの考え方の間にこんなに似ているところがあることがわかってとてもうれしいわ！…」 彼は私のことばを切って、もし年が釣り合っていて、私との関係に対する深い偏見がなかったら、私が愛の快楽の&lt;b&gt;最初のレッスン&lt;/b&gt;をする最初の相手になる名誉を手に入れようとして懸命になっただろうと云いました。「でも」彼はつけくわえた「権威と従属の間の契約は疑わしいものだ。そこから出発しないとしても、きみがぼくのために努力するという善意はほぼ利用しないだろう。きみの春の最初のつぼみは愛のおかげなのだ」 私はこう答えそうになりました。「それは評価、感謝、そしておじさんのおかげなの」 でもシルヴィーノはまじめな役割の外に出ることをしませんでした。そしてそれを私にも要求していたのです…。私は何も云いませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十六章　もっとならうひとがいてもよい好例　流行好きの高位聖職者の素描&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　妻のおかげでお金持ちになったのに、妻から奪うことで苦しませても赤くもならない夫。自分が貧しいときにやってきたこの家で妻に貧困を発見させるような、貧しさとおさらばするのに値しないような夫。公平で心遣いに満ちたシルヴィーノから、妻にすべてのおかげをこうむっている場合には、紳士はいかにふるまうものかを学びなさい。&lt;br/&gt;　シルヴィーノは妻との別れのときに、あらゆる権威を放棄して、妻を金銭問題の管理人として全権を託したばかりでなく、旅の不都合を償うために旅仲間が前払いした千ルイも贈りました。この英国人の気前のよさと芸術家の無私の無欲に驚くひとは、おそらく私の読者のなかにはほんの少ししかいないでしょう。&lt;br/&gt;　私たちは裕福な生活をしていました。ふたりの好事家は資金をたんまりもって出かけました。こうして私たちは別離のときに全員ほぼ満足でした。&lt;br/&gt;　おばのいちばんの才能は家をうまく切り盛りすることでした。とは云っても、私たちの家では慎ましやかな支出をしていたけれど、シルヴィーナがいろいろと考えて数人の愛人をひいきにすることにして、その富と気前のよさを助けとすることに決めなかったとしたら、最初のうちのような暮らし方ではすぐに破産していたことでしょう。&lt;br/&gt;　シルヴィーナにとっては三箇月の間の過剰なばか騒ぎであった、太ったアメリカ人の浪費癖によっては、まだ私たちが落ちぶれる心配はありませんでしたが、そのとき私たちの高速戦車が突然司教区では小作人に知られていなかった某猊下をつかまえました。でもこの方はパリ中のかわいい女には知られていて、特にそのなかの幾人かによく知られていました。愛らしい司教さん！これは教会に身を捧げたい世俗の女に都合のいいものです。それにひきかえになるもののことを考えたら、身を捧げないものがあるものでしょうか。でもベアタンのようなひともいるじゃないの！ 地方から出て、特にそれがかなりがさつな地方の場合はそこから出て、ベアタンのようなひとに頭をおかしくされるような、悲しくも愚かなことをしなければならないのです！&lt;br/&gt;　猊下は魅力的な顔の、節度のない伊達男で、活潑で、士官だったときと同じくらいに生き生きとしていて、いつも陽気で、満足していて、快活で知性がほとばしるようでした。本当の年よりも十歳若くみえました。実際、あらゆるものの愛好家でした。詩、文学、観劇、芸術、科学、才能、快楽、流行、ばか騒ぎ、すべてが彼の守備範囲内でした。シルヴィーノのいくつかの作品の評判のおかげで彼と知り合うことができたのです。彼はシルヴィーノの絵を買ってくれました。画家の妻に彼は心を惹かれました。年若い姪は既に首都でももっともうまく歌う喉の甘美な響きで彼を魅了しました。まもなく彼は私たちと切り離せない存在になりました。&lt;br/&gt;　釘は一本あればいいと云います。こういうわけでお友だちのランベールさんは猊下に取って代わられましたが、それでもランベールはもめごとを起こさないような良識をもっていたのです。自分の時代が終わると、紳士的に自分の場所に戻ることを知っていました。前よりも存在がまれになっても、ぞんざいになることはありませんでした。前よりも控えめになっても冷たくなることはなく、今回の回心はまじめなものだったシルヴィーナのことも、慎重さを欠いた行動にはきっと嫉妬を起こしていたにちがいない猊下のこともいやな気持にしませんでした。そもそもおもしろいひとで決して重荷になることのないランベールは私たちのお楽しみの大部分に参加していました。それに彼がときどき猊下の後におこぼれにあずかっていなかったかどうかだれにわかるでしょうか。&lt;br/&gt;　魅力的なシルヴィーナに対してとても激しくお金のかかる思いを一季節の間保った後、それまで猊下は私に対してまったく注意していなかったのに、突然何かに気づいたようでした。木の隣りで育っていて、それまでは教養だけが彼の喜びをなしていたかわいい子供にもっと前から注意していなかったことを悔やんでいるようでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十七章　閣下の善意　不意の出来事&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「正直に云うと、フェリシアちゃん」私がひとりのときに司教は云った「きみの場所はもうここにはないんだよ。今や美人のおばさんがきみの邪魔をしている。でもきみはお転婆だから、そのうちきみの方がおばさんの邪魔になる。ここはひとつ私が割って入らなければならない。ふたりを引き離してやろう。私は信用のある人間だ。私がよいことと思って助言することはすべてしてもらえるだろう。この土地から引き離してあげよう。どう思う？ そろそろ私は数箇月の間自分の教区へと追放されることになっている。都市には快楽の材料が欠けているように私には思えるよ。でも興業があり、まあまあのコンサートもある。私に感謝を示すために、第一の歌手になってくれないかな？ きみの才能と、それだけでも世間では才能に値するこのかわいい顔つきにふさわしい給金はもらえないだろう。でも私がその埋め合わせをつけてやろう。この&lt;b&gt;シベリア&lt;/b&gt;で、それなりの裕福さと、パリでのお楽しみと同等のものを見つけさせてあげるよ…。ほほえんでいるね！ それは私の善意を意地悪く解釈しているのかな？ きみからどんな種類の感謝を望んでいるのかを疑っているのかな？ 安心して話しなさい、美人のフェリシア。きみはもう子供ではないんだ…。しっかりした友人によいあしらいをすることを妨げるようなものは何もないと思うよ…。この友人はきみに気持ちのよいこと…きみ自身が楽しめる間以上はつづかないようなものだけをお願いしているんだ。わかってもらえるかな？ 司教の祭服はおしつけがましいだろうか。きみはこれが怖いと思ったりするのだろうか…。この服の下は男なのだよ…オペラ座のハンサムなダンサーのいちばんおしゃれな服とまったく同じように…。もし…男がどんなものか…きみが知っていたら…世俗の人間と私たちの間には…何のちがいもないことを…教えてあげられるのに…」&lt;br/&gt;　私の未経験からすると少し強烈なものだったこの演説は、それが元気で大胆なしぐさをともなっていたからこそ、私の居心地をさらに悪くしました…。はっきりと抵抗を示した方が慎み深いのだということはぼんやりわかっていました…。でも私にとっては自然なものではない役を下手に演じることになるのではないかと強く恐れて、手を払ったり、膝が私の膝に割って入ろうとするのを邪魔したりはしないで、ふざけながら聖人の指にやさしいしっぺをするだけでした…。でも何よりも若々しくて手つかずの美にたどりつこうとしているのに、しっぺごときに尻込みするひとがいるものでしょうか。我が暴漢はおふざけをちゃんと理解しました。私が感じさせているかもしれない小さな痛みに怒ることなく、大変陽気にそれをつづけ、自分で楽しめるようなところに次々と位置を変えました。まもなく彼は私の小さなからだをまったく自由にしてしまったので、今度はおばが帰ってきたらすぐに言いつけると私は云って、それは笑いながらだったけれども、脅かさなければならないと思ってそう云ったのです。「ははは、おばさんはすばらしいひとだよ」と彼は云って、大笑いしました…。それから彼がとても無遠慮なキスをしてくると、私も口を半開きにして笑いました。&lt;br/&gt;　この出来事の間よりも、それを話すときに正直な気持ちでなくならなければならないものでしょうか。同じような状況にベルヴァルが感じさせてくれたものを閣下は最高に激しく感じさせてくれたのだと無邪気に白状しましょう。しかも今回はさらにずっと深入りしたのです。私は少し正気を失っていて、うまいことに私は本能的に安楽椅子の上でまったくそれに都合のいい姿勢をとっていたので、猊下はそれを利用しました。既に何かとても硬いものが私に少し痛みを感じさせていました…。しかし突然次の間で音が聞こえて、我が征服者は手を放さなければなりませんでした。ようやく居住まいを直す時間がありました…。これはひとと帰ってきたシルヴィーナそのひと以外の何ものでもなくて、少しでも目にみえているものに注意すれば、猊下と私がこれほど激しく動揺しているのは何もしていなかったからではなかったということが実に簡単にわかったことでしょう。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-4810055113266583568?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/4810055113266583568/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=4810055113266583568' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/4810055113266583568'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/4810055113266583568'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/10/5.html' title='フェリシア　第一部　5'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image 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align='center'&gt;第十一章　陰謀&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　「いいことを考えた」（シルヴィーノは云った）「絶対にベアタンのしっぽをつかんでやるぞ。これを聞いてくれ。もし妻が私は怒っているという手紙を書いたらどうだろう。恥ずべきことをしたために私は妻に夫としてしかるべき対処をしたと書いたらどうだろうか。『このがさつなランベール、聖なる宗教の使いに対する敬意をもたないこの悪党のことしか自分のことを巻き込んだと疑うことができません。それでも先生はあまりにもろいのではないでしょうか。起きたことのすべての直接の原因は先生ではありませんか。そのために先生のことを恨みに思う理由があります。それでも先生のことはまったく忘れていません。もう先生に会わずに生きてゆくことができません。平手打ちを喰らわせた男の側からまた何かされるのではないかと思って怖いのです。今の極端な困惑のなかで、助けを求められるのは慎み深く慰めを与えてくださるベアタン先生しかいません。いっしょに話し合ってこんなに困った状況のなかでどういう決心をしたらよいか決めるためにどこかでこっそりお会いできませんか？…』 もし妻がだよ、こんなことを神学者に書いたとしたら、この男は罠にかかりに突進してくると思うんだ。自分の悔悛者がだまくらかされたのに喜んで、自分から会見を求めてくるからには、こんなにも危急な必要を感じているらしい助言に対して妻が愛の証で支払いをしないで済ませることはできないと思うだろう」このアイディアはみんなに喝采されました。「きみは最後まで僕らのことを助けてくれなければならないね」(シルヴィーノはつけくわえた)「醜悪なベアタンにしかえしをすることにいちばん関心があるのはきみなんだ。しっぽをつかんだら…残りのことは僕らがするよ」 「あなたたちにお渡しします」彼女は答えた「唾棄すべき偽善者には永遠に滅んでほしいものです。少しだけ信用してしまったけれども、もう二度とまちがいを犯しません。私は何と不幸だったことでしょう！ でもこれは私の過ちだったのです。まったく無垢な快楽まで否定するような暴君の存在をどうしてここで必要としなければならなかったのでしょうか！ 本当に何という化けものを選んでしまったことでしょう！」 「もうそんなことは考えないようにしなさい」（口づけをしてやさしいシルヴィーノは云いました）「この経験のおかげで将来にはもっと賢くならなくては」&lt;br/&gt;　ベアタンに手紙を書く計画はその場で実行されました。常に女をこれほどにもその気にさせる復讐の欲望が、とても自然で魅惑的な表現を書かせ、いちばん狡猾な僧服を着たひとでもこれが罠を隠していると疑うことはできなかったでしょう。ベアタンは愚かにもこの罠にかかりました。夕暮れどきにポン・トゥールナン［1］に来るように頼み、そこから私たちが小館をもっているシャイヨへとおば自身が連れてゆくことにしました。彼は条件を飲みました…。彼の答えにはとても熱がこもっていたので、もうシルヴィーナにしあわせにしてもらえるものと確信しているのがわかりました。&lt;br/&gt;　彼女は時間通りにでかけ、指示された場所にしあわせなベアタンがいるのを見つけました。正装をして、ひげをそったばかりで、ふだんよりも少しよく髪を整えていました。彼は、しばしば世俗のひとよりも身なりに気をつけていて、丸く刈った髪とトンスラだけによってだけちがうような洗練された聖職者ではなかったのです。もう云いましたが、ベアタンは司祭でした。&lt;b&gt;司祭&lt;/b&gt;と云っただけで、もう定義はいいでしょう。&lt;br/&gt;　つまり、今や彼は馬車のなかでおばの隣りに座っていますが、おばは大変に強い熱意をもっているふりをし、夫は数日の予定で出かけたばかりなので、ベアタンに何もすることがなければ、明日までシャイヨで過ごすことができると云います。このとき破廉恥漢の昂奮はもはやとどまるところを知りません。彼の目は&lt;b&gt;情慾の火花&lt;/b&gt;を散らしています。&lt;b&gt;天にも昇る心地&lt;/b&gt;です。&lt;b&gt;何よりも完全な至福の予感&lt;/b&gt;を既に味わっています。車は送り返されて、運のいい宣教師は実に謎めかして私たちの家にみちびきいれられます。&lt;br/&gt;　でも洞察力豊かな神学者は、こんなにひいきにされているというのに、どうしてこの隠れ家のことを知らなかったのでしょうか。何ですって！ シルヴィーノの出発の前には、この隠れ家は彼がこっそり抜け出してゆく場で、妻はベアタンに対して陰謀が計画されたときになってはじめてその存在を知らされたのです。むかしであれば、もし神学者がこのように都合のいい隠れ家があると思ったら、悔悛者の女にそれを見せてくれるようにお願いして、きっとそこにいそいそとおもむくこともあったでしょう。何と時代は変わったことでしょうか！ 今日は不吉な前兆のもとでそこに向かうことになるのです。罰せられるために走ってそこに向かうのです…。でも不満は云わないでください、それだけのことをしたのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十二章　前の章のつづき　ベアタンの失寵&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　一方では欲望と憎悪がそれぞれ計算をしていた間に、他方では、確かに、軽蔑と意地悪さが、いやらしいベアタンをやっつける計画をしていました。シルヴィーノ、ランベール、ふたりの外国人、絶対にいっしょにいたかった私が、中心人物の後ろをすぐシャイヨまでつけてゆき、裏門から入りました。ふたりは一階にいました。私たちは音をたてずに二階に上りました。&lt;br/&gt;　全体をちゃんと見回られなければならないし、軽い食事をするために何か見つけなければならないという口実をつくって、おばは私たちのところにやってきて、相談しました。シルヴィーナがしばらくの間ベアタンをじらして、助言を聞くふりをし、それでも悔いているふりをして、最後には彼にすべてを許すようなさまをみせるということが決められました。特に彼女は夕食をとらずに寝るようにさせなければなりませんでした。家で見つけられると思った食べものはもう消費させれてしまっていたので、見つからないように一団が家から出たり使いを出したりするのは慎重ではないと思われたのです。シルヴィーナは大変うまく意地悪にこういったことを実行しました。このときはただひとつの食慾だけに支配されていた神学者は、絶食することにかなり機嫌よく同意しました。ああ、欲望の力よ！ 神学者の食慾に対して勝ち誇るとは！ 愛よ！これは確かにお前の奇蹟のうちでいちばん小さなものではありません。&lt;br/&gt;　シルヴィーナとベッドをともにしてもよいという、夢見心地にさせる許可を受けたときに、ベアタンはようやく至福の頂点に達したと信じました。それでも彼女は、息も絶え絶えの羞恥心を守るために、ふたりの幸福の仕事が実現される場所にまったく光がないことを望みました。「姦通というものは」彼女は云いました「暗闇のなかでさらに大胆なものになるものです。恥ずかしすぎると快感の邪魔になります。特に加減をすることは場ちがいのことではありません。もうひとつの喜びに、いくらか官能をつけたすことになるのです」 恋するベアタンは条件を飲み、まったく信頼しきって上の部屋へと手探りでシルヴィーナについてゆきました。&lt;br/&gt;　ようやく幸運のベッドのなかにいます…燃え上がり、燃え尽きてしまいました…。悔悛者の女はまだ闘っているのです。ためらって腕のなかに来ようとしません…。でも何という不運なことでしょう！… 神様！ 罪深いベアタンにはどこに隠れることができるでしょうか！ 五人の人間が突然姿を現します。曇ったランタンが一瞬のうちに何本もの松明に光を与えます。好奇心の強いシルヴィーノと恐るべきランベールが剣を輝かせています。ふたりの呪いのことばが家のなかに響きわたります。&lt;br/&gt;　「つかまえたぞ、恥ずべき姦婦め」（夫は叫び、妻の胸元に剣の切っ先を突きつけます） 「復讐するんだ」（友人のランベールが今度は叫びます）「きみの名誉を汚して僕を中傷する悪党を今渡してやる。どこだ？ おお、おぞましさもきわまれり！ベッドのなかだ！きみのベッドのなかにいるぞ！」 「やめなさい、ランベール」（自分の役に必要なまじめなふりができなくなりはじめていた妻を放して、シルヴィーノがことばを挟みました）「やめなさい。裏切りものの血を流すという喜びをきみに譲るわけにはいかないよ」&lt;br/&gt;　だいたい正確に云ってどんな風だったのかがわかるためには、私が描こうとしている場面に居合わせなければならなかったでしょう。ベアタンの恐怖と、からだと心が同時にかんじているものすごい動揺を表現するにはことばが足りません。忠実に話を伝えるものとして、たとえ少し嫌悪感を感じさせることになろうと、不幸な神学者はシルヴィーノの寝床をまったく物理的に汚したということを白状しないでいることはできません。それでも外国人が容赦を請い、苛立った友人から武器を奪うということに決まっていました。でも彼らは罪人が命については安心できるようにする意見を同時に開陳しました。決してひとの女を寝とったりできないような状態にするのです。彼らのひとりは自称外科医で、素早くこの場で手術ができると主張し、運がいいことに必要な器具をもっていました。この条件においてランベールとシルヴィーノは同意して、もう殺すつもりはないと云い、生きた心地もないほどに震えあがった患者を縛り、手術するとか云って他の部屋に運びました。そこで彼は何よりもひどい侮辱を受け、裏切りもののシルヴィーナが涙を流して笑っているのを見ることになったのです。それでも彼女はこの男のためにとりなしてあげようと思いました。彼女がお願いすると、私もそれに同調し、さらに減刑されることになりました。ベアタンはたっぷり鞭を打ってから放免されることに決まりました。この宣告は今度こそ最後の判決でした。その結果、&lt;b&gt;悔悛した女の誘惑者、匿名の手紙の作者&lt;/b&gt;は、サロンの柱に裸で手足と腰を縛りつけられて、私たちの復讐に大きなお尻を差し出しました。私たちはこの祝福された肉づきのよいところにひどい扱いをしました。鞭はたっぷりもってきていました。鞭は最後の一本まで使われて、罪深き男の背中が打たれましたが、自称外科医に脅されて、叫び声を上げようともしないでそれを堪えていました。ねえ！人生の幸せの四分の三以上にあたる部分を守るためになら、からだの残りの部分は痛めつけさせることを選ばないひとがいるものでしょうか。&lt;br/&gt;　神学者先生がたっぷりと鞭打たれると、みんな落ち着いたようにみえました。服は全部返しましたが、そのなかにた見事に汚れてしまったシャツもあり、それも着せなければなりませんでした。それから通りまで送ってゆき、みんなが松明をもって、この上なく深い敬意を示しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十三章　何かが告げられる章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　いっしょに暮らしていた人々はあまり私に対して厳しくなくて、気兼ねがなかったことはまあまあおわかりでしょう。私はもうしっかりした人間として扱われていました。実際彼らが私を養子にとったときに抱いていた期待を私は越えていました。私はシルヴィーナと張り合っていました。その夫は、私のおじ、あるいは私の父親の代わりをするひとの重々しい調子ではまったくありませんでした。私はあらゆるお楽しみに加えてもらっていました。多くのことに立ち会いました。他のことは自分で埋め合わせて、狭くかぎられた自分の不完全な理論の折り合いをつけていました。ランベールを初めとした友人たちは家を離れようとしませんでした。シルヴィーナはところどころで男をしあわせにしていました。同時に夫に対する心遣いをもっていました！…愛人とモデルに思いやりをもって愛想よく接していたのです！… 繰り返しても繰り返しすぎるということはありません。&lt;b&gt;さいわいなるかな、寝取られたもの！&lt;/b&gt;&lt;br/&gt;　奥さんの財産のおかげで、評判のためにしか働く必要がないシルヴィーノは、あまり絵を描きませんでした。しかしすべてすばらしいものでした。彼の得意は歴史で、肖像画を描くことはあまりありませんでした。そもそも生まれがよくて、教養豊かで肥沃な知性をもち、大変にひとづきあいがよく、女性に好まれているだけでなく、さらに男性にも求められていました。特別な友人のなかに何人もの貴族すら数えていて、これは愛し愛されられるために生まれた人々でした。みんなが不幸にも友情を知らずに、畏敬の念しか生まないというわけではないのです。シルヴィーナは少し心が狭くてあまり教育のレベルは高くなかったけれども、この家に魅力をつけくわえないではいませんでした。彼女は陽気で、いつも変わりませんでした。言い寄ってきたり、いつでも新しい情熱に火をつけたりして、さらに絶頂の後に消えたはずの情熱をよみがえらせるひとがいるのに、云ってみれば、彼女は人好きのする特別な顔つきをしていました。夫自身が彼女の方に戻ってきて驚かせるようなことがありました。そのときには彼女は夫に完全に身を捧げました。これがやり口だったのです！ しかしこういった愛の発作はすぐに収まり、刺激的な浮気によって、単調なふたりだけの結婚生活の気晴らしをそれぞれしていたのです。&lt;br/&gt;　ウェヌスがこれほどまでに熱心に崇拝されている家の空気が私に伝染しないということはほぼ不可能なことでした。友人、会話、かいま見た疑わしい出来事、放埓な絵とスケッチなど、すべてが生れつきの気質を助長しました。私は既に物知りで、守り神に要求されるようなものすべてに甘く身を任せていました。私はもはや生きるという幸福な機会をだけ待ち望んでいました。生きたかったのです。自分の生活は虚無であると感じはじめていました。シルヴィーナは愛人に取り囲まれて、この男たちの幸福を決し、それを首都のもっとも愛らしい騎士のなかから選んでいました。かわいそうな私の方は、私のことをまだ子供とみなしているひとからの軽すぎるほめことばか、平凡な告白や気どりすぎの手紙をあちこちで放つ色恋沙汰の新米からの味気なさすぎるほめことばしか手にしていませんでした。ものうげな情熱、それが生み出すものやそのことばを憎悪するようなよい心を私は常にもっていました。賢くも本題に入り、他のひとは百年後にもならなければ終わらないようなところからはじめたやさしいベルヴァルのことばかりを思い浮かべていました。そういうわけで彼らの甘いことばはまったく私の興味を惹きませんでした。手紙については、私は虚栄心からそれを受け取っていました。でも私は返事をしなかったり、もしわざわざ返事をするとしても、それはそんなことをした間抜けを残酷に嘲笑したりするためでした。それでも私はときどきこう自問せずにはいられませんでした。「いったい私には何が足りないの？ 愛したくて燃えているのに、私に向けられた願いはすべて断っているなんて！ 私は本当の幸福の瞬間だけを期待している、大胆なベルヴァルが幸福を与えてくれるときを…。それでもあのダンサーに恋をしているような気はしないわ」 幸運にも彼が大胆になって教えてくれた快感を、私は甘い癖にしていました。でも快感がきわまったときでも、ベルヴァルのイメージに対しては無関心でした。いやらしい想像力の果てしない欲望を満たしてくれるようなイメージは何も思い浮かべていなかったのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　チュイルリ庭園とルイ十五世広場、女王の宮廷、シャンゼリゼの間の交通の便をよくするために1716年に建設された橋。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-521110065168180118?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/521110065168180118/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=521110065168180118' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/521110065168180118'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/521110065168180118'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/10/4.html' title='フェリシア　第一部　4'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-8709258024928248892</id><published>2008-09-29T10:11:00.001+09:00</published><updated>2008-10-06T11:37:39.036+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第一部　3</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;div align='center'&gt;第八章　少し前の章と重なるけれども読んだ方がいい章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　ほんの少しのことさえあれば若いひとの頭は動転するもので、私は一晩中目を閉じることができませんでした。向こうみずなベアタンの計画は何かに達するべきものだったようにみえました。でもそれを当てようとして私はむだに悩んでいました。彼が平手打ちを喰らわされるのを見て、私は大変うれしかったのです。それでもそれがこんなに早く起こったので私は残念でした。たぶん今度は彼が閉め出しを喰らわされることになるのでしょう。もう彼がおばと争うのを見る新しい機会があると期待できないことが残念でした。&lt;br/&gt;　でも、心を苦しめてみた結果、知りたくてたまらないことを知るための確実な手段とみえるものに気づきました。私のダンスの先生はよくできたハンサムな青年で、甘美な魅力をもち、私のことをやさしく敬意をもって扱っていましたが、このベルヴァルは私からまったき信頼をえていました。心を打ち明けるのにはこのひとがふさわしいと信じ、神学者の意図がどういうものだったのかを満足のゆくしかたで説明してくれるだろうことを疑っていませんでした。近道は平手打ちのことをいっしょになって笑うことでした。こういったことにはいつもわざわざおしゃべりするだけの価値があるのです。&lt;br/&gt;　私のちょっとしたおしゃべりの計画の実現はとんとん拍子で進みました。この日私の授業全部に立ち会ったシルヴィーナは、ちょうどベルヴァルの授業にだけは立ち会いませんでした。手紙を書かなければいけないと云ったので、たぶんベアタンに書くのでしょう。そもそもベルヴァルは、媚態のある人物で、ちょっとひとを口説いたりするのですが、それは信仰心にもかかわらず大目に見られていました。そのため彼は疑われることがありませんでした。何はともあれ、シルヴィーナは私たちをふたりきりにしたのです。&lt;br/&gt;　彼女がペンを手にとるのを鍵穴から見るやいなや、私の想像にふたたび生き生きと浮かぶいくつかのおもしろいことのせいであらかじめ大笑いしながら、私は話題を切り出しました。それでもベルヴァルは、喜びをともにしていると思っていたのに、まったく笑いませんでした。反対に顔つきが少しばかり暗くなるのがわかりました。それで私は気分を害しました。「どうしたんですか、ベルヴァル先生」私は云いました「この話はあまりおもしろくないとお思いですか」 「すみませんが、お嬢さん…これは実に特別な話なのです」 「おばの足元のあのひとは傑作だったのよ」 「ああ！そうでしょうとも。こういったけだものは…とても不器用なのです…ええ、とてもおかしかったのだろうと思いますよ」 「でも先生はおもしろそうに笑っていませんけど？」 「考えていたんですよ…つづけてください…結果はみごとだったことでしょう」 「そんなに特別なことはなくてよ」 「足元にいたと云いましたか？ 私が今こうしているように？」 「そのとおりよ」 「それでおばさまは座っていたと」 「こういう感じよ」（と云って私は座りました） 「そうですか。それであの男は片手を…ここに置いていたと」（そこは胸よ、悪党） 「ええ。でもベルヴァル先生、たぶんそんな風に真似をしなくてもいいんじゃないかしら」 「それはまた！変なことを考えないでください、これ以上他意のないことはありませんよ。それで神学者のもう片方の手は…ここかな？」 「もう！ベルヴァルさん、何てことをするのよ！」&lt;br/&gt;　だってこの舞踏家の片手が、一瞬のうちに、神学者の手がシルヴィーナにしたのと同じ道をたどっていたのです。私はこんな勝手なことをされるとは思っていませんでした。男の手が一度も近づいたことのないところをこの男は何の障碍もなくまさぐっていました…。私は非難のことばを浴びせようとしました。しかし器用な好色漢の口がいきなり私の口をふさぎました…舌が！指が！…。知らなかった感覚の陶酔が私の全官能を奪いました…。ああ、何という瞬間でしょう！次にどんなものが来るかと思っていたら、おばがベルを鳴らしたの！… ベルヴァルはすぐに立ち上がって身なりを直し、私が自分を取り戻すように何度も私のことを押さなければなりませんでした。私はメヌエットをはじめていました。しかし理性に見捨てられたからだの重みの下で、脚が震えていました。顔は深紅に染まっていました。すぐに姿を現したシルヴィーナには、私のことを落ち着かせることができませんでした。先生の様子の方もあまり落ち着いてはいませんでした…。おばは翌日彼の家にひとをやって私の手紙を取り戻し、もう二度と家に来ないように言いました。ふたりは疑われていたのです。それでも、シルヴィーナは白黒つかない証拠しかないので慎重にすることにしたのか、私のことよりも自分のことで手いっぱいだったのか、責めることも問いただすこともしませんでした。彼女は数日後に新しいダンスの先生を呼びました。しかしとてもひどい醜男で、今度はまったく恐れる必要がありませんでした。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第九章　あまりおもしろくないけどむだではない章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　ランベールはこうしてひとを追い払って以来、家に来ることを許されていました。シルヴィーナは毎日彼に会っていました。しかし神学者が訪問したときの満足した様子とは程遠いしかたで迎えていました。それでもこのふたりの男を比べることはできませんでした。ベアタンはまったくもって&lt;b&gt;司祭&lt;/b&gt;の人相で、もったいぶった物腰と窮屈な所作で、本当に真っ赤で［1］、そこそこのものだったかもしれません。しかしランベールは本当にハンサムで、背の高さ、脚、顔つきは最上のものでした。そのほほえみは快く、目は生き生きと輝いていました。一言で云うと、パリ一のハンサムな騎士のひとり、シルヴィーノの妻は、ベアタンと浮気して夫に対して不貞を働くのは許されないけれども、ランベールに対してよいあしらいをするのはまったくちがう話でした。だれよりも高飛車で冷淡な信心に凝り固まった女も征服できるとこのひとには云えたにちがいありません。それなのに熱しやすいシルヴィーナの興味を惹きそこねることがあるものでしょうか。&lt;br/&gt;　このひとがいるからといって私のことを部屋に帰すことはまだありませんでした。でも私はわざと姿を消しました。おばは何度も私のことを呼び戻しました。それでもようやく私がいないことに慣れてきました。宣教師よりもこまやかだけれども、気がはやっていないわけではないランベールに対しておばが徐々にやさしくなってゆくのに私は気づきました。日に日に状況はためになるものになってゆき、シルヴィーナが突然気まぐれでいつものお芝居をやめて、友人が一種の閨房にさせることにしたばかりの小部屋で上演することにしなかったら、私は短い間に最後まで知ってしまうことになっていたでしょう。ふたりがこうして移動したので、私は自分の知識に欠けているものを手にできませんでした。新しい小部屋のなかで何をしているのか見ようとしたけれどもむだでした。それを悲しく思いました。&lt;br/&gt;　それでも&lt;b&gt;僧服を着た男&lt;/b&gt;の代わりに楽しいランベールがいつもいっしょにいるようになってから、おばはもう前と同じではありませんでした。髪を整え、着飾っていました。顔色はもう暗くなく、陽気さを取り戻していました。もうあれほどのミサを耳にすることはありませんでした。まもなくまったくミサなしですますことになりました。無視してきた知り合いを探しに行きました。それにはたくさん嘘をつかなければなりませんでした。長い間つづいた不都合を想定しなければならなかったのです。「姪に聞いてください」と言われると、私はまったく恥知らずにもおばは重い病気だったと主張しました。信じるひとも信じないひともいました。でも今はそれがどんなに信じられないものでも、こういった正当化をまったく寛容に受け入れてもらいました。しばらくの間世間から離れて暮らしたからといって、そういうひとと仲たがいするのはもはや世のならわしではないのです。&lt;br/&gt;　シルヴィーノが帰ってきました。すべてがまったくうまくゆきました。ランベールは&lt;b&gt;一家の友人&lt;/b&gt;でした。おばはこれほど機嫌がよくこんなにひとづきあいがよかったことはありませんでした。&lt;br/&gt;　寝取られ男の王様！ 善良だが不幸な君主！ あなたの国は広大で、臣下は数え切れません。あなたのおかげで幸福になることに同意するひとのことをみんな、あなたは千ものちがう方法で幸福にします。それでもその大部分は、あなたのことを祝福する代わりに、あなたを呪うのです。何と目が眩んでいるのでしょう！ シルヴィーノはこういうひとたちよりもあなたの真価を認めていました。家に帰ってきて以来、妻がとても自分に対して愛想よくふるまうので、ようやくあなたの臣下のひとりに数えられたという幸福を彼にはもう疑うことができなくなりました。それで機嫌を悪くするようなことはしないようにしました。平手打ちのことを忘れていなかったベアタンは、まもなくデリケイトな状況を生むことになります…。しかしそのときすばらしい夫はその知性…寛容の精神を示したのです…。ああ、シルヴィーノ、あなたは何と粋な男だったのでしょう！ 何とうまくふるまったことでしょう！ あなたへの讃辞を書くことによって、現在、未来の寝取られ男があなたの真似をしたいという気になるようにさせることが私にできたらいいのに！&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第十章　一見したところよりも実は本当のことを云っている章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　イタリアから来たばかりの芸術家と友人のランベールに夕食をごちそうしていました。私たちはこのうえなく陽気でした。おばと私の前では少し遠慮が忘れられて、殿方の口にするとても鋭い気の利いた話の数々に私たちは涙を流して笑いました。使い走りがもってきた手紙が届いて、水を差されました。おじ宛の手紙でした。&lt;br/&gt;　「みんな」（二、三回首を振りながら読んだ後で云った）「これは匿名の手紙ですが、奥さんについて書いてありますよ。ごらんなさい」 その口調には何も恐ろしいものはありませんでした。それでも紙を渡すときのある種の顔色は不吉な知らせでした。シルヴィーナは前から震えていました…最後まで読むことができませんでした。不吉な手紙は手から滑り落ちました。顔が急に蒼白く暗くなりました。気分が悪くなったようです。急いで助けようとしました。「大したことはないだろう」（おじはこう云ってコルセットを緩め、夫のくせに、見事なふたつの丸いものを通の同業者の目にさらしました）。ひとりは小瓶を渡し、もうひとりは手で叩いていました。ランベールだけは、この事件に興味がありすぎて、木偶の坊のようにしていて、シルヴィーノは意地悪くそれを面白がっていました。それでもシルヴィーナはふたたび美しい目を開きました。夫の口づけと実にやさしいいくつかのことばが彼女を安心させることになりました。また食卓につきました。病人は何杯かシャンペンをあおるように飲んで回復しました。その後でシルヴィーノは、妻を安心させて、友人に事情を知らせるために、口を切って云いました。「とても驚かれたにちがいありません。三人のなかで、だいたいどんなことなのかわかっているかもしれないのはランベールくんしかいません。こういうことなのです。ごらんのように妻は魅力的です。妻が愛されることに、私は驚きません。だって夫の私がまだ恋をしているのですから。私がいない間にだれか崇拝者の不興を買ったのにちがいありません。今度はいろんなことを私に書いてきて復讐しようというのです…ある種の夫の頭を悩ますくらいには大変なことを書いてきたです。しかしこのように怒りっぽいひとは恥ずべき頓珍漢な人間で、私はこのような卑小さとは程遠いのです。つまり激しく恋をしたある友人が妻のところに頻繁に通っていたと伝えているのです。この情熱にさらに自由なしかたで答えるために、彼女は世間との付き合いを断ち、あらゆる楽しみを断ち、一言で云って、裏切り者が（このように呼ばれています）最後の段階まで行ったことには疑いがないというのです。スキャンダルだと叫んでいます。私に妻を罰するように勧めています…だそうです…でもみなさん、こんな重要な意見のことをどうしたらいいものでしょうね…」 「私は（外国人のひとりが云いました）奥さんには恥ずべき疑いの種を与えることは不可能だと思います…」 「それはどうも（シルヴィーノはことばをさえぎった）。あなたはどう思いますか（もうひとりに聞いた）」 「私も同じことを思います」 「ではランベールくんは？」 「そうだね、シルヴィーノくん、きみのことはとてもよくわかるよ。でもいつものように率直に話してほしいのかい？ その匿名の無礼な男の告発が問題にしているのはきっと僕のことなのだろう。きみが向こうに行っている間に奥さんに何度も会ったことは否定しないよ。でもまず第一にそれはきみの命令だったんだ。ではきみは僕が奥さんを誘惑しようとしたと思うのかね」 「そんな話をしているのではないよ。この世ではみんな自分にできることをするんだ。きみは自分でいいと思ったことをしたのだろう。妻についても、そんなことは気にしないし、まったく聞くつもりはない。何を云おうとしたんだ、最後まで云えよ」 「そうだねえ！僕が云いたいのは、もし魅力的な女性に毎日会うという危険を冒したがために、夫に認められること以上の何ものかを心の奥底に感じることがあったとしたら、僕が今そうであるようなきみの友人として、ともかくまったく苦情を云われるようなことがないように注意したことだろうね。きみに手紙を書いたひとは大げさだよ。彼の疑いは卑劣な嫉妬にしか基づいていない。奥さんはきみのことを心から愛している。僕はきみのことを真心をもって大切に思っている。僕のことにされようとしている事件についてきみに進言できるとしたら、不名誉なことを云ってきみに対する礼を欠くようなことをする男にだけ復讐が降りかかるべきだというのが僕の意見だ。幸福な家庭の和を乱し、完璧な友人を仲たがいさせようとする唾棄すべき計画を考えつくような男のことだ」 「ランベールくん、ここに触わってくれたまえ。きみは賢人のように話して、僕の本心を見抜いてくれたよ。ああ、&lt;b&gt;義憤先生&lt;/b&gt;、もし幸運にもあなたの襟首をつかまえることができるとしたら、紳士が匿名の告発のために極端な決断をとることを期待してはいけないと教えてあげよう。でもきっと妻がこの詐欺師の名前を知らせてくれるだろう」 「筆跡でわかります」シルヴィーナは云った「きっと私がこの手紙を見ることがあるとは思わなかったのでしょう」 「ためらわないで云ってごらん。それがだれで、どこに行ったら見つけられるのか。その男が罰せられて、きみの恥をそそがなければならない。幸運なことに筆跡がわかるんだね」 「白状しますと、私は慎みを欠いて、この呪わしい男から何通か手紙を受けとりました。それでもこのひとは私によこしたような手紙を書くような立場にないひとで…」 「そのような立場にないひとだって！」ランベールは口を挟みました「たぶんわかったぞ！ひょっとして神学者の先生のベアタン氏ではないのかな？」 「そのひとです」 「ベアタン先生、きみの宣教師か？」（ランベールとシルヴィーノが順番に叫びました） 「ああ、何てことだ！仕返ししてやるぞ」（ひとりが云いました）「ともかくお知り合いだからな」（もうひとりが云いました） それから彼はある日こやつが暴力をふるっている現場を襲い、シルヴィーナに請われて平手打ちを二発喰らわせてこの男を追い払った顚末を語りました（このようにして事実を知らせるのがよかったのです）。夫はこの行動を大変にほめました。「この失寵の仕返しをするために」彼は云った「えせ信心家は今度あなたのことを中傷しようというのですよ」 「そうなんです」 「やくざもの！不幸な男め！」 「司祭とはそういう奴らなのだ！」 みな口々に話していました。それから全員一致で、悪党はこの二重の裏切りのために、速やかに厳重に罰せられなければならないと決定しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　プレイヤード版の校註もこの表現は何を意味するのかはっきりわからないと断っている。僧衣のことか。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-8709258024928248892?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' 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align='center'&gt;第四章　移住&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　人前に出ることが許されるような才能をもった芸術家は地方の小さな町に移り住みます。画家はここで裁判官や冬を過ごしにやってくる平貴族に劣ったものであるだけではありません。少ない収入で暮らす小市民、弁護士、公証人、証書管理人、さらには検事よりも劣っているのです。一言で云うと、石工の大将が建てた味気ないがお金はかけてある建物の扉や鎧戸に色をつける下塗り職人と同程度の位なのです。&lt;br/&gt;　シルヴィーノは（これが私を養子にとったおじさんがイタリアで選んだ名前で、結婚して実に立派な領地の主になったのに、おかしなことにこの名前を捨てなかったのです。&lt;b&gt;おじさん&lt;/b&gt;と云うのは、私はもう年の割りに大きくて、シルヴィーノはまだ三十歳で、奥さんは二十四歳なので、私が姪である方が娘であるよりも年を喰わせて見せないとふたりは思ったからです）つまりシルヴィーノの話ですが、パリに居を定めることにしようとまもなく奥さんに提案しました。大変世間に尽くしていたにもかかわらず、それでもやはりときにはかなり傷つくような屈辱を受けることがあったからこそなおさら喜んで彼女は同意しました。たとえばときどきひとがこの家を訪ねないことにすることがありました。彼女がどこかに姿を現すと、わざと娘らを遠ざけたのです。会いに行くことはあっても、娘を連れてゆくことは決してありませんでした。ときには家にいないと云わせた後で、わざわざ姿を見せました。こういったことはすべて、結婚前にできたあの呪わしい子供のせいで、というのも、地方の小さな町では名誉というものは極度にデリケイトなものだからなのです。まったく完璧とは程遠いような知識、優雅さ、才能、趣味のよさ、礼儀正しさを犠牲にしても、こういった場所で名誉はデリケイトなものなのです。&lt;br/&gt;　私たちの引っ越しは全部素早く手配してもらいました。事業にはあまりつぎこんでいなかったけれども、シルヴィーノはそれなりの手続きを踏まないわけにはゆきませんでした。愚かな町の人々と別れるのは残念に思わず、それと同じくらい私たちの方でも残念に思われることないうちに、私たちは出発しました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第五章　退屈させてしまうかもしれない読者に許しを請わなければならない章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　たったひとりでパリを見に来て、数箇月の間にこの街についての正しい考えをもとうとする、遠くから来たよそものはほぼ常に、自分の家に帰って、この首都はとても退屈なところだと主張します。到着してすぐに私の目に入ったものはすべて特に私の気に入ったということをこういったタイプの人々に信じさせることはできないでしょう。私は苦もなく活気や喧騒に慣れました。目に見えるものに心を奪われ、もしこのときこういったみごとな並外れたものについていくらかでも知っていたとしたら、遊歩道は魔法の庭園や宮殿のようにみえたかもしれません。知識があって趣味のよいシルヴィーノは、妻も同じものを手にすることを望み、あらゆる種類のおもしろいものを私たちに教えてくれました。その多くはイタリアで知り合ったさまざまな芸術家に常にともなわれて、彼は買い物が教育的であると同時に楽しいものであるようにしました。私たちはこのひとたちによく会いました。芸術家の夫婦がしばらくの間私たちの唯一の仲間でした。括弧つきで云いますが、知らないひとがいるかもしれないけれども、本物の芸術家はたいがい社交的なもので、見目もよいものです。たとえば作家のみなさまとは比べられないくらいに芸術家は自分たちの間でうまくやっています。作家の反対に、退屈な芸術家でもしゃべりすぎて退屈させることはほとんどありません。みんな才能があって、そのために彼らのまじめな考えはみなおもしろいものです。おもしろおかしく、才気があって、趣味がよいものです。&lt;br/&gt;　ひとりでいるときには生れつきの趣味嗜好にとって有害な先入見をまったく身につけなかったので、要求されることすべてに自分が適していると思いました。このときからよい教育の有用性を感じるような良識をもっていました。いろいろな先生につけてもらいました。シルヴィーノが完璧に話すイタリア語、デッサン、ダンス、クラヴサンを熱心に勉強しましたが、特に歌を勉強しました。私は生れつきとてもすばらしい歌の才能をもっていたのです。私の速い進歩は恩人を魅了しました。愛らしいフェリシアの問題を解決してあげたことで、自分たちのことを喝采することをやめませんでした（彼らは私をこう名づけることにしました。もし私だけの問題だったとしたら、すべてが助け合って幸運な語源を正当化しているかに思われるこの名前を私は一生の間守ったことでしょう）［1］。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第六章　真実　流行に導かれて　往時のあやまち&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　愛は素敵なものよ！ 小説とはちがって、愛はいつも同じものによってひとを幸福にするようにはできていません。子供のままで、決して大人になることはできません。愛の運命は死に、生まれ変わることです。何世紀も前から、愛の炎はともるのと同じくらい簡単に消えるということを経験が証明していて、もしまったく変わらないようにみえるある種の心を愛が支配しつづけるとしたら、それは愛の後に来る執着、無関心、しばしば退屈によることでしかなく、愛はそういったものに詐称を許しているのです。&lt;br/&gt;　結婚の絆を結んだときには、感じやすいシルヴィーナはこういったことをまだ疑ってもみませんでした。修道院では情熱が永遠につづくものと信じることができるのです。そこではこの幻影はそれでも何もないよりもましなものです。しかし世のなかにおいては、快楽のただなかにあり、娯楽に取り囲まれ、愛らしい男たちに誘惑されて、シルヴィーナはまもなく愛していると信じている対象に対して忠誠を守るためにはときに甚大な努力が必要だということを認めることになりました。夫の方は、さらに人間の弱さに通じているので、自分の浮気な傾向に対して抵抗するようなことはありませんでした。自分の愛するひとの夫として、ときには全身全霊をもって彼女を熱愛することもできました。しかしその前には多くの不貞を犯していました。ただ心のうちで眠っていただけの多様性への志向がまもなく目を覚ましました。あまりつれなくすることのできないかわいらしい女友だち（パリではもう流行りではありません）、シルヴィーノの職業ではその美しさを見て観想することになる魅力的なモデルは、まもなくその奥さんの嫉妬を隠したやさしさに気づきました。偏見のあるひとが愚かにも&lt;b&gt;屈辱&lt;/b&gt;と呼ぶことをしているのをあまりにもはっきりと見ることが一度ならずありました。そういった場面を隠そうとあまり注意していないことから、奥さんも同じことをするようにさせることに決めているのではないかと思われました。しかし彼女がこういった種類のアドヴァイスを活用することに決めるのには長い時間が必要でした。理由はこういうわけでした。感じやすい魂にはいつも何か魂を満たすものが必要なので、シルヴィーナは修道院にはそれ以上の選択がなくて、敬虔な信者になりました。あらゆる種類の快楽に対するこの上なくはっきりした傾向にもかかわらず、俗世に戻ってきてもまだとても救済のことを気にしていたのです。一言で云うと、彼女は宣教師を選びました。このたぐいの人々は、愚かにもある程度の信頼を委ねてしまうきれいな女性の心をとらえることに長けています。シルヴィーナの先生は神の名において虐げ、遅かれ早かれ悔悛者を自分で収奪することに熟練していました。この男は自分ひとりで世話をするために彼女をあらゆる俗世のものから遠ざけ、ついには他の男のことは十分に嫌っていたはずの女の血の気が反撥し、堕落させる宗教者の腕に身を投げるようにしたのです。こいつはちゃんと考えていました。きれいで若々しく、やさしく、浮気な夫に不満で、世間に知られていない、子供をつくらない女。つまりシルヴィーナを腹黒い男は連れ去ろうとしました。聖職にある男にはおいしそうな肉片ではありませんか！&lt;br/&gt;　「お気をつけなさい」彼は休みなく繰り返していました「世界は罠に満ちています。特にパリです。パリは地獄の首都です。敬虔な魂はそこで一歩歩みを進めるたびに悪魔の罠の危険に身をさらすのです。罠は千もの花の下に隠れています。こういった危険な愛には用心しなさい。あなたの罪深い夫の浮気は全能の神にささげなさい…あなたは何と美しいのでしょう！自分が所有する財産のもつ価値が理解できないとは何と許しがたいことでしょうか！少なくともご主人は宗教を信じているのでしょうね？」 「いいえ、実に不幸なことに」シルヴィーナは答えました「ローマその地であの盲人は宗教をばかにすることに慣れたのです。あらゆる宗教の勤めと宗教に専心するひとを軽蔑しています」 「不敬者め！無神論者め！」（偽善者は答えました）「あの男の愛撫に身を任せるのはおやめなさい。天罰を受けることになりますよ。この神に見放された男と交流をもつのを拒むような口実を考えなさい」 「ああ、それでも私にとってはつらいことです！… 愛しているんです」 「ではあなたの魂はどうするんだ、不幸な女め！」&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='center'&gt;第七章　宣教師とシルヴィーナの友人とお知り合いになる章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;　パリではかわいい女の子は十三歳か十四歳で既に注目の的になることがあります。私に対して云われはじめていたほめことばの意味を解く鍵をこの歳にもっていたとしたら、私は簡単に欲望の讃辞を認めていたことでしょう。しかし、学ばなければならないことについては知性をもっていたけれど、それだけ色恋については比較的に鈍感だったのです。もし私のことが好きだと云われたら？単純に「私も好きです」と答えていたのです。でも「愛」というこんなにも普通の単語のもっとおもしろい意味のことは疑ってもみませんでした。つまり私はまったく何も知らなかったのです…突然私の闇を払った幸運な偶然がなければ、たぶん長い間嘆かわしい無知のなかにとどまっていなければならなかったでしょう。&lt;br/&gt;　まる一年たつと、あるお金の問題でシルヴィーノは地方に帰らなければならなくなりました。私たちがふたりきりになるかならないかのうちに、奥さんはそれまで普通にしていたのとまったくちがうしかたで暮らしはじめるようになりました。もう観劇に行くことも、散歩も、着飾ることもありません。大きなボンネット、分厚い肩掛け、まじめな服をひけらかします。徐々に人づきあいをやめて遠ざかるようになりました。私たちはもう教会から離れないようになったのです。私は何と退屈だったことでしょう！ 司祭、神学者、私のおばの告解師のベアタン師［2］は、最初のうちはときどき家に来ていました…それからもう少し頻繁に来るようになりました…それから毎日来るようになりました…それから自分がいるときには他のひとを帰すことができるようにしたのです。私も余計な存在でした。隣りの部屋に下がっていました。おばと慎み深いベアタンがこれほど秘密めかしていったい何をしているのかが知りたくて、ある日鍵穴を私の部屋の側でふさいでいる小さな鉄片を幸運にもずらすことができて、私が同じ部屋にいたのと同じくらいはっきりみえて私は大喜びしました…。でも何という驚きでしょう！ 立派な神学者が悔悛者の足元にいて、顔色を明るくし、目を輝かせ…つまりそれまで私が知っていたのと全然ちがう顔つきだったのです。ほぼ自分の方から委ねられた片手に彼が情熱をもって口づけするのを見て、私は夢を見ているのかと思いました。彼はとても熱心に頼んでいました…何を頼んでいるのかはわかりませんでした。でもその弁舌はとても激しいものにみえ、さらに切迫した身ぶりをともなっていました。大胆にも片手を肩掛けの下に滑らせました…もう一方はさらにぶしつけにも、いきなりさらに下の方をまさぐったのです…。&lt;br/&gt;　「化けものめ！」突然ねやから出てきた男が叫び、怒り狂って剣を抜きました「破廉恥もきわまれり。信じやすいこの方にここまでつけこむとは何という恥知らずか。死ね、悪党」&lt;br/&gt;　激怒の閃光が偽善者の目から発しました。しかし自らをおさえつけないわけにはゆきませんでした。美しい悔悛者は既に気を失っていたのです。恐ろしい邪魔者は彫刻家で、シルヴィーノの親友のランベールという名前の男で、ベアタンがだれよりも厳重に扉を閉ざさせたひとのひとりでした。この日はどうしたのかわからないけれどもランベールは家に忍び込んでいたのです。それでもシルヴィーナの気絶が神学者を救いました。心配りのある男は敵を殺すよりも愛人を助けに急ぐものです。しかしランベールは、女友だちに手当てをしながら、実に礼儀正しいことばによって、いち早くここから出てゆくように裏切り者に命じないわけにはゆきませんでした。この男は立場を変わりたくて争いました。するとそのふくらんだ頬に厳しい二発の大きな平手打ちが喰らわされ、これほど説得力がある理由をもっているひとに対して、弱い理由を主張してはならないという必要性を理解させました。&lt;br/&gt;　彼がカロッタを探し、マントを身に着けなおしている間に、私は階段の方に先回りして、その混乱している姿を存分に楽しもうと思いました。しかしむだなことでした。こいつはもう仮面を着けなおしていました。私にやさしく挨拶し、まるで何ごとも起らなかったかのように冷静を装っていました。&lt;br/&gt;　私の大切な穴のところに戻ってきてみると、激しく言い争っているのがみえました。シルヴィーナは泣き、罵りのことばを口にしていました。ランベールはその足元で気持ちを昂らせて話し、この不当な恨みを治めようとしていました。対話は長きにわたり、弱々しい和解によって終わりました。今度はランベールが手に口づけすることになりました。懇願を繰り返した後で、さらに両頬を差し出してくれることになりました。別れのときにはふたりは何とかうまくやっていました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　実際にはフェリシアはこの小説のなかで名前を変えないので、作者の思いちがいだろう。「フェリシア」という名前の語源は「至福」と云う意味。&lt;br/&gt;［2］　ベアタン(Béatin)は「行動においても、ことばと服装においても、わざと自分は敬虔で慎み深いと見せるひと。この語は普通笑わせるために喜劇的で滑稽な文体のなかで用いられるのみである」という(béat)という単語に小辞をつけくわえ、さらに滑稽にした名前。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-8091221126511705447?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/8091221126511705447/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=8091221126511705447' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/8091221126511705447'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/8091221126511705447'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/09/2_22.html' title='フェリシア　第一部　2'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-7840645182681302520</id><published>2008-09-15T14:18:00.002+09:00</published><updated>2008-09-22T17:23:56.365+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ネルシア'/><title type='text'>フェリシア　第一部　1</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='center'&gt;フェリシア&lt;br/&gt;私の火遊び&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='right'&gt;アンドレ・ロベール・アンドレア・ド・ネルシア&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='right'&gt;私がこんなに頭がおかしくなったのは神様のせいです。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;&lt;blockquote&gt;私の大切な作品よ&lt;br/&gt;あなたの身に降りかかるのはこんなことです&lt;br/&gt;残念なことに、あなたには何の価値もありません&lt;br/&gt;大したことではありません、買ってもらえるのですから&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;最後まで情熱をもって読んでもらえるでしょう&lt;br/&gt;ひどいあばずれは、あなたのことを焚書にするでしょう&lt;br/&gt;それがならわしです&lt;br/&gt;でもとても賢い女は笑って読むでしょう&lt;br/&gt;&lt;/blockquote&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第一部&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第一章　作品のサンプル&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　「何だって！本当なのか（私のむかしからのお気に入りのひとりにしばらく前に云われました）。自分の体験談を書いて、それを出版するつもりなのか？」 「ああ！そうなのよ。他にもよくあるめまいのように、突然その気になってしまったの。私が自分の気持ちに逆らって楽しむ女ではないことはご存知でしょう。すべてを云わなければなりません。おもしろいことを自ら断つことは決してしません」 「それでは小説を織りなす種がたくさんあるということですか」 「たくさんありますよ。私のしたばかなことがパレイドのように行ったり来たりするのがみえて、閲兵式の日に自分の聯隊が行進するのを見て大佐が感じるような満足を感じています。あるいはそう云った方がよければ、領収書を出して払い戻したばかりの現金を数えて重さを量る年とった守銭奴のようです」 「それは大変だ。でも教えてください。どういう目的で書くのですか」 「楽しみたいのよ」 「そうして世界を憤慨させるのか！」 「あんまり怒りっぽいひとは読まなければいいだけの話よ」 「読まなければならなくなってしまうよ、だってあなたの生きざまといったら…」 「勇気を出して。私を侮辱してちょうだい…。でも私のことを責めてもむだよ。私は駄文を書くつもりだし、もし私の気分を悪くするつもりなら…」 「おや、おや！脅迫するつもりかい！ じゃあ何をするつもりだと云うんだ？」 「ちょっとしたプレゼントよ。私の本の献辞をあなた宛てにするの。あなたよ。扉にあなたの名前と地位がはっきり書かれることになるの」 「ひどいことをしやがるな…。じゃあ取り消すよ、美人のフェリシアさん。ああ、僕はまちがっていた。あなたが没頭して書こうというような作品のもつ有用性に最初から気づかなかったとは、僕もまったく粗忽ものだ」 「それはよかったわ。今はあなたに満足よ」 「それならあなたはだれか他のひとに献辞を捧げてくれると考えさせてもらっていいのかな？…」&lt;br/&gt;　このひとが震えあがるのを見て楽しかったわ。心の底から笑ってしまうようなアイディアを思いつきました。笑いはみんなに伝染します。涙は特に女性に伝染するものです。そこで私がどうして楽しくからだをひきつらせているのかはまだ知らないのに、私の侯爵（侯爵でした）は私といっしょに笑いました。それから教えてあげなければなりませんでした。「あのね」（私は云いました）「わかるでしょう、絶対にそのために手段を用いなければならないというのなら、あなたにしてやったみたいに、献辞を捧げると云って脅迫して、知り合いの男全員から金をゆすりとることだってできるのよ。それを避けるためには、私の気紛れとそれぞれの能力に従って、十の苦行、二十の苦行を、あるものは多く、あるものは少なくおしつけられることになるの。さっきのあなたのように、私の作品に資金提供してくれないひとは、そういう目にあうの。ねえ！どういうことになると思う？ どう思う？ いい稼ぎになるんじゃないかな？」 「かわいいことをたくらむものだ。かわいそうな奴ら！ あなたのことはよく知っているが、自分の想像力が生み出したばかりの楽しい計画を実行しないということはないのだろうね。僕らはみんなゆすられることになるんだ」 「侯爵はご不満なの？」 「その反対だよ。それを証明するために、今この場で償いをしてあげるよ…」 そうしてくれました。「でも」（その後で私は云いました）「私の変な思いつきが何か意味があるものになるためには、私は若くも美人でもなくならなければならないとは思いませんか。だって今は、ありがたいことに、まだひとにむりやり云うことを聞かせる必要がないんですもの」 「それにはほどとおいね」 「だったらどうよ！ もし私が年をとって醜かったら、献辞を捧げることができる男のひとも年をとっていて、大部分は支払い不能の病人にしか当たれないことになるわ」 「そうですね。それではだれに献辞を捧げることにしますか」 「愛多き若さに。私が好きなことをご存知のようなばかなことの愛好者に。捧げていただける感謝のしるしはすべてお受けすることにします」 「それはますますいいね！ それが具体的な話をするということだ。それなら、僕は本を一部予約することにします。僕の醵出金の前払いをしておくのがいいとお思いではないですか」 そうしてくれました。&lt;br/&gt;　私の運命をうらやむ作家はどれほどたくさんいることでしょう！ 私は前払いしてもらえるけれど、哀れな人々の四分の三くらいは、最後の一筆を加えた後で、作品からわずかな報酬を引き出すのにもまったく苦労するものなのです。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第二章　ことば少なに多くのことを云っている章&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　小説［1］は登場人物の描写ではじまるのが慣習です。まるで私が正直に書こうとするつもりと反対のように、こうするとやはり小説のようにみえることになりますが、慣習に従って、私のひととなりについて少し読者に知ってもらいたいと思います。&lt;br/&gt;　私は謙虚すぎて自分について無制限によいことを云うことはできませんから、私の代わりに、私のことをよく知っていて、私のことを崇拝し、休みなく称讃する人々に話してもらいましょう。みんな一致して私は今世紀でいちばん美しくかわいい女だという判断を下しています。それでもこのひとたちには先入観があるかもしれません。私はひとと同等であることには同意しますが、だれのことも越えたくはありません。いずれにせよ、私の顔つきほど均整がとれていると同時にしとやかなものはこの世で何よりもまれなものであることは証明されています。英国美人のすらりとしたウェスト、きれいなフランス人女性のしとやかさ、スペインの王女の気高い物腰、フィレンツェやナポリの美人の挑発的なスタイルをもっているのは私だけです。大きな黒い眼は冷淡な男を愛で酔わす力強い魅力をもち、とても浮気な男でもとりこにしてしまうということが知られています。髪は長さにおいても、色においても、量においても並ぶものがないということが知られています。顔色、若々しさは絵に描くことができません。だれよりも美しいエナメルのみごとな歯並びの歯は崇拝の対象です。しかしこれに噛まれようものなら傷は治ることがないと恐れられています。いちばん厳しい鑑定家でも、好戦的で純潔なものとして記憶に残っている精悍なジャンヌ［2］がようやく私と同じくらい硬い胸をもっていたかもしれず、やさしいソレルの胸が私の胸と同じくらい白かったかもしれないと主張します。その他の部分については、少なくともそれに比例したものです。それでも幸運な偶然の結果でしかないこれらのまれな長所に関しておごりを抱いているとは思いません。たぶん理由をもって、自分自身で完成させた他の多くのところからより多くの虚栄心を引き出せるのではないでしょうか。たとえば私はとても絵が上手です。いくつもの楽器が弾けます。歌でひとをうっとりさせることができます。美の女神のように踊ることができます。驚くほどに乗馬が得意で、飛び上がる雉を撃ちそこねることは滅多にありません。でも私が幸福なのはそれではこういった才能のおかげなのでしょうか？… 生れつきのものが技術によって完璧なものにされた才能があるの…しいっ、もう少しで愚かなことを云いそうになったわ。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='center'&gt;第三章　必要不可欠な前置き&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div align='justify'&gt;&lt;br/&gt;　ウェヌス［3］は海の泡から生まれました。もち前の魅力と性癖がこの女神にとてもよく似ている私も海の真ん中で生まれました。でも私の生まれたばかりの頃はまったく勝利のときではありませんでした。母は海戦の恐怖のなかで、死者と瀕死の人々の山の上で私を生みました。私たちはある勝利者の側の男の餌食になり、フランスに上陸するとすぐに、この男は私のことを母の胸から引き離して、名もない愛の果実を引き受ける残酷なほどに慈悲に満ちた館のひとつのなかで、私は不運に身を任せることになりました。子供時代を過ごした場所の名前を知らせる必要はありません。迷信的な教育を受けた、虚無よりもひどい十二年間のことは省略します（幸運なことにこの教育には自然からもらった良識をまったく変えることができませんでした）。絶え間なき退屈、屈辱的な従属、単純な仕事に、私の細やかな心はまったく慣れることができませんでした。それでも不健全な暮し、ひどい食べものにもかかわらず、私は目にみえて美しくなってゆきました。&lt;br/&gt;　生れつき憂鬱には縁がないものの、それでもこの生活は堪えがたいと感じはじめるようになり、そのときこの上なく幸運な出来事が私に突然自由をもたらしました。事情はこのようなものでした。&lt;br/&gt;　まじめなブルジョワ家庭の出身のやさしい若者が、最近貴族になったひとの娘に狂おしい恋をして、同じような情熱をもって彼女に愛されることになりました。そこからひとりの子供が生まれました。家族の側からの障碍を恐れるときに恋人たちがかなり頻繁に用いるこの手段は、このふたりにはうまいものではありませんでした。ふたりを結婚させる必要性にともに同意することのない高飛車で信心深いおかしな人々をふたりは相手にしていたのです。娘は修道院に入れられました。恋人は絶望して逃亡し、さまよい、最後にはローマに身を落ち着け、そこですぐれた素質をうまく育てて、少しの間に手だれの画家になりました。恋人は分娩中に亡くなったと知らされていました。実際とても危険な出産をして、その両親は娘が死んだという噂をわざと流していたのです。しかしこの女は事態を切り抜けて、その結果としてもはや生命を生み出すことはできないという都合のよい欠陥を保つこととなったのです。&lt;br/&gt;　それでもお嬢さんの父母は亡くなり、真新しい貴族の称号の唯一の支えの大間抜けの息子もまもなく親切にも墓についてゆきました。宗教に入ることを勇気をもって自らに禁じた隠棲者の女は包括相続人となり、俗世に戻ることになりました。宿命はこの女を迫害することに飽きたようです。これとほぼ同時に、彼女は永遠にいなくなったものと信じていた、恐らく死んだのではないかと思っていた恋人をこの女のもとに返したのです。ふたりは再開して大喜びし、結婚しました。ふたりの愛のやさしい果実を再発見することだけがふたりのしあわせに欠けているものでした。生まれてすぐに私と同じ施療院に連れてこられていました。しかしふたりがここに会いに来たときには、もう生きていませんでした。ふたりは偶然私のことを見ることになりました。私の美しさがふたりの興味をひきました。ふたりは私のことを哀れに思いました。母親の不妊が確実なものなので、喪失を埋め合わすことのできない子供の代わりをしてくれるようにふたりは私に頼みました。私は何ものに対する執着もなかったので、ひとは喜んで私のことを手放しました。私は新婚夫婦についてゆきましたが、ふたりは心の底から私に愛着を感じ、まもなく私はこのふたりから生まれたのではないかというくらいにこのふたりは大切なひとになりました。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　小説(roman)はこの時代「読者を快適に楽しませる恋愛や騎士の物語や冒険譚」（トレヴー辞書）であると考えられていた。しばしば小説の読書は若者にとって有害なものであると考えられた。ここに書かれていることは事実であると主張するために、これは小説ではないと云って小説をはじめるのはこの時代の小説の常套手段である。&lt;br/&gt;［2］　ジャンヌ・ダルクとアニェス・ソレル（シャルル七世の寵愛を受けた美女）。アニェス・ソレルは豪商ジャック・クールあるいはシャルル七世の息子ルイ十一世に毒殺されたとも考えられている。&lt;br/&gt;［3］　愛の女神。ヴィーナス。&lt;/div&gt;&lt;div class='autoPagerS' id='autoPagerLastDiv' style='border: 0px none ; margin: 0px; padding: 0px; position: absolute; width: 0px; display: block; z-index: -90; left: -100px; top: -100px; height: 0px;'/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-7840645182681302520?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/7840645182681302520/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=7840645182681302520' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7840645182681302520'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/7840645182681302520'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/09/1.html' title='フェリシア　第一部　1'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-5331224284106132381</id><published>2008-09-08T10:15:00.000+09:00</published><updated>2008-09-19T18:34:29.512+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ヴィヴァン・ドノン'/><title type='text'>その日かぎり　3</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;&lt;div align='justify'&gt;　僕の誓いは受け入れられた。ふたりは静かに扉を開けた。眠っているふたりの女がみえた。ひとりは若く、もうひとりはそれよりも年上だった。これが信用されている女で、この女を起こした。この女に耳打ちした。木製の羽目板で芸術的につくられた秘密の扉からこの女が出てゆくのがまもなくみえた。眠っている女の分の仕事をしようと僕は申し出た。僕の奉仕は認められ、あらゆる表面的な飾りは取り払われた。簡単なリボンが髪全体をまとめていて、流れるように捲き毛が溢れていた。そこに僕が庭で摘んだ薔薇だけを加えたが、これは僕がまだぼんやりと手にもっていたものだった。開いたドレスが他のすべての身づくろいの代わりをした。この衣裳にはひとつも結ぶところがなかった。Ｔ夫人はかつてないほどに美しいと僕は思った。少しの疲労がまぶたを重くし、そのまなざしにさらにそそるような物憂さ、さらにやさしい表情を与えていた。ふだんよりも鮮やかな唇の色合いが、歯のエナメルを際立て、ほほえみをさらに官能的にしていた。そこここに散らばった赤みが肌の白さを際立て、それがきめの細かいことを知らせていた。この快楽の跡が喜びを手にしたことを僕に思い出させていた。さらに、ふたりが過ごした何よりも甘美な時間の間に僕の想像力が描いていたのよりもずっと彼女は魅力的にみえた。ふたたび羽目板が開き、口が堅い打ち明け相手の女［1］は姿を消した。&lt;br/&gt;　入ろうとすると、僕は止められた。「ご記憶でしょうね」深刻そうに云った「あなたは何も見なかったし、これから招かれる隠れ家が存在すると疑うこともなかったのです。うっかりすることは認められません。その他のことについては心配していません」 口の堅さは第一の美徳である。多くの幸福の瞬間はこれによるものである。&lt;br/&gt;　これはすべて入信の儀式のようだった。僕の手をとって導いて、暗い小さな回廊を通らせた。偉大な神秘［2］をたたえる前に試される若い入信者のように僕の心臓は震えていた。「でもあなたの伯爵夫人は」彼女は立ち止って云った…。僕は答えようとした。扉が開いた。見とれて答えが途切れた。僕は驚き、魅了され、自分がどうなったのか今となってはもうわからないが、心から魔法を信じはじめていた。扉が閉じると、どこから入ったのかもう見わけがつかなくなっていた。出口がなくて、何ものにも支えられていないようにみえる空中の木立しか僕にはもう見えなかった。実は僕は巨大な鏡の檻のなかにいて、物体がとても芸術的に描かれているので、それが反射されると、描かれているものすべてがそこにあるかのような幻覚を生んでいた。なかには何の光源もみえなかった。それぞれの物体が認められなければならない必要性に従って、柔らかい妙なる薄明かりが差しこんでいた。香炉が甘美な香りを発していた。数字と戦利品がこの喜びの場所を魔法のように照らしているランプの炎を目から掠めとっていた。ふたりが入った側は花で飾った柵になった柱廊の形になっていて、そのくぼみのなかにはひとつひとつにゆりかごが置かれていた。もうひとつの側には、冠を配るエロスの像がみえていた。この像の前には祭壇があり、その上には炎が輝いていた。この祭壇の下には、杯、冠、花飾りがあった。軽やかな建築の神殿がこの面の装飾をしあげていた。向かい側には暗い洞窟があった。神秘を司る神が入口で見張っていた。毛足の長い絨緞をかけた寄木張りの床が芝生を真似ていた。天井では、精が花飾りをつりさげていた。柱廊の反対側には愛の神に支えられたつづれ織を張った天蓋があって、その下に数多くのクッションが積み上げられていた。&lt;br/&gt;　この場所の女王が無造作に身を投げに行ったのはここだった。僕はその足元に崩れた。彼女は僕の方に身を傾け、両手を伸ばし、すべての壁面において繰り返されるこのグループのおかげで、一瞬のうちに僕はこの島が幸福な恋人たちで一杯になるのを見た。&lt;br/&gt;　欲望はその映像によって自らを再生産する。「僕の頭が冠をかぶっていないままにしておくつもりなのですか」僕は彼女に云った「こんなにも王座の近くにいるのに、厳しい仕打ちを経験することがあるものでしょうか。あなたには拒絶のことばを告げることができるのですか」&lt;br/&gt;　「でもあなたは誓ったでしょう」彼女は身を起こして答えた。&lt;br/&gt;　「誓ったときには生けるものだったのですが、あなたは私のことを神にしてくれました。あなたを崇拝すること、これが私の唯一の誓いです」&lt;br/&gt;　「いらっしゃい」彼女は云った「神秘の影が私の弱さを隠してくれなければなりません。いらっしゃい…」&lt;br/&gt;　同時に彼女は洞窟に近づいた。入口をまたぐやいなや、何やら見事にしつらえられたばね細工が僕らを運んだ。この同じ動きに運ばれて、僕らはクッションの山の上に柔らかく倒れた。この新しい聖地のなかでは沈黙とともに闇が支配していた。ふたりのため息がことばの代わりをしていた。さらにやさしく、さらに数を増やし、さらに熱くなり、ため息はふたりの感覚を表し、その程度を記していた。そして最後のため息が、しばらくの間引き伸ばされて、僕らはエロスに感謝しなければならないと告げた。彼女は冠をとって僕の頭に載せ、官能に濡れた目をようやく上げて云った。「ねえ！伯爵夫人のことを私と同じくらい愛してあげることができるの？」 答えようとしたときに、打ち明け相手の女が急いで入ってきて僕に云った。「急いで外に出てください。すっかり夜が明けていて、もう城のなかでは物音が聞こえています」&lt;br/&gt;　目覚めが夢を打ち崩すのと同じ速さですべてが消え失せ、感覚を取り戻すことができないうちに回廊にいることになった。僕は自分のつづき部屋に戻りたいと思った。でもどこに探しに行ったらいいのだろうか？ あらゆる情報が僕のことを告発しかねないもので、あらゆる思いちがいは無分別な行いになりえた。いちばん慎重なのは庭に下りることに決めることだと思われ、朝の散歩から戻ってきたと思わせることができるようになるまでそこにとどまることにした。&lt;br/&gt;　この時間の涼しさと澄んだ空気が僕の想像力を徐々に落ち着けて、超自然的なものを追い払った。魔法にかけられた自然の代わりに、素朴な自然しかみえなかった。魂のなかに真実が戻ってきて、動揺しない考えが生まれ、秩序をもって考えがつながるのを感じていた。ようやく息ができた。このとき僕は今しがた別れたばかりの女の愛人になったのかと自問すること以上に危急の問題はなかったが、自分に対して何と答えたものかわからなくて実に驚いた。僕がこんな質問を考えるかもしれないとは、昨日オペラ座でだれに教えてくれることができただろうか。僕は彼女が二年前から某侯爵のことを気が狂うほどに愛していると信じていて、僕は伯爵夫人にこんなにも夢中で、不実であることなど不可能にちがいないと信じていたのに！ 何だって！昨日のことなのか！ Ｔ夫人。本当なのだろうか、もしかしたら侯爵と別れたのだろうか？次の男として僕を選んだのか、それともただ彼を罰したいだけなのか？ 何という話だろう！何という夜だろう！ 僕はまだ夢を見ているのではないのかどうかわからなかった。僕は疑い、それから納得し、確信し、その後はもう何も信じていなかった。不確かな気持ちのなかをただよっている間、近くで物音が聞こえた。僕は目を上げ、目をこすり、信じられなかった…いったい…だれだ？侯爵だ。「こんなに朝早くから僕のことを待っていたというのではないだろうね、ちがうか？ さあ！どうだった？」&lt;br/&gt;　「じゃあ僕がここにいるのを知ってたの？」僕は聞いた。&lt;br/&gt;　「ああ、そうだよ。きみたちが出発するときに知らせるように言っておいたんだ。自分の役割はうまく演じられたかな？旦那さんはきみの到着がとても滑稽だと思ったか？いつきみは帰されるんだ？ 僕はすべてに備えておいたからね。きみの思いのままになるいい馬車を呼んでおいた。お返しだよ。Ｔ夫人には侍従が必要で、きみはその役をし、道の途中で彼女のことを楽しませてやった。彼女はそれだけを望んでいたのだ。僕のお礼は…」&lt;br/&gt;　「まあ！いや、いや、僕は気前よくサーヴィスするんだ。それに今回は、僕はお礼できないくらいの熱意をふるったとＴ夫人は云うかもしれない」&lt;br/&gt;　この男が現れて、前夜の謎を解き、残りの鍵をくれた。一瞬の後に僕は自分の新しい役割を感じていた。一言ひとことがその場に合うものだった。「どうしてこんなに早く来たの？」僕は云った。「もっと遅く来た方が…」&lt;br/&gt;　「すべて想定内なんだ。僕がここに来たのは偶然をよそおっている。近くの田園から戻ってきたことになっているのだ。じゃあＴ夫人から聞いていないのか？ きみがぼくらのためにしてくれたことの後では、この信頼の欠如ゆえに彼女には悪いことがあってほしいと思うくらいだ」&lt;br/&gt;　「あのひとにはきっと自分なりの理由があるのだろう。それにたぶんもし話を聞いていたら、僕にはこんなにうまく自分の役柄を演じることができなかったかもしれない」&lt;br/&gt;　「じゃあきみ、とても面白かったのかい？ 細かいことを教えてくれよ…話してみて」&lt;br/&gt;　「ああ！…ちょっと待ってくれ。これがみんな喜劇だということがわからなかったんだ。それに僕がこの劇のなかの何ものかであったとしても…」&lt;br/&gt;　「きみの役はいい役ではなかった」&lt;br/&gt;　「いいよ、いいよ、問題ないんだ。いい俳優には悪い役なんてものはないんだよ」&lt;br/&gt;　「わかった。うまくやったということだな」&lt;br/&gt;　「すばらしかったよ」&lt;br/&gt;　「それではＴ夫人の方は？」&lt;br/&gt;　「見事だった。変幻自在だよ」&lt;br/&gt;　「どうやってこの女を落ち着かせることができたと思う？ 苦労したよ。でも僕は彼女の性格をたぶんパリでいちばん貞節については信用できる女にしたのだ」&lt;br/&gt;　「それはよかったな！」&lt;br/&gt;　「これは僕の才能なんだよ。あの女の浮気さは他愛もないもので、想像力の錯乱だった。この魂を奪わなければならなかったんだ」&lt;br/&gt;　「それはいいことだ」&lt;br/&gt;　「そう思うだろう？ 彼女がどんなに僕にご執心かきみには想像もつかないよ。実際あれはチャーミングな女だ。きみも同意するだろう。ここだけの話だが、僕の知っている彼女の欠点はひとつしかない。自然は彼女にすべてを与えたのに、あらゆる自然の恩恵の頂点を飾るあのすばらしい炎は与えなかった。彼女はすべてを生み、すべてを感じさせるが、自分では何も感じない。石のように冷たい女だ」&lt;br/&gt;　「それについてはきみを信じなければならないよ。だって僕にはむりだから…。でもきみはまるで自分が夫であるかのようにこの女のことがわかっていると自分で知っているのか。本当にまちがいそうだよ。もし本物の方と昨日夕食をごいっしょしなかったら…」&lt;br/&gt;　「そういえば、彼はうまくやったかね」&lt;br/&gt;　「あれ以上に夫であることはできないね」&lt;br/&gt;　「ああ！いい話だ！ でも僕の好みから云うと、きみはあまり笑っていないようだね。自分の役の喜劇的な部分がわかっていないのかな？ この世の舞台はずいぶんおかしなものを提供するということには同意するだろう。ずいぶん愉快な場面があるものだ。なかに入ろう。Ｔ夫人といっしょに笑いたくて待ち切れないよ。彼女の部屋はもう明るいだろう。早く着くと云っておいたのだ。慎み深く夫の方からはじめなければならないかもしれない。きみの部屋に行こう、僕は少し粉をつけなおしたいから。じゃあちゃんときみのことを愛人だと思ったかな？」&lt;br/&gt;　「僕がどんな風に迎えられるかを見て、僕が成功したかどうかを判断してくれよ。九時だ。このままご主人のところに行こう」 云わなくともわかるだろうが、僕は自分のつづき部屋を避けたかった。進んでゆくと、偶然そこにたどりついた。開いたままの扉から、肘掛椅子に座って寝ている僕の召使がみえていた。その近くで蠟燭が尽きかけていた。物音を聞いて目を覚ますと、僕の部屋着をあわてて侯爵にわたし、やってきた時間について少し非難をした。僕は茨道を歩いていた。でも侯爵は実に思いちがいしやすかったので、召使のなかに笑いの種になる夢見るもの以外の何ものも見なかった。僕は召使に出発の準備をするように命令を与えたが、召使にはいったいこれは全部何を意味するのかがわからないうちに、僕らはご主人のところに行った。だれが迎えられたかは簡単に想像できるだろう。僕ではなかった。順番があるのだ。ここにとどまるように僕の友だちに熱心に切願していた。奥様のところに連れていって、彼女に決めてもらおうとした。僕の方には、同じ提案はしかねると云った。僕はまったく疲れ果てているようにみえて、土地の空気が僕には本当に有害なものなのではないかと疑われたからだ。その結果、僕には街に帰ることがすすめられた。侯爵は僕に馬車を提供した。僕はそれを受けた。すべてが申しぶんなく運び、僕らはみんな満足だった。それでも僕はまたＴ夫人に会いたかった。僕にはこの喜びを自ら断つことはできなかった。僕の焦燥を友人も共有していたが、彼は彼女がまだ眠っていることについて何も考えがなく、その理由をうかがい知るにはほど遠かった。Ｔ氏の部屋から出がけに彼は云った。「すばらしいことじゃないか？ あれの応答を伝えたら、彼にはもっといいことが云えたものだろうか。実を云って、これはまったく礼儀正しい男なのだよ。それにすべてちゃんと考えてみると、この和解にはまったく満足だよ。いい家庭になるだろう。それに敬意を表する相手としては自分の妻を選ぶ以上にいいことはできないときみも同意するだろう」 僕以上にこの真実をよく知っているものはいなかった。「どんなに面白いとしてもね、きみ、口外は無用だよ。かつてないほどに謎は大切なものになった。Ｔ夫人に彼女の秘密はこれ以上ふさわしいひとの手に委ねられることはないと知らせることができるだろう」&lt;br/&gt;　「信じてほしいね。彼女には僕を信頼してもらってかまわないよ。それにあのひとの眠りはそのためにまったく乱されていないじゃないか」&lt;br/&gt;　「ああ！確かに女を眠らせることにかけてはきみに勝るものはいないということは認めなければならないよ」&lt;br/&gt;　「必要とあらば夫でも愛人でも眠らせるよ」 ようやくＴ夫人の部屋に入ってもいいと知らされた。僕らはそこに赴いた。&lt;br/&gt;　「奥様」なかに入ると話好きの男は云った「奥様のいちばんの親友がふたりお着きです」&lt;br/&gt;　「私が目を覚ます前にお帰りになったのではないかと思って震えておりましたの」Ｔ夫人は云った「それで私が感じる悲しみをわかってくださってありがとう」 彼女はふたりを順番によく見た。でも僕に冗談を云いつづけている侯爵の落ち着きを見てまもなく安心した。僕を慰めるために彼女は必要以上に笑ったが、それでも僕から見て品を落とすようなことはなかった。もうひとりの方にはやさしいことばを、僕には真面目で慎み深いことばをかけた。からかっているとしても、まったくふざけていなかった。「奥さん、彼は最初はじめたときと同じくらい巧みに自分の役柄を演じ終えましたよ」 彼女は重々しく答えた。「この方にお任せする役についてはどれも成功を確信しておりました」 彼は夫の部屋で起きたことを語った。彼女は僕を見て、僕に同意し、まったく笑わなかった。「僕は」もう話をやめないと誓っていた侯爵は云った「まったく満足ですよ。奥さん、僕らには友人ができたのです。また繰り返して云うけれど、僕らのお礼は…」&lt;br/&gt;　「ねえ！」Ｔ夫人は云った「話はここまでにしましょう。あなたにおかげをこうむっていることはちゃんとわかっていると信じてくださいね」&lt;br/&gt;　Ｔ氏の到着が告げられ、みんなその場に居合わせた。Ｔ氏は僕に皮肉を云って僕を送り返し、僕の友人は彼をだまして僕のことをばかにしていた。僕は彼に対して同じことをしていたが、それと同時に、僕ら全員のことをもてあそび、そのひととなりの尊厳をまったく失うことのないＴ夫人に感嘆していた。&lt;br/&gt;　しばらくの間この場面を楽しんだ後、僕は出発の時間が訪れたと感じた。僕がいとまを求めると、ことづけを伝えるふりをして、Ｔ夫人はついてきた。「さようなら。楽しかったのはあなたのおかげです。でもいい夢を見せてそのお返しをしました。今はあなたの愛が帰りを待っています。その愛の対象はそれに値する女性です。私はあの方から少し激情を掠めとることになったかもしれませんが、さらにやさしく、気遣いに満ち、繊細になったあなたをあの方にお返しするのです」&lt;br/&gt;　「もう一度お別れを云います。あなたはかわいらしい方よ…。伯爵夫人との話に私を巻き込まないでね」 彼女は僕の手を握り、僕と別れた。&lt;br/&gt;　僕は待機していた車に乗った。この話全体から何とか教訓を引き出そうとしたが…何も見つからなかった。&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;［1］　フランス近世社会の貴婦人は必ず打ち明け相手の女をもっていた。&lt;br/&gt;［2］　古代ローマ時代の宗教儀式ミュステリアを思わせるもの。もっともミュステリアには女性しか参加できなかった。&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' 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/&gt;　「何てあのひとはお利口なのかしら！」彼女は云っていた「何ておしとやかなの！意地悪な口ぶりが才気にも聞こえる。不貞が理性の結果、慎みのための犠牲にみえる。決して放棄することはない。いつも親切そうだわ。やさしさを見せることは滅多になく、決して誠実ではない。性格は礼儀正しく、原則によって貞女気取りで、活潑で、慎重で、如才なく、軽率で、感じやすく、学者ぶって、媚態があって、哲学者。形についてはプローテウス［1］で、しぐさにおいては美の女神だ。惹きつけておいて、すりぬける。どれほどの役柄を演じるのを見たことがあるかしら！ ここだけの話だけれど、どれほどのだまされやすい男があのひとを取り巻いていることかしら！ あのひとはどんな風にして男爵のことをばかにしたことか…！ あのひとがあなたのことをつかまえたとき、それはあまりに軽率すぎてもう少しで話を公にしかねないふたりのライヴァルの気をそらすためだったのよ。あのひとはこのふたりのことをあんまり手加減しすぎたものだから、このひとたちにはあのひとのことを観察する時間があったの。この女の罪を証明してしまうかもしれなかった。でもあのひとはあなたを登場させ、このひとたちはあなたのことで時間をとり、新しく調査をしなければならなくなり、あのひとはあなたを絶望させ、あなたのことを嘆き、あなたを慰めた。でもあなたたちは四人とも満足した。ああ！器用な女は何とあなたの上に力を及ぼしていることか！このゲイムではすべてに影響を及ぼしてしかも自分では何もつぎこまないとは何とこの女は幸福なことでしょう！」 Ｔ夫人はこの最後のことばにとても意味深いため息をつけくわえた。これは名人芸だった。&lt;br /&gt;　目隠しを外されたと感じたが、つけていた目隠しはまったく見えなかった。このとき僕の愛人はあらゆる女のなかでだれよりも不実な女にみえたが、僕は感受性豊かな人間を手にしていると思ったのだ。僕もため息をついたが、このため息がだれに向けられたものなのかを知らず、このため息を生んだのが後悔なのか希望なのかを解き明かすこともできなかった。僕のことを悲しませて、女によるものなので疑わしくみえるかもしれない描写を勢いにまかせて進めすぎたことで、あのひとは残念に思っているようにみえた。&lt;br /&gt;　今しがた聞いたようなことはまったく考えられなかった。僕らは恋愛感情の主街道［2］を進み、とても向こうの方からやり直していたので、道行きの終わりを垣間見ることもできなかった。形而上学的な理屈の最中に、テラスの向こう側に、何よりも甘美な時間を経験した小館があることを僕に知らせてくれた。それがどういうありさまであるのか、どのようにしつらえられているのかを詳しく知らせてくれた。鍵がないのは何と残念なことでしょう！ おしゃべりしながら、僕らは近づいていた。小館は開いていた。もはや日の明るさが足りないだけだった。しかし暗さにもまたいくらかの魅力を加えることができた。それに、これを美しくするものがいかに魅力的なものであるのかを僕は知っていた。&lt;br /&gt;　なかに入るとき僕らは身震いした。これは聖地、愛の聖地だった。僕らはとらえられた。ふたりの膝はたわんだ。力ない腕は絡まり合い、お互いのことを支えられなくて、神殿の一部を占めていたカナペソファーの上にふたりは倒れ込んでいった。月は沈みかけていて、場ちがいなものになっていたと僕には思われる羞恥心のヴェールをまもなく最後の月明かりが運び去った。すべてが暗闇のなかで区別をなくした。僕のことを押しのけようとする手は僕の心臓が打つのを感じていた。僕から逃げようとしたけれども、さらにやさしい気持ちになってふたたび倒れ込んでいた。ふたりの魂は出会い、その数を増加させていた。ふたりが口づけるたびに魂がひとつ生まれていた。&lt;br /&gt;　前ほどは荒れ狂っていなかったとはいっても、ふたりの官能の陶酔はまだ声を使うことをまったく許していなかった。僕らは沈黙のなかで思考の言語で会話していた。Ｔ夫人は僕の腕に逃げ込み、僕の胸に顔を隠し、ため息をついて、僕の愛撫で気を落ち着けていった。彼女は悲しみ、自らを慰め、愛が奪ったばかりのものすべてを愛に求めていた。&lt;br /&gt;　一瞬前には彼女のことを怖がらせていたこの愛が、このときには彼女を安心させていた。もし一方では自ら奪わせたものを与えたいと思うのだとしても、他方ではかすめとられたものを受けとりたいと思うものだ。そして両方の側で、自分が征服したということを確信するために、二度目の勝利を得ようと急ぐのである。&lt;br /&gt;　こうしたことをすべて少しばかりあわててしたのだった。この過失を感じていた。抜け落ちたものをさらに細かくやり直した。熱くなりすぎると、心遣いが少なくなるものだ。絶頂に先立つあらゆる喜びをないまぜにして、ひとは絶頂へと急ぐ。結び目をちぎりとり、薄布を切り裂く。官能の喜びはあらゆるところに痕を残し、まもなく偶像はいけにえに似たものになることになる。&lt;br /&gt;　先ほどよりも落ち着くと、ふたりは前よりも純粋で爽やかな空気を見出した。小川の流れが小館の壁を濡らし、僕らの心臓の鼓動と同調するような静かなささやきによって、沈黙を破っているのが僕らには聞こえていなかった。闇はあまりに大きすぎて、何ものもはっきりみえなかった。しかし美しい夏の夜の透明なちぢみ織の向こうで、ふたりの想像力は小館の前にある島を魔法の場所にしていた。小川は流れのなかで演じられる愛で覆われているようにみえていた。僕らが向こう岸を満たしたようには、決してクニドス［3］の森はこれほど恋人に満たされたことがなかった。僕らにとって自然のなかには幸福なカップルしかなく、僕らよりも幸福なものは何もなかった。僕らはプシュケーとエロスに挑戦できたかもしれない。僕はエロスのように若かった。Ｔ夫人はプシュケーのようにかわいらしいと僕は思っていた。さらに身を任せてくると、僕にはさらに魅力的にみえた。瞬間ごとに新しい美しさが送られてきた。愛の松明が魂の目に美を照らしだし、何よりも確実な官能が僕の幸福を確認していた。恐れが追放されたとき、愛撫は愛撫を探し求める。愛撫はお互いのことをさらにやさしく呼び求める。もはやひとつの愛のあかしが奪われることも望まなくなる。もしじらすとしたら、それは趣向をきわめるためだ。拒絶は気後れしたもので、やさしい心遣いでしかない。欲望しているのに、まるで望んでいないかのようだ。このような敬意のしるしが喜ばれる…。欲望はたたえ…。魂はそれによって称揚され…。崇拝し…。まったく身を任せず…。任せてきた。&lt;br /&gt;　「ああ！」彼女は妙なる声で云う「この危険な住まいの外に出ましょう。ここでは休みなく新しい欲望が生まれ、これに抵抗できる力がありません」 彼女は僕を連れてゆく。&lt;br /&gt;　僕らはいやいや遠ざかってゆく。彼女はしばしば後ろを振り向いた。聖なる炎が中庭で輝いているようにみえた。「私のためにこの場所を聖なるものにしてくれたのね」彼女は云った「いったいだれがあなたのようにこの場所にふさわしいものになることができるでしょうか。何て愛することが上手なの！ あのひとは何と幸福なのでしょう！」&lt;br /&gt;　「だれのことですか？」僕は驚いて叫んだ。「ああ！僕が幸福を惜しみなく与えるのだとしたら、自然のなかのいかなる存在のことをあなたにはうらやむことができるのですか？」&lt;br /&gt;　僕らは芝生のベンチの前を通りかかり、意識せずに気持ちの昂りをことばにしないで立ち止まった。「この場所と今出たばかりの小館の間には」彼女は云った「どれほど巨大な空間があることでしょう！ 私の魂は幸福に満ちているので、あなたに抵抗できたことがようやく思い出せるくらいです」&lt;br /&gt;　「それはまた！」僕は云った「あそこで僕の想像力を満たした魅力がここで消え去るのを僕は見ることになるのでしょうか。この場所は僕にとって常に破壊的なものになるのですか？」&lt;br /&gt;　「私がいっしょにいるのに、あなたにとって破壊的なものがまだ存在するのですか？」&lt;br /&gt;　「ええ、きっと。だって向こう側では幸福になったばかりなのに、それと同じようにこの場所で僕は不幸だからです。愛は手柄が何倍にもなることを望むのです。まだ獲得しなければならないものが残っているかぎりは何も手にしなかったと信じ込むものなのです」&lt;br /&gt;　「またなの…。いいえ、それはできません…。いいえ、それはだめ…」それから長い沈黙の後で「でもそれなら私のことが好きなのね！」&lt;br /&gt;　僕は二十歳だということを読者に思いだしていただきたい。それでも会話は目的を変えた。前よりも不真面目になっていた。愛の快楽について冗談を云い、愛を分析し、精神的なものを切り離し、愛を単純なものにし、愛のあかしは快感でしかないと証明しようとしさえした。我々の秘密を少しわからせたり、いくらか秘密を漏らしたりするという、人々と契約したものしか（哲学的に云って）約束はないのだ。「何て素敵な夜でしょう！」彼女は云った「私たちをみちびくもの、私たちの口実であるこの快楽の魅力だけによってこの夜を過ごしたのよ。きっと明日は離れ離れにならなければならない理由があるでしょうけれども、あらゆる自然に知られていない私たちの幸福は、たとえば、ほどかなければならないどんな係累も残さないのでしょう…いくらか後悔の念が残るけれども、そのなかの心地よい思い出が償いになるでしょう…。それに加えて、あらゆる鈍重さ、わずらわしさ、決まったやり口のしめつけがない快楽が残るのです」&lt;br /&gt;　我々はこれほどにも機械なので（そのせいで僕は赤くなってしまう）、今経験したばかりの場面の前には僕を苦しませていた気遣いを取り戻すことはなく、僕はこの大胆な原則に少なくとも半分は賛成だった。この原則が素晴らしいものだと思い、今度は自由の愛を受け入れる準備があるようにもう感じていた。&lt;br /&gt;　「美しい夜だわ！」彼女は云った「ここは美しいところね！ 七年前にここから出ていったの。でもまったく魅力を失っていない。私にとっては新しいものの魅力をふたたびもつことになった。あの小部屋のことを忘れることはないでしょう。ちがいますか？ この城はさらに魅力的な小部屋をもうひとつ隠しています。でもあなたには何も見せられません。あなたは何にでも触わりたがり、触わるものはすべて壊してしまう子供のようですから」 不意に好奇心を感じたが、それは自分でも意外なことで、そのせいでお望みどおりのもの以外にはなりませんと約束した。まったく理性的になったと僕は主張した。話題を変えた。「もし私があることで自分を責めていなかったとしたら」彼女は云った「この夜はまったく気持ちのよいものと思われたでしょうに。伯爵夫人についてあなたに云ったことを私は残念に思っています、本当に気持ちが悪いことだと思うのです。あなたのことを嘆きたいというのではないのです。新しいことには刺激があります。あなたは私のことを愛想がいいと思ったけれど、あなたはまじめだったと私は信じたい。でも習慣の支配を滅ぼすにはとても長い時間がかかるもので、私も最後まで行くために必要なものはもっていないと自分で感じている。それにつづけてゆくために必要な私の心の力はすべて尽きてしまったのです。今あなたには私のそばで何を期待できるというのかしら？ 何を欲しがることができるの？ 欲望と期待がないとしたら、女の前でひとは何ものになるのかしら？ 私はあなたにすべてを気前よく与えました。陶酔の時間の後で、厳しいことを考えなければならなくさせた快楽のことを、いつか何とかして許していただけるのではないかしら。ところで、夫のことをどうお思いになったか、おっしゃっていただけますか？ かなりぶすっとしているとは思いませんか？ 食餌制限というものはまったく無愛想なものですね。あのひとがあなたのことを冷静な目で見たとは思いません。私たちの友情はあのひとにとって疑わしいものになるかもしれません。この初めての道行きを長びかせてはいけません。あのひとが不機嫌になるかもしれませんから。ひとが来たらすぐ（きっとひとが来るでしょう）…。それにあなたもよほど気をつけなければなりませんよ…。昨日私たちと別れるときに主人がどんな感じだったか覚えていらっしゃいますか？…」 この最後のことばが僕に与えた印象を見て、彼女はすぐにつけくわえた。「さっきお話しした小部屋を粋を尽くしてしつらえさせたときは、あのひとはもっと陽気でしたのよ。私が結婚する前のことでした。あのひとは私のつづき部屋に執着しています。私にとってこのつづき部屋は、ただＴ氏が自分の気持ちを強くするために必要としているつくりものの力の源…私があのひとの魂に与えているなけなしの気力のようなものを証言するものでしかありませんでした」&lt;br /&gt;　こうして彼女はこの小部屋に対する僕の好奇心を間を置いてかきたてていた。「彼はあなたのつづき部屋に執着しているですって」僕は云った「侮辱されているあなたの魅力のしかえしをするのは何という快楽でしょうか！あなたの魅力から盗まれたものを返してやるのです！」 これよりも調子のよいことばを見つけた。「ああ！」ぼくは云った「僕がこの復讐をする英雄として選ばれたとしたら、もし瞬間を志向することが習慣の倦怠を忘れさせて償うことができたとしたら…」&lt;br /&gt;　「もしお行儀よくすると約束してくださるのなら」僕のことばを切って彼女は云った。&lt;br /&gt;　白状しなければならないが、この新しい神殿を訪れるために必要な熱意、献身的な気持ちをはっきりと感じていたわけではなかった。でもとても興味があったのだ。僕が欲しかったのはもはやＴ夫人ではなく、小部屋の方だった。&lt;br /&gt;　僕らは戻っていた。階段と回廊のランプは消えていた。僕らは迷路のなかをさまよっていた。城の女主人自身が出口を忘れていた。ようやくふたりは彼女のつづき部屋の扉のところにたどりついた、これほどにも自慢されているあの小部屋をなかに備えているあのつづき部屋に。「僕のことをどうするつもりですか」僕は云った「僕に何になってほしいのですか。こんな風にして闇のなかに僕を送り返すのですか。僕が音をたてて、ふたりの居場所をあかして、ここにいることがわかって、あなたの行き場がなくなるようにしてほしいのですか」 この理屈は彼女には答える必要がないもののようにみえた。「約束するんでしょう…」&lt;br /&gt;　「全部約束します…絶対に」&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;［1］　ポセイドンの息子で、海の神のひとり。変身の能力がある。&lt;br /&gt;［2］　愛の道のりを図案化したスキュデリー嬢の「恋愛地図」は、陳腐な恋愛感情表現の比喩として十八世紀文学のなかでよく用いられる。ここでは実際にこのふたりのたどったテラスの上の道とその道すがらした会話が重ねられている。&lt;br /&gt;［3］　現在はトルコ領の古代ギリシアの町。プラクシテレスのアフロディテー像があったことで有名だった。モンテスキユが『クニドスの神殿』という作品を書いている。&lt;br /&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class='autoPagerS' id='autoPagerLastDiv' style='border: 0px none ; margin: 0px; padding: 0px; position: absolute; width: 0px; display: block; z-index: -90; left: -100px; top: -100px; height: 0px;'/&gt;&lt;/div&gt;&lt;div class="blogger-post-footer"&gt;&lt;img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/8102184254115599648-3626466683638161611?l=lorsange.blogspot.com' alt='' /&gt;&lt;/div&gt;</content><link rel='replies' type='application/atom+xml' href='http://lorsange.blogspot.com/feeds/3626466683638161611/comments/default' title='コメントの投稿'/><link rel='replies' type='text/html' href='http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8102184254115599648&amp;postID=3626466683638161611' title='0 件のコメント'/><link rel='edit' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/3626466683638161611'/><link rel='self' type='application/atom+xml' href='http://www.blogger.com/feeds/8102184254115599648/posts/default/3626466683638161611'/><link rel='alternate' type='text/html' href='http://lorsange.blogspot.com/2008/09/2.html' title='その日かぎり　2'/><author><name>NeiMuroya</name><email>noreply@blogger.com</email><gd:image rel='http://schemas.google.com/g/2005#thumbnail' width='24' height='32' src='http://bp2.blogger.com/_KQXq42obkcE/R2fCWp2z3aI/AAAAAAAAAAU/ZbqMOp-R1To/S220/cranach_judith_holofernes.jpe'/></author><thr:total>0</thr:total></entry><entry><id>tag:blogger.com,1999:blog-8102184254115599648.post-7615202420304766691</id><published>2008-08-26T12:12:00.001+09:00</published><updated>2008-09-19T18:25:39.865+09:00</updated><category scheme='http://www.blogger.com/atom/ns#' term='ヴィヴァン・ドノン'/><title type='text'>その日かぎり　1</title><content type='html'>&lt;div xmlns='http://www.w3.org/1999/xhtml'&gt;その日かぎり&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='right'&gt;ドミニク・ヴィヴァン・ドノン&lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='right'&gt;文字は殺し、精神は生かす。&lt;br/&gt;聖パウロの書簡［1］ &lt;br/&gt;&lt;/div&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;br/&gt;&lt;div align='justify'&gt;　　僕は某伯爵夫人を狂おしいほどに愛していた。僕は二十歳で、無邪気だった。裏切られた僕は、気分を害したので、夫人は僕のもとを去った。無邪気だった僕は、夫人に戻ってきてほしいと思った。二十歳の僕を、夫人は許した。でも僕は二十歳で、無邪気だったので、相変わらず裏切られていたけれど、よりを戻したので、自分はだれよりも愛される愛人だ、さらにだれよりも幸福な男だと信じていた。伯爵夫人はＴ夫人の友人で、Ｔ夫人は僕に関するちょっとした計画を抱いていたようだが、自分の尊厳は傷つけられないようにしていた。後にわかるように、Ｔ夫人は細心の注意を払って慎みの原則に執着していたのである。&lt;br/&gt;　ある日桟敷席で伯爵夫人を待っていたとき、隣りの席から僕を呼ぶ声が聞こえた。また慎み深いＴ夫人ではないだろうか。「あら！もう来てるの？」と云っていた「何という暇人なのかしら！ そばにいらっしゃい」 この出会いが奇想天外な思いもよらないことになろうとはまったく期待していなかった。女の想像力は素早いものだ。このときＴ夫人の想像力はとりわけ発達していた。「そんな風におひとりでいらっしゃることの滑稽さからお救いしてあげなければなりません」彼女は云った「ここにいらっしゃるのだから、そうしなければなりませんわね…。すばらしい思いつきだわ。神の手があなたをここに導いたのではないのかしら。ひょっとして今晩の計画はありますか。その計画はむだなものになるかもしれないと予告さしあげます。質問はいけません。抵抗してはいけません。私のおつきのひとを呼んでください。かわいいひとね」 僕はひれ伏し…、下りてくるように急かされ、僕は従う。「この方のお宅へ行って」召使に云う「今晩お帰りにはならないと知らせてください」 それから耳打ちし、召使は姿を消す。僕は何ごとか口に出そうと思うが、オペラがはじまり、口を利かないように言われる。オペラを聴く、というよりも聴いているふりをする。第一幕が終わるとすぐに、さっきと同じ召使がＴ夫人に書きつけをわたし、用意は万端ですと云う。彼女はほほえみ、僕に手を差し出すように言い、下に降りて、僕を車に乗せ、いったい僕のことをどうするつもりなのか情報を手にすることができないうちに、僕はもう街の外にいる。&lt;br/&gt;　質問を口にするたびに、高笑いが答えた。これが大きな情熱をもった女で、まさにこのときにある種の心の傾きを抱いていること、僕がそのことを知っていると彼女が知らないはずのないたぐいの心の傾きを抱いていることをもしよく知らなかったとしたら、僕は運がいいと考えようとしていたかもしれない。彼女は同じく僕の心のありさまを知っていた。もう云ったように、某伯爵夫人はＴ夫人の仲の良い友人だったからだ。だから僕はあらゆる買いかぶりを自らに禁じ、出来事が起きるのを待った。馬を替え、一瞬のうちに再出発した。このおふざけは僕のことをどこまで連れてゆくのか、さらにしつこく聞いた。「実に見事な住居にお連れすることになります。どこか当ててごらんなさい。ああ！わかりっこないわね…夫のところへお連れするの。夫をご存知ですか？」&lt;br/&gt;　「いや、まったく」&lt;br/&gt;　「知っておいてよかったとお思いになるのではないかしら。私たちは和解の最中なのです。六箇月前から交渉していて、一月前から文通しています。夫に会いに行く私はかなり如才ないと思いますよ」&lt;br/&gt;　「そうですね。でも教えてください。僕はいったい何をしにゆくんですか。何のお役に立てるのかしら」&lt;br/&gt;　「それは私の問題です。一対一だと退屈するのではないかと思ったのよ。あなたはご親切だし、いらっしゃってくださってたいへん気が休まりますわ」&lt;br/&gt;　「僕を紹介するのに仲直りの日を選ぶだなんて妙なことに思えます。僕は無害な人間だと信じ込ませようとでもいうのですか。それに初めての会見に感じる困惑の空気をつけくわえてみてください。実を云って、あなたのなさろうとしていることのなかには何も楽しいものがあると思えませんよ」&lt;br/&gt;　「ああ！道徳はやめてくださいよ。自分の役割の目的がわかっていませんね。私を楽しませ、気晴らしさせてくれなければならないけど、お説教はいけません」&lt;br/&gt;　夫人の決意はとても強いとわかったので、僕もそのくらい決意を強くしようと決めた。僕は自分の役柄を笑いはじめ、僕らはとても陽気になった。&lt;br/&gt;　もう一度馬を替えた。夜の謎めいた松明が清らかな空を照らし、とても官能的なほの明かりを拡げていた。一対一の場面が終わりを告げる場所に近づこうとしていた。ときおり美しい風景、静かな夜、心を打つ自然の沈黙を見せて僕の感嘆を促してきた。感嘆を共にしようと、当然のことのように、ふたりは車の同じ扉の方に身を傾けた。車が揺れると、Ｔ夫人の顔と僕の顔がときどき触れ合うことになった。予期せぬ衝撃によって、夫人は僕の手を握った。そして僕は、まったくの偶然によって、夫人を腕に抱いた。こんな姿勢では、何を見ようとしていたのかわからない。確かなことは、僕の目にはものがにじんでみえていたが、そのとき突然僕のことを振り払うと、あのひとは馬車の奥に身を投げたということだ。「あなたの計画は」かなり深くもの思いに沈んだ後で云った「私のやり方は慎みを欠くと私にわからせようとすることなのかしら」 僕はこの質問に困惑した。「計画ですって…それもあなたと…なんて信じやすいんだ！それならずっと前からわかっていたはずでしょう。でも偶然、不意打ちは…許してもらえることです」&lt;br/&gt;　こんなことを話していると、ほぼ気づかぬうちに城のひとつめの中庭に入っていた。すべてが明るく、すべてが喜びを告げていたが、喜びを表そうとしない主人の顔だけが例外だった。そのものうげな雰囲気が、家庭上の理由だけで和解が必要だということを示していた。それでも慣例に従って、Ｔ氏は車の扉のところまでやってくる。僕は紹介を受け、彼は僕に手を差し出し、過去、現在、未来の自分の役柄を思いながら、僕はついてゆく。豪華であると同時に趣味の良い装飾のサロンを僕は見て回る。家の主はあらゆる贅沢の追及に長けていたのだ。官能のイメージによって、衰えた肉体の源をふたたび元気づけることに努めていた。何を云ったもの
